「代謝」とは?生物のエネルギー利用の要点を生物専攻ライターが5分でわかりやすく解説!
代謝に関わる細胞小器官
代謝とは、生体内で起こる化学反応であるとお話ししました。化学反応を促進することができる物質といえば、触媒。生物がもつ触媒といえば、酵素(生体触媒)ですね。特に、細胞内の特定の部分に酵素群が存在することで、代謝が効率的に進みます。
・核
核膜内部にDNAをもつ細胞小器官ですね。DNAの複製や転写に関与する酵素が集まっています。
・ミトコンドリア
細胞の呼吸の中心となる場所です。呼吸に関与する酵素(脱水素酵素、シトクロムオキシダーゼなど)が集まっています。内膜上にはATP合成酵素が組み込まれています。
・葉緑体
植物が光合成を行うのに欠かせない細胞小器官です。光合成に関与する酵素(ルビスコなど)が集まっています。
・リソソーム
多数の消化酵素を含む、小さな袋状の構造です。酵素の最適pHに合わせ、膜の内部は酸性に保たれています。
・細胞質基質
呼吸や発酵での解糖系に関与する酵素(脱水素酵素、脱炭酸酵素など)が集まっています。
代謝の基本はこれでばっちり!
代謝の要点をおさらいしましょう。
・代謝とは、生体内で起こる化学反応の総称です。
・代謝では、ATPを介したエネルギーの出入りが起こります。
・代謝の2つのパターンは、ATPをつかう「同化」とATPをつくる「異化」。
これで代謝の基本はばっちりです。
今後、呼吸や光合成をはじめとした代謝の詳しい反応系について勉強する際も、ATPのやりとりに注目してみてください。
記事の最後で「代謝に関わる細胞小器官」について取り上げました。教科書の分野を横断して知識をまとめると、理解が深まるのはもちろんのこと、生物学への興味も深まるかと思います。