この記事では天然香料と合成香料の違いについてみていきます。どちらもルームフレグランスや加湿器で水蒸気と一緒に香りを拡散させる際に使うものというイメージが強いかもしれない。ただ、製造の仕方や使い方などを見ると細かい違いがあるようです。ボトルに入っているアロマオイルを見分けるポイントもあるみたいです。
今回は、そんな香料に関する違いについて、アロマテラピーに興味がある文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

加湿器と一緒にオイルを入れて、香りを楽しむのが好きな文学部卒ライター。

天然香料と合成香料のざっくりした違い

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香料は石鹸やボディソープ、シャンプーやリンスなどのヘアケア製品、洗濯用や食器洗い用などの洗剤など、ありとあらゆる所で使われています。天然香料は花や木、草などの自然のものから採取できる香料、合成香料は色々な物を混ぜて、ある香りに近づけて作る香料といった印象があるかもしれません。

アロマテラピーや香水、ルームフレグランスなどで、香りを楽しんでいる方も多いですね。アロマオイルなどの場合、天然香料と合成香料の見分け方などが分からずに困ってしまう方もいるでしょう。両者の具体的な違いはどのようなものでしょうか。

天然香料:動植物から抽出した香料

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天然香料は、動植物から香りの成分を抽出した香料のこと。食品への香り付けをすることが多いため、食品衛生法で約600種類ほどの天然香料が使えると決められています。天然香料のメリットは、安全に取り入れられること。自然な香りなので、気分を落ち着かせてリラックスできるともいわれています。

1.抽出する方法

天然香料を抽出する方法は以下のような3つの方法があります。

\次のページで「2.使い方:アロマテラピー・虫除けスプレー」を解説!/

1.圧搾法(あっさくほう)…圧力をかけて、果皮や実からしぼりとるように香料を抽出。熱に弱い原料、オレンジやレモンなどの柑橘系の果物向けの方法。

2.水蒸気蒸留法(すいじょうきじょうりゅうほう)…加熱して水蒸気を発生させ、香り成分を気化させてから冷やして液体にし、上澄み部分を抽出。
ハーブ(草)や樹木向けの方法。

3.有機溶剤抽出法(ゆうきようざいちゅうしゅつほう)…石油ベンゼンやエーテルなどの有機溶剤に浸して、香り成分を取り出す方法。ジャスミンやバラなどの加熱に弱い香り成分を持つ植物向け。ただし、溶剤が残ってしまうこともある。

2.使い方:アロマテラピー・虫除けスプレー

アロマテラピーは、天然香料の「精油(エッセンシャルオイル)」を使って、香りを嗅ぐことで心身のリラックスや体調を整える民間療法のこと。加湿器に入れて水蒸気と一緒に香りを拡散させて利用したり、アロマストーンや木製のチップなどに染み込ませて穏やかに香らせたりできます。部屋の消臭効果にもなるようです。

また、無水エタノールに虫が嫌いなハッカなどの天然香料を混ぜて、手製の虫除けスプレーの作成も可能。自然由来の香り成分なので、比較的安全だと言われていますよ。

3.天然香料の見分け方

天然香料は、エッセンシャルオイル精油といった名前で販売されています。また、合成香料と比較して抽出する手間がかかり、材料の量も多く必要なので、価格が高いのが特徴です。

合成香料:人工的に作られた香料

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合成香料は、人工的にかけあわせて作られた香料自然の香り成分から科学的に生み出された香料をいいます。天然香料よりも、同じ香りが安定して長く続くのが特徴です。

\次のページで「1.合成香料の製造方法」を解説!/

1.合成香料の製造方法

合成香料には2種類あります。詳しくは以下の通りです。

1.半合成香料…植物などから同じような天然の香りの成分を取り出してかけ合わせ、自然の香りに近づけて作り出した香料

2.合成香料…石油系の原料を人工的に合わせて作った香料。同じ香りを安定して比較的安価に製造できるのがメリット。

2.使い方:ルームフレグランス・消臭スプレー・スズランの香料など

安定的に香りを持続させられるため、広い空間でも香りが広がって楽しめるルームフレグランスで利用されることが多いです。また、香りの強さが一定で消臭効果が期待できるため、トイレやゴミなどの消臭スプレーなどにも使われることがあります。

また、香水などで使われるスズランの香りは「ヒドロキシシトロネラール」という合成香料がほとんど。バラ・ジャスミン・スズランは三大花香と言われていますが、スズランから天然香料を採取しようとすると香り成分が飛んでしまいがちです。ごく少量しか取れず、香料としては非常に高価になってしまいます。

3.合成香料の見分け方

合成香料には精油やエッセンシャルオイルという表記ができません。アロマオイルと記載があるもの、ポプリ(花や葉・木の実や果物の皮などを容器に入れて室内を香らせる物)に添付されたフレグランスオイルなどは、合成香料がほとんど。また、比較的安価に製造できるため、100均で販売されているアロマオイルも合成香料が多いです。

天然香料は動植物から直接抽出した香り・合成香料は人工的に作った香りという違い

天然香料は自然由来の香り成分で、動植物からしぼったり、加熱したり、溶剤を使ったりして直接抽出したもの。手間がかかっている分、高価です。一方、合成香料は天然香料をかけ合わせたり、石油系の成分をあわせたりして人工的に作り出した香りのこと。安定的に香りが続きます。

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雑学

簡単でわかりやすい天然香料と合成香料の違い!製造方法や用途、見分け方も文学部卒ライターが詳しく解説

この記事では天然香料と合成香料の違いについてみていきます。どちらもルームフレグランスや加湿器で水蒸気と一緒に香りを拡散させる際に使うものというイメージが強いかもしれない。ただ、製造の仕方や使い方などを見ると細かい違いがあるようです。ボトルに入っているアロマオイルを見分けるポイントもあるみたいです。
今回は、そんな香料に関する違いについて、アロマテラピーに興味がある文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

加湿器と一緒にオイルを入れて、香りを楽しむのが好きな文学部卒ライター。

天然香料と合成香料のざっくりした違い

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香料は石鹸やボディソープ、シャンプーやリンスなどのヘアケア製品、洗濯用や食器洗い用などの洗剤など、ありとあらゆる所で使われています。天然香料は花や木、草などの自然のものから採取できる香料、合成香料は色々な物を混ぜて、ある香りに近づけて作る香料といった印象があるかもしれません。

アロマテラピーや香水、ルームフレグランスなどで、香りを楽しんでいる方も多いですね。アロマオイルなどの場合、天然香料と合成香料の見分け方などが分からずに困ってしまう方もいるでしょう。両者の具体的な違いはどのようなものでしょうか。

天然香料:動植物から抽出した香料

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天然香料は、動植物から香りの成分を抽出した香料のこと。食品への香り付けをすることが多いため、食品衛生法で約600種類ほどの天然香料が使えると決められています。天然香料のメリットは、安全に取り入れられること。自然な香りなので、気分を落ち着かせてリラックスできるともいわれています。

1.抽出する方法

天然香料を抽出する方法は以下のような3つの方法があります。

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