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「インディアン」の現在は?西部開拓時代の消された歴史を元大学教員が徹底解説

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大部分の先住民(インディアン)は白人社会との同化を強いられていた。しかしアメリカ国民として認められているわけではない。教育や就労の機会がないのが現実だ。現在のAIMは、過激な行動は控えて先住民(インディアン)の文化を継承する活動を続けるにとどまっている。

アメリカ国内における先住民(インディアン)は多くの矛盾をはらむ

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By Jack Delano – Photo by Jack Delano via Library of Congress website, Public Domain, Link

先住民(インディアン)の権利の回復や地位を向上させる運動がおこるものの、今日に至っても多くの問題は解決していません。アメリカが形成される過程で、先住民(インディアン)のあいまいな位置づけを放置してきたことが原因です。

先住民(インディアン)の自治区は自立できない植民地

先住民(インディアン)が暮らしているのはインディアン居留地。専用の学校、病院、施設などがある自治区です。独自の議会制度もあり、合衆国から切り離された形がとられました。ここから先住民(インディアン)はアメリカ国民とは異なる位置づけであることが分かります。

ここに住むことで優遇されるのが税金や学費。それらを維持するために合衆国の多額の税金が投入されています。居留地のなかでは仕事の機会がとぼしいのが現実。外に出てもいい仕事に就くことはできません。結果的にアメリカ国内に自立できない植民地があるかのような状態になっています。

インディアン居留地では貧困問題が継続

インディアン居留地における問題は、ヨーロッパ人が入植した時期に由来するもの。入植者が持ち込んだウィスキーの影響で、先住民(インディアン)は堕落した生活を送るようになりました。今日も、アルコール中毒の先住民(インディアン)が多いことは深刻な問題となっています。

また居留地内における失業率が約50%という調査結果も。居留地をでた若者の多くは、仕事を得ることができずにホームレスになる、貧困にて病気になることが大部分。さらに貧困の延長からドラッグ中毒になる先住民(インディアン)が多いことも問題視されています。

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先住民(インディアン)はもともと貨幣経済を持たず、土地はすべての人々のものという考えで穏やかにくらしていた。そのためアメリカ合衆国の競争社会になじめない部分も多いのではないか。「自治」という形はとっているが政府の管理下にあるのが現状。それがさらに貧困に陥らせる悪循環となっている。

「インディアン」が教えてくれるのは歴史は「勝者」の立場から書かれていること

アメリカはヨーロッパの人々が入植することから始まった国。先住民(インディアン)を追い払うことでアメリカが形成されたと言ってもいいでしょう。長らくアメリカの歴史は「勝者」の立場から書かれたものが中心。負けた側の歴史はゆがめられた形となっていました。これはアメリカだけではなくどこの国でも存在すること。日本史の場合も、アイヌ民族をどのように位置づけるのかという課題があります。歴史は必ずしも中立ではないことを気に留めながら学んでいくことが大切なんですね。

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hikosuke