簡単でわかりやすい慟哭と号泣の違い!漢字の意味や例文も文学部卒ライターが詳しく解説
号泣の例文
号泣は大声を上げて泣くことをいいます。しかし、声の程度ははなはだしいのですが、慟哭のように動作をともなうわけではありません。もちろん、慟哭と同様に大切な人と死に別れた時に泣き叫ぶような時にも使われます。ただ、悲しい時に限らず大きな声を出して泣いた時にも使うことがあるようです。
・恋人の亡骸に取りすがって号泣する姿にもらい泣きした。
・記者会見で突然号泣しだした議員がいて、ニュース番組でも話題になった。
号泣の意味の変化
平成22年度(2010年度)に文化庁が『国語に関する世論調査』を行いました。「号泣する」について、正しいと思う意味を選ぶようにアンケートを取ったところ、従来の意味である大声を上げて泣く(正答:34.1%)ことではなく、激しく泣いている(誤答:48.3%)とした人が約14%多かったということです。しかも、本体の意味ではないのに、約48%と半数に近いくらいの値でした。
「号泣」と「慟哭」の意味があまり変わらなくなってきたのかという印象をもつかもしれません。しかし、若い世代を中心に声を殺して激しく泣く、静かに多くの涙を流すことも号泣であると考える人が多くなってきたようです。
意味が変化した理由
号泣の意味が変化した理由は、テレビ番組や雑誌などの影響があるのではといわれています。芸能人や著名人が記者会見などで大泣きする様子を、声が出ていないのにも関わらず「号泣」と使ったからではないかということ。
世間一般に広がりを見せ、多くの涙を流す人の様子をイメージするようになったのかもしれません。言葉の使い方は間違いであっても、年月を経て慣用表現として認められる場合があります。今後は注意深く見守る必要がありますね。
慟哭は大声を上げて身をよじりながら泣く・号泣は大きな声を出して泣く
慟哭が大きな声を上げるのと身をよじる動作が加わって深い悲しみを受けて泣くこと。号泣は体の動きについての描写がなく、大きな声を上げて泣くことをいいます。また、慟哭については深い悲しみを表す際に使われますが、号泣は悲しんでいる状態ではなくても使うこともあるようです。