この記事では「思う」と「考える」の違いについてみていきます。どちらも人の心の動きを表す言葉です。両者にはその場の感覚で判断したことか、じっくりと理解を深めるのかによって細かな違いがあるようです。
今回はこのような言葉の違いについて定義から確認しつつ、使い方や例文などを含めて、似ている言葉に興味のある文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

似ている言葉の違いについて気になってしまう、文学部卒ライター。

思うと考えるの大まかな違い

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思うも考えるも人の心の動きを表す言葉です。大きく分けて、単に心に感じるのか、それともその感じたことを理性的に分析して判断するのかによって使い分けをします。

思うの場合は直感的な心の動き、何かを見たり聞いたりしておのずと頭の中に思い浮かべたり、直感的に判断したりすること。考えるは、心に感じたものをよく理解しようとしたり、物事の状況から判断したりすることです。考えるほうが、より感じたことに深く踏み込んでいる様子がうかがえます。

思う:直感的な心の動き

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思うは感情のおもむくまま、その場で心が動かされる、漠然とした考えを持つような様子を表しています。それぞれの細かな意味や使い方、例文についてみていきましょう。

1.漠然とした判断をする

思うは、あまり深く考えずに直感に従って判断を下すという意味もあります。なんとなく物事を信用したり、疑ったりすることにも使えますね。自分の感覚を元にその場で決断や決心をする場合も当てはまるでしょう。例文は以下の通りです。

1.直感的に判断する・信用する・疑う
・家具の配置はこれでいいと思うのですが、Aさんはいかがですか?
・とかくの噂はあっても、Bくんは本当は良い人だと思うよ。
・「セミナーを受ければあなたも百万長者!」なんて宣伝文句、嘘だと思った!

2.決断する・決意する
・今年こそは退社して独立しようと思う。
・心に思うことがあり、ダイエットをし始めた。

\次のページで「2.その場にない物事について心が作用する」を解説!/

2.その場にない物事について心が作用する

思うは、実際に目の前にないことで、心が作用したことを表せます。例えば、何かを予測したり、推し量ったりすること、イメージをしたこと、過去を思い出したことなど。例文は以下のとおりです。

1.推量する・予測する・予期する
・大雨が予想されているけれど、どのくらいの雨量だと思う?
・誰もあんな甚大な土砂災害があるとは思わないよ!

2.イメージする・想像する
・ホールの座席は思った以上にゆったりしていたよ。
・思うのは自由だけど、現実はそんなに甘くないよ!

3.思い出す・回想する
・お葬式で祖母の在りし日を思った。
・遊園地で幸せだった子ども時代を思った。

3.心に受ける気持ちを表す

思うの他の使い方には、ある物事について心に受けた気持ちを表すこともあります。例えば、何かを心に受けて感じたこと、物事を気にかける人や物を愛したり、慕ったりする気持ち心に願うことなど。例文は以下の通りです。

1.心に受けて感じたこと・何らかの感情を持つこと
・この漫画は面白いと思う。
・チャーハンを独り占めするくらい食べてしまい、申し訳ないと思っています。

2.気にかける・心配する
・あなたのためを思って、苦言を呈しているの。「うっせーわ!」って顔しないでね。
・自己中心的な人だから、Aさんの立場を思うことはないよ。

3.愛する・慕う
・ふるさとを思って、作詞しました。
・Bさんは彼のことを一途に思っている。

4.心に願う・望む
・Cちゃんは大きくなったらお姫様になりたいと思っている。
・社会人になって10年、思ったようにならないものだな…。

考える:じっくりと分析する

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考えるとは、心に浮かんだことをじっくりと分析することです。思うよりも踏み込んだ内容ですね。思ったことをもとに、さらに細かく検討して何らかの方策を導き出そうとするところが見られます。細かく分けてみていきましょう。

\次のページで「1.頭を働かせる」を解説!/

1.頭を働かせる

考えるは、自分の今までの経験や身につけた知識などをもとに、合理的に照らし合わせて頭を働かせることをいいます。例えば、解決に向けて判断したり、結論づけたりする、それまでのことを元に予測したり、強く決意したりすること。思うことよりもより具体的に実現させようとしている印象を受けます。

1.判断する・結論づける
・過去の例から、A案がふさわしいと考えた。
・正しい解決策について考えて文章にまとめた。

2.予測する・予想する
・かねてから考えていたように、跡地に商業施設ができるということだ。
・あなたの考えは当たっていますよ。真犯人は私です。

3.決意する
・半年で簿記の2級を取得しようと考えている。
・実家のレストランを再興しようと考える。

2.いろいろと思い巡らす・工夫する

考えるには、物事やある事情などについていろいろと思いを巡らすといった意味もあります。また、思うだけでなく行動に移すようなところもあり、工夫したり、工夫して新しいものを作り出したりすることも。例文については以下の通りです。

1.思いを巡らす
・お家騒動に巻き込まれた社員たちは、状況を考えて辞め、新しい会社を興したそうだ。
・あれやこれやと考える前に、何らかの行動を取ろう!

2.工夫する・工夫して作り出す
・牛乳が苦手な人のために、豆乳で代用できるレシピを考えた。
・ロープが解けないように結び方を考える。

思うは心に感じること、考えるは心の内で分析すること

思うも考えるも心の動きを表す言葉です。思うは直感的に心に感じたことをいい、考えるは心に浮かんだことを詳しく分析して判断して、理性的な心の動きを表すところが違います。また、考えるは実際に創意工夫して新しいものを作り出すことにも使うことがあるようです。

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雑学

簡単でわかりやすい「思う」と「考える」の違い!使い方や例文も文学部卒ライターが詳しく解説

この記事では「思う」と「考える」の違いについてみていきます。どちらも人の心の動きを表す言葉です。両者にはその場の感覚で判断したことか、じっくりと理解を深めるのかによって細かな違いがあるようです。
今回はこのような言葉の違いについて定義から確認しつつ、使い方や例文などを含めて、似ている言葉に興味のある文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

似ている言葉の違いについて気になってしまう、文学部卒ライター。

思うと考えるの大まかな違い

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思うも考えるも人の心の動きを表す言葉です。大きく分けて、単に心に感じるのか、それともその感じたことを理性的に分析して判断するのかによって使い分けをします。

思うの場合は直感的な心の動き、何かを見たり聞いたりしておのずと頭の中に思い浮かべたり、直感的に判断したりすること。考えるは、心に感じたものをよく理解しようとしたり、物事の状況から判断したりすることです。考えるほうが、より感じたことに深く踏み込んでいる様子がうかがえます。

思う:直感的な心の動き

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思うは感情のおもむくまま、その場で心が動かされる、漠然とした考えを持つような様子を表しています。それぞれの細かな意味や使い方、例文についてみていきましょう。

1.漠然とした判断をする

思うは、あまり深く考えずに直感に従って判断を下すという意味もあります。なんとなく物事を信用したり、疑ったりすることにも使えますね。自分の感覚を元にその場で決断や決心をする場合も当てはまるでしょう。例文は以下の通りです。

1.直感的に判断する・信用する・疑う
・家具の配置はこれでいいと思うのですが、Aさんはいかがですか?
・とかくの噂はあっても、Bくんは本当は良い人だと思うよ。
・「セミナーを受ければあなたも百万長者!」なんて宣伝文句、嘘だと思った!

2.決断する・決意する
・今年こそは退社して独立しようと思う。
・心に思うことがあり、ダイエットをし始めた。

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