この記事では日商簿記のペーパー試験とネット試験の違いについて見ていきます。どちらも日本商工会議所が主催する簿記検定の試験のことで、2020年12月から2つの形式で試験が行われることになった。どちらを受けたら良いか、迷う人もいるでしょうな。
今回はそんな日商簿記の試験について、過去に簿記検定を受けたことのある文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

仕事の関係で日商簿記2級を取得する必要があった、数字に弱い文学部卒ライター。

日商簿記の試験と申し込み方法の違い

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商工会議所主催の日商簿記試験の2級と3級には、2つのタイプがあります。従来から行われていたペーパー試験と2020年12月に始められたネット試験です。最も大きな違いは、答えを答案用紙に記入して提出するか、パソコンを使用してネットを使って解答を提出するかによって違います。どちらも出題範囲は同じです。

1.ペーパー試験:従来の方式

ペーパー試験は従来から行われてきた試験で、統一試験とも呼ばれます。日商簿記試験の1級と2級、3級が対象。試験会場で問題用紙と解答用紙、計算用の下書き用紙が配られ、決められた時間内で記入し、提出するものです。パソコンに熟練していない人でも落ち着いて受けやすいでしょう。自宅などに送付される受験票は必須ですので、忘れないように注意が必要です。

2.ネット試験:新型肺炎以降の形式

ネット試験は、新型肺炎の流行にともない2020年12月から始められた形式です。個々に自宅などのパソコンで受験するわけではなく、会場に出向く必要があります。いくつか出題パターンが用意され、同じ日でも受験者ごとで試験の問題が違うことも。受験票はなく、試験会場に入るには身分証明書で本人確認が必要です。

試験会場のパソコンに、事前登録したIDとパスワードを入力してログイン。問題の表示と閲覧、解答の入力は画面上からです。勘定科目や空欄に適切な語句を入れて解答する場合はプルダウンメニューやキーボード、数字はテンキーから入力します。パソコンの操作に慣れていないと難しく感じるかもしれません。

\次のページで「3.申し込み方法の違い」を解説!/

3.申し込み方法の違い

住所地や試験を受けたい場所にもよりますが、それぞれの地域によって申し込み方法が違います。ペーパー試験を受ける場合は、最寄りの商工会議所に問い合わせてみるのがおすすめです。簿記講座を開講しているビジネススクールなどで学んでいる場合には、受付で質問すると申込み方法を教えてもらえる場合もあります。

ネット試験については、商工会議所と提携している日商簿記専用サイトから申し込みが可能です。必要事項を入力してマイページを設定し、申し込みをする方法があります。難しい場合は、商工会議所に問い合わせてネット試験に対応している試験会場を尋ねてみるとよいでしょう。

日商簿記の試験日程の違い

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日商簿記のペーパー試験とネット試験は、それぞれ受験できる日が違います。じっくりと試験日まで知識を身に着けたいのか、資格の取得を急いでいるのかによって選ぶとよいでしょう。

1.ペーパー試験:年3回

2級と3級のペーパー試験が実施されるのは、2月・6月・11月のいずれかの日曜日年3回です。日程がある程度ゆとりがある場合は、少しずつ勉強が進められて理解しながら簿記の知識を身につけられます。じっくりと取り組みたい人におすすめです。

2.ネット試験:規定の期間以外は随時

ネット試験は、基本的には随時実施されます。ただし、ネット試験ができない期間もあるので注意が必要です。ペーパー試験がある2月・6月・11月の日曜日の前後は受験ができません。受験の申し込み予約自体は、いつでも可能です。

異なる問題が出されるため、不合格であっても短期間で何度も受験できます。就職や転職、仕事の都合などのためにいち早く簿記の資格を取得したい人に向いていますね。

\次のページで「簿記検定で注意する点」を解説!/

簿記検定で注意する点

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2つの試験で異なる点について、特に注意したほうがよいところを2つあげます。

1.ネット試験のみになる傾向がある

管轄する商工会議所によっては、2・3級はネット試験のみというところもあります。例えば、東京商工会議所では、2023年4月からネット試験のみ行われるということ。他の地域でもネット試験が中心となることが予測されますので、ペーパー試験で受けたいのであれば早めに受験することをおすすめします。

2.合否判定が出るまでに時間差がある

ペーパー試験は合格や不合格と結果が出るまでに2~3週間ほど日にちがかかります。合格証明書などは紙で発行されて自宅に送付されるのが一般的。

一方、ネット試験の場合は、受験終了後すぐに自動採点されてパソコンの画面上で合格したかどうか判定が出ます。その場で合格者のみに合格証明書のQRコードを通知でき、非常に素早いです。スマートフォンで読み込んで保存も可能ですし、合格証明書を提出する場合は、PDF形式のファイルをダウンロードして印刷できます。

日商簿記のペーパー試験は従来の形式・ネット試験はパソコンを使った形式

日商簿記のペーパー試験は、従来の形式通りに規定の会場に出向き、直接答案用紙に記入して提出する試験方法です。年3回実施され、結果が出るまで2~3週間ほど日にちがかかります。一方、ネット試験の場合は、パソコンの画面上で答えを入力し、インターネットで答案を提出する試験方法です。停止期間以外は随時行え、不合格でもすぐに受験可能。その場で採点ができ、合否判定の結果もすぐに出されます。

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日商簿記のペーパー試験・ネット試験の違い!試験の特徴や日程・注意点も文学部卒ライターが簡単にわかりやすく解説

この記事では日商簿記のペーパー試験とネット試験の違いについて見ていきます。どちらも日本商工会議所が主催する簿記検定の試験のことで、2020年12月から2つの形式で試験が行われることになった。どちらを受けたら良いか、迷う人もいるでしょうな。
今回はそんな日商簿記の試験について、過去に簿記検定を受けたことのある文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

仕事の関係で日商簿記2級を取得する必要があった、数字に弱い文学部卒ライター。

日商簿記の試験と申し込み方法の違い

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商工会議所主催の日商簿記試験の2級と3級には、2つのタイプがあります。従来から行われていたペーパー試験と2020年12月に始められたネット試験です。最も大きな違いは、答えを答案用紙に記入して提出するか、パソコンを使用してネットを使って解答を提出するかによって違います。どちらも出題範囲は同じです。

1.ペーパー試験:従来の方式

ペーパー試験は従来から行われてきた試験で、統一試験とも呼ばれます。日商簿記試験の1級と2級、3級が対象。試験会場で問題用紙と解答用紙、計算用の下書き用紙が配られ、決められた時間内で記入し、提出するものです。パソコンに熟練していない人でも落ち着いて受けやすいでしょう。自宅などに送付される受験票は必須ですので、忘れないように注意が必要です。

2.ネット試験:新型肺炎以降の形式

ネット試験は、新型肺炎の流行にともない2020年12月から始められた形式です。個々に自宅などのパソコンで受験するわけではなく、会場に出向く必要があります。いくつか出題パターンが用意され、同じ日でも受験者ごとで試験の問題が違うことも。受験票はなく、試験会場に入るには身分証明書で本人確認が必要です。

試験会場のパソコンに、事前登録したIDとパスワードを入力してログイン。問題の表示と閲覧、解答の入力は画面上からです。勘定科目や空欄に適切な語句を入れて解答する場合はプルダウンメニューやキーボード、数字はテンキーから入力します。パソコンの操作に慣れていないと難しく感じるかもしれません。

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