【物理】「電力、電力量、熱量」の関係性を理系大学院生が3つの例題からわかりやすく解説!
電力と電力量は似た言葉ですが、電力は短い間隔で電流がする仕事、電力量は電力をたくさん集めた集まり、と考えることができる。そして熱量は、仕事をした結果・成果ととらえられる。少しややこしいが、身近な例と一緒に考えれば難しくない。
高校、大学、大学院と電気を専攻してきたライターさとるめしと一緒に解説していきます。
ライター/さとるめし
工業高校電気科卒、大学、大学院と電気工学を専攻している現役大学院生。「電気はよくわからない…」と言う友人や知人に、どうすればわかりやすく電気について理解してもらえるか、日々考えながら過ごしている。
電力と電力量とは?
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電力と電力量とは、一体何なのでしょうか?何が違うのでしょうか?言葉だけでは、あまり違いがわかりませんね。
電力は、単位時間当たりに電流がする仕事とされています。対して電力量は、電流がする仕事です。どうやら、単位時間当たりという言葉がポイントになりそうですね。言葉の意味を、もう少し詳しく考えていきます。
単位時間当たりの意味
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単位時間当たりという言葉は、物理の勉強をすると頻繁に目にします。一体どのような意味なのでしょうか?
単位時間とは、ある特定の基準となる時間のことです。場合によって異なりますが、基本的には1秒を基準として単位時間を定めます。
一番わかりやすい例は、速度です。m/s、m/min、km/h、という単位を見たことがある方も多いと思います。これらはすべて速度の単位です。sは秒、minは分、hは時間のことを表しています。1秒間に何m進むのか、1分で何m進むのか、1時間で何km進むのか。これらの時間が、単位時間当たりという言葉を具体的に示しているのです。
時間を区切り、その区切った時間を最小の単位としたものが単位時間当たりとなります。
電力と電力量はどのように表現できる?
電力と電力量は、それぞれ電流がする仕事であると説明しました。しかし、言葉の定義だけではよくわかりませんね。そこで、数学的な式から考えてみます。
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