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「アンリ4世」を歴女がわかりやすく解説!寵姫ガブリエルを殺したのは誰か?

2 アンリとガブリエル

アンリには最も愛する愛妾ガブリエルがいました。アンリ4世は、3人もアンリの子を産んだガブリエルを王妃として迎えたいと考えていました。しかし離婚されることになるマルゴは反対。廷臣たちも再婚を反対する状況となりました。この章ではガブリエルの死の真相について見ていきたいと思います。

2-1 不幸な結婚生活

カトリック信者マルゴと結婚したプロテスタントのアンリ。しかし彼らは完全に政略結婚でした。しかもマルゴはアンリ4世ではなく、ギーズ公アンリ。アンリはアンリで姑のカトリーヌ・ド・メディシスを嫌っていました。2人の溝はとても深かったのです。

2-2 愛妾ガブリエル

アンリ4世のあだ名として有名な「宙返りのアンリ」。ですが、アンリ4世のあだ名はこれだけではありません。もう一つのあだ名は、「色事師」。アンリ4世は多くの戦争や政治に忙しかった人物でしたが、次々と恋人を作っています。なんと50人という説まで。これはかなりの人数ですよね。その中でも特に愛していたのは、愛妾ガブリエル。妻のマルグリットとは別居しており、夫婦仲も最悪でした。アンリ4世は後継ぎ問題に悩まされますが、アンリとの間に3人の子どもを設けていたガブリエルを王妃に迎えようとします。

2-3 この絵が意味するものとは?

Scuola di fontainebleau, presunti ritratti di gabrielle d'estrées sua sorella la duchessa di villars, 1594 ca. 04.jpg
By School of Fontainebleau かつてはFrans Pourbusの作とされていた。 かつてはFrançois Clouetの作とされていた。 – Artiste anonyme, パブリック・ドメイン, Link

この絵は、フォンテーヌブロー派の画家が描いた「ガブリエル・デストレとその妹」です。右側の女性がガブリエル。当時流行った髪をアップにするヘアスタイルと左手に持っている金とサファイアの指輪によって彼女がガブリエルだと分かります。この指輪はアンリ4世が戴冠式で身に着けていた物。そしてガブリエルの左が妹とされていますが、妹の詳細については分かっていません。この絵は多くの謎を含んでいます。もしもこの絵がガブリエル暗殺後の作品ならば、画面奧の絵画は娼婦のガブリエルを揶揄。侍女が縫物をしていますが、これは彼女の死に衣装。そして侍女の隣にある箱は本来アンリと結婚する際に使う予定だった箱。そこに緑の布が掛けられていることから、もう使わない=彼女の暗殺を仄めかしているのです。となると、ガブリエルの隣の女性は妹ではなく、次にアンリの愛を獲得した新しい愛妾なのかもしれませんね。

2-4 ガブリエルの死の真相

ガブリエルは暗殺を恐れ、アンリ4世が戦争へ行ってもついて行きました。アンリとガブリエルの結婚には王妃マルゴや家臣など多くの者が反対。これは、フランスの財政がかなり厳しい状況だったため。廷臣らは、ガブリエルよりも多くの持参金をもたらす女性がいいと考えていました。仮に彼女が王妃となると、アンリとの子の長男が王位を継ぐことに。しかし長男が生まれた時には2人との互いにパートナーがいた時期。つまり不倫の末に生まれた子だったのです。もし彼が王位を継ぐとなると、納得されないでしょうね。ガブリエルにとっては敵だらけでかなり厳しい状況にいたことが分かりますね。

しかしアンリの尽力によってマルゴとの離婚が決まり、ガブリエルとの挙式の日取りが決定。カトリックでは離婚が認められていませんが、力関係の弱い教皇側は認めました。ところが式の数日前にガブリエルの運は尽きてしまいます。その日の夕食を食べ終えた彼女は体調不良に。次の日に出産しますが、死産。そしてガブリエルの最期はかなり苦しんで迎えることになりました。なぜか彼女の元医師が呼ばれることはなく、そのまま亡くなりました。彼女の死因は産褥熱と発表されましたが、一説には毒殺とも。

\次のページで「2-5 誰がガブリエルを殺したのか?」を解説!/

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