英文の基本となる「5文型」ですが、高校1年の最初に学習したあと忘れたままになっている高校生は多い。しかし、あらゆる英文にあてはまる「5文型」を使えば、文構造を見抜き正しい意味をつかむことができるぞ。このような武器を使わずにいるのはもったいない。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「5文型」の基本

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すべての英文は5文型のいずれかに当てはまるので、わかっていればこれほど便利なものはありません。「5文型」を理解する前に、ここで必要な事柄をチェックしておきましょう。

文の要素である「S、V、O、C」

文の仕組みは、4つの文の要素によって構成されます。S、V、O、C と呼ばれるものですが、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

S(Subject、主語):主語は「名詞」。ときには、名詞句(名詞のカタマリ)となることもありますよ。

V(Verb、述語動詞):こちらはそのまま「動詞」です。基本は主語の次に位置します。

O(Object、目的語):目的語は「名詞」や名詞句(名詞のカタマリ)です。動詞のあとに続き、「〜を、〜に」という意味で使われます。

C(Complement、補語):補語は「名詞」または「形容詞」で、主語や目的語の説明をしますよ。

修飾語句とは

文の要素である「SVOC」のほかに、修飾語句と呼ばれるものがあります。英文はすべての語が「SVOC」のいずれかに当てはまるわけではなく、いずれにも当てはまらないのが修飾語句です。「M」で表記されることが多くなっています。

M(Modifier、修飾語句):「副詞」または副詞句(副詞のカタマリ)です。名詞以外を修飾します。

例えば、「I took a walk in the park yesterday.(私は昨日公園を散歩した)」なら、「in the park」と「yesterday」はともに動詞に係る副詞もしくは副詞句なので修飾語句になりますよ。

実際に「5文型」を見ていこう

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いよいよここから実際の「5文型」を見ていきますよ。例えば、見た目がそっくりな以下の文、これも5文型の理解があれば正しく意味をとらえることができます。

 I found the book easily.

 I found the book easy.

各文型の特徴のほか、文型を見分けるポイントに注目して見ていきましょう。

SV、SVC、SVO

まずは、文の要素が3つまでの文型を例文をもとにして解説します。

第1文型 SV:My aunt lives in Sapporo.(私のおばは札幌に住んでいる)

 Sは「My aunt」、Vは「lives」、「in Sapporo」は動詞に係るのでMになりますね。

第2文型 SVC:I was a high schol student.(私は高校生だった)

 Sが「I」、Vが「was」、Cが「a high school student」で、「S=C」の関係になります。

第3文型 SVO:Tom studied English hard.(トムは一生懸命英語を勉強した)

 この場合は、Sが「Tom」、Vが「studied」、Oが「English」、「hard」は動詞を修飾する副詞なのでMです。また、「S≠O」の関係になるため第3文型と判断できます。

SVOO、SVOC

ここからは、文の要素が4つになる第4文型と第5文型を解説します。ここでも見分け方がポイントになりますよ。

\次のページで「5文型から文構造をとらえて、正しい意味をつかみましょう!」を解説!/

第4文型 SVOO:My father bought me a present.(私の父は私にプレゼントを買ってくれた)

 「My father」がS、「bought」がV、「me」がO、「a present」もOです。第4文型は、「O≠O」になるのがポイントですよ。SVOOの文は「SV + O(人) + O(もの)」になります。

 さらに、この第4文型は「SVO(もの) toまたはfor,of O(人)」の第3文型に書き換え可能です。例文の場合、My father bought a present for me.となりますよ。

 give, show, teachなど相手が目の前にいるような動詞は「to」、buy, makeなど相手が目の前にいなくてよい動詞には「for」、askのときに「of」を使います。

第5文型 SVOC:He made me angry.(彼は私を怒らせた)

 「He」がS、「made」がV、「me」がO、「angry」がCです。第5文型では「O=C」の関係になります。

5文型から文構造をとらえて、正しい意味をつかみましょう!

5文型の基本から、それぞれの文型の特徴を例文に触れながら解説してきました。最後に、さきほどの例文を解説しておきます。

 I found the book easily.(第3文型、私は簡単にその本を見つけた)

 I found the book easy.(第5文型、私はその本が簡単だとわかった)

上の文は語尾の「easily」が副詞なのでM、下の文は「easy」が形容詞なのでCになり「本(O)=簡単な(C)」ですね。紛らわしい文を正しく意味をとらえるには、5文型の理解が不可欠です。5文型は学習した時だけでなく、ずっと使い続けるようにしましょう。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
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英語の勉強法

【英語】現役塾講師が「5文型」をわかりやすく解説!使うほど便利さ実感、「5文型」を理解しよう

英文の基本となる「5文型」ですが、高校1年の最初に学習したあと忘れたままになっている高校生は多い。しかし、あらゆる英文にあてはまる「5文型」を使えば、文構造を見抜き正しい意味をつかむことができるぞ。このような武器を使わずにいるのはもったいない。

10数年間、中高生に英語を指導しているライターヤマトススムと一緒に解説していきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「5文型」の基本

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すべての英文は5文型のいずれかに当てはまるので、わかっていればこれほど便利なものはありません。「5文型」を理解する前に、ここで必要な事柄をチェックしておきましょう。

文の要素である「S、V、O、C」

文の仕組みは、4つの文の要素によって構成されます。S、V、O、C と呼ばれるものですが、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

S(Subject、主語):主語は「名詞」。ときには、名詞句(名詞のカタマリ)となることもありますよ。

V(Verb、述語動詞):こちらはそのまま「動詞」です。基本は主語の次に位置します。

O(Object、目的語):目的語は「名詞」や名詞句(名詞のカタマリ)です。動詞のあとに続き、「〜を、〜に」という意味で使われます。

C(Complement、補語):補語は「名詞」または「形容詞」で、主語や目的語の説明をしますよ。

修飾語句とは

文の要素である「SVOC」のほかに、修飾語句と呼ばれるものがあります。英文はすべての語が「SVOC」のいずれかに当てはまるわけではなく、いずれにも当てはまらないのが修飾語句です。「M」で表記されることが多くなっています。

M(Modifier、修飾語句):「副詞」または副詞句(副詞のカタマリ)です。名詞以外を修飾します。

例えば、「I took a walk in the park yesterday.(私は昨日公園を散歩した)」なら、「in the park」と「yesterday」はともに動詞に係る副詞もしくは副詞句なので修飾語句になりますよ。

実際に「5文型」を見ていこう

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いよいよここから実際の「5文型」を見ていきますよ。例えば、見た目がそっくりな以下の文、これも5文型の理解があれば正しく意味をとらえることができます。

 I found the book easily.

 I found the book easy.

各文型の特徴のほか、文型を見分けるポイントに注目して見ていきましょう。

SV、SVC、SVO

まずは、文の要素が3つまでの文型を例文をもとにして解説します。

第1文型 SV:My aunt lives in Sapporo.(私のおばは札幌に住んでいる)

 Sは「My aunt」、Vは「lives」、「in Sapporo」は動詞に係るのでMになりますね。

第2文型 SVC:I was a high schol student.(私は高校生だった)

 Sが「I」、Vが「was」、Cが「a high school student」で、「S=C」の関係になります。

第3文型 SVO:Tom studied English hard.(トムは一生懸命英語を勉強した)

 この場合は、Sが「Tom」、Vが「studied」、Oが「English」、「hard」は動詞を修飾する副詞なのでMです。また、「S≠O」の関係になるため第3文型と判断できます。

SVOO、SVOC

ここからは、文の要素が4つになる第4文型と第5文型を解説します。ここでも見分け方がポイントになりますよ。

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