3.ひずみとは
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ひずみは物体の変形度合いの指標で、全長に対する変形量の割合です。
例えば、イラストの場合、棒の全長は1mで変形量は1wp_。このときひずみは0.01m/1m=0.01。1%です。
さてここで疑問。ばねの伸び縮みの計算のように、変形量という情報だけでよくなですか。なぜ全長に対する割合を出してくるのですか?
これも理由があります。フェアな比較ができないからです。
3-1.変形量ではなくひずみで表す意義
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今度は太さと材質がが同じで、長さの異なる棒を引っ張ることを想定しましょう。
Aは1m、Bは3m。どちらの方が伸び量が大きそうでしょうか?
分かりにくいので、Bを3等分して考えます。1mの棒(Aと同じ)が3本縦に並んでいるとしましょう。左端、中央、右端、すべてAと同じだけ伸びますね?
すると、合計の伸びはAの3倍。
長さが3倍のBは伸びる長さも3倍。全長に依存する変形量では、長さが異なる物同士で変形の度合いを比較できません。今回のケースでは、変形量が3倍だからといってBの方が変形の度合いが大きいわけではありませんね。
変形の度合いを表す時には、全長に対する変形量の割合である「ひずみ」を用いるのです。
ひずみのイメージ
ひずみ→どれだけ無理してるか?というイメージが分かりやすいと思います。
3mの棒が3wp_伸びより、1mの棒が3wp_伸びる方が無理してますよね?
同じ3wp_の伸びでも、長い棒はあまり無理せず伸びられるものの、短い棒は本気で無理しないと伸びられない。そんなイメージです。
4.フックの法則(応力-ひずみ編)
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By Meisam – 投稿者自身による作品 Based on: Arie Ram, Fundamentals of Polymer Engineering, Plenum Press, New York, 1997. ISBN 0-306-45726-1, Page 75., CC 表示-継承 3.0, Link
イラストのグラフをご覧下さい。
横軸→strain=ひずみ
縦軸→stress=応力
ある物体を変形させた時の応力とひずみの関係を表したグラフです。
物体への負担、つまり応力が大きければ大きいほど、変形の度合い(ひずみ)も大きくなります。
ひずみが小さい範囲では、応力とひずみは比例するもの。
比例定数はヤング率。物の丈夫さの指標です。
同じ負担(応力)をかけても、ヤング率Eの値が大きければあまりひずみません。
4-1.ひずみが大きい変形
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By Meisam – 投稿者自身による作品 Based on: Arie Ram, Fundamentals of Polymer Engineering, Plenum Press, New York, 1997. ISBN 0-306-45726-1, Page 75., CC 表示-継承 3.0, Link
ひずみが小さい範囲では応力と比例関係と書きましたが、ひずみが大きい変形ではどうなるのでしょうか?
例えば、ひずみが100%。元の全長に対し100%伸び、2倍の長さになったことになります。
物にもよりますが、おそらく壊れますよね?レンガや石が2倍の長さに伸びるとは思えません。
中には壊れない物もありますが、ここまで伸びきってしまうと元には戻らないでしょう。
一般にひずみが大きくなり過ぎると、応力は上がらないまま伸び続けるような挙動を示し、最終的に破断してしまいます。
\次のページで「負担と変形が比例」を解説!/
