
作用・反作用の法則は簡単?
作用・反作用の法則は現行の物理カリキュラムでは物理基礎の最初に出てくる概念です。
したがって、基礎的な事項といえるでしょう。
しかし、大事なことですが物理学では「基礎事項」イコール「簡単」では決してないということです。それどころか、物理学における基礎事項は理解が難しく高度なものが多く存在します。
例えば、先にあげた慣性の法則ですが、
物体に働く外力が働かないか働いていてもつり合っている場合、物体は等速運動を続ける
などとさらっと教科書等に書いてありますね。
思い出してください。あなたはこれを読んで、「なるほど!」と納得できましたか?この内容はかなり高度だと思います。日常生活では、押すのをやめると、物体は止まってしまうものだからです。
また、あなたは力学のつりあい問題を解くにあたって外力と内力の区別が難なくできましたか?普通はかなり苦戦します。
なぜなら、普段私たちが感じている力にそのような区別はしていないからです。
力のつり合いで外力だけを描くというのは物理の学習で誰もが難しいと感じる部分でしょう。
その他では、重さと質量について、その違いを正確にいえますか。
これらはほんの一部ですが、どれも物理学の基礎の基礎です。しかし、その内容は物理学を深く学習して後、振り返って初めて納得できることも多いことなのですね。
物理の学習ではこのような高度な概念が次から次へと出現し、学習者を悩ませることになります。
その中でも、誤解がとりわけ多いのが今からお話しする「作用・反作用の法則」です。
作用・反作用の法則
物体1から物体2に力をはたらかせるとき、物体2から物体1へ一直線上逆向きに等しい大きさの力がはたらく
物体1から物体2への力を「作用」とよぶとき物体2から物体1への力を「反作用」と呼びます。あるいは物体2から物体1への力を「作用」とよび、物体1から物体2への力を「反作用」としてもかまいません。また、この力はお互いに瞬間的に働きます。
何のことはない法則だと思われるかもしれません。しかし、この文章をしっかりと読み解くと私たちの常識では考えられないことが書いてあることがわかります。
次にそういった重要なことを列挙しましょう。
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