ここで平均加速度としているのは、加速度の定義が微小時間あたりのものだからです。
この例題では10秒間の速度変化を例にしていますが、その間常に一定の割合で加速度が増加しているとは限りません。(1秒目で2[m/s^2]増加し、2秒目で5[m/s^2]増加していき、10秒間の平均で10[m/s^2]となる可能性もあります。)そのため、このように幅の広い時間で加速度を考える際は、常に一定の割合で増加するという仮定の上で進めるのです。
4.加速度とv-tグラフ
加速度は速度と時間に関係していることはおわかりいただけたでしょう。そのため、加速度はv-tグラフの形にも表れます。以下に、先ほど例に挙げた10秒間で速度が40m/sのまま50m/sまで増加、80m/sまで増加したボールのv-tグラフを示しましょう。ここでは10秒間一定の割合で増加していると仮定しています。
v-tグラフとは、x軸に時間、y軸に速度をとったグラフです。物体の速度の時間変化を表していますよ。このグラフの面積は、物体の移動距離を表します。
image by Study-Z編集部
グレーは速度が40m/sで一定の物、オレンジは50m/sまで増加した物、ブルーは80m/sまで増加したものです。
オレンジとブルーの物は速度が増加しているため、グラフの線の傾きは右上がりですね。対して、グレーの40m/sで一定の物は速度が増加しないため、グラフの線も横ばいです。このように加速度が0で速度が一定のものは、等速直線運動とも言います。
図からは、速度の増加量が大きいものほどグラフの傾きが大きいことが読み取れますね。
ここでは時間は10秒間で等しいため、速度の増加量だけでなく加速度も同様の傾向を示していることがわかります。つまり、グラフの傾きは加速度を表し、その傾きから加速度が読み取れるということです。
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4-1.v-tグラフは本当か
実際にv-tグラフから加速度を求めてみましょう。まずは、ブルーのグラフについて計算してみます。ブルーのグラフは、0秒では40m/s、10秒のときでは80m/sですね。一次関数の傾きの求め方は、yの増加量/xの増加量なので、
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