世界史に詳しいライター万嶋せらと一緒に解説していきます。
ライター/万嶋せら
会社員を経て、現在はイギリスで大学院に在籍中のライター。歴史が好きで関連書籍をよく読み、中でも近代以降の歴史と古典文学系が得意。専門として学んでいるグローバリゼーションの知識を活かして、今回は「国際連盟」について解説する。
国際連盟の基礎知識
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国際連盟とはどんな組織だった?
「国際連盟」とは、第一次世界大戦後に発足した組織です。世界で初めて、集団安全保障の原則に基づいて国際平和の維持を目指した国際機関でした。英語ではLeague of Nationsと呼ばれています。
国際連盟の本部はスイスのジュネーヴにあり、合計すると60か国を超える国が加盟していました。しかし、残念ながら第二次世界大戦の勃発を防ぐことはできませんでした。組織にはいくつか問題があり、世界の安定を目指す国際機関としてうまく機能しなかったと言われています。大規模な戦争を引き起こしてしまった反省を活かして第二次世界大戦後に新たに国際連合が設立されたことを受け、国際連盟は解散。平和を維持する役割は、国際連合に受け継がれました。
国際連盟が設立された経緯は?
国際連盟の設立が提唱されたのは、第一次世界大戦中のことでした。提唱者はアメリカのウッドロウ・ウィルソン大統領です。1918年、ウィルソン大統領は議会での演説で「十四か条の平和原則」を発表し、戦後に目指すべき国際秩序の構想を提案しました。この平和原則の第14条で、国際平和機構の設立がうたわれたのです。
ウィルソン大統領が提唱した国際平和機構の構想は、イギリスなどの連合国とドイツとの間で結ばれた第一次世界大戦の講和条約であるヴェルサイユ条約の第1条に記載されました。また、連合国がドイツ以外の敗戦国と結んだサン=ジェルマン条約やヌイイ条約などにも、同じ条項が記載されます。
これらの条約を根拠として、国際連盟の設立が実現したのです。ヴェルサイユ条約が発効した1920年1月10日、国際連盟も正式に発足しました。
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