自営業という言葉を聞いたことがあるか。一般的には個人や家族でやっているような店というイメージじゃないか。一種の経営者に近いが、会社経営とはどう違うのでしょう。どちらも経営しているという点では同じでしょうが、違いもあるはずです。そんな自営業と会社経営の違いを、自営業の一種になるフリーランスのプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさん。

自営業と会社経営の違いは会社であるかどうか

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アンケートの職業欄などで会社員などと並んで自営業や会社経営というのがありますよね。どちらも雇われではない経営側なのは確かですが、何が違うのでしょう。イメージ的には個人経営のお店などは自営業、その名の通り会社を経営するのが会社経営ですよね。

この違いはざっくり言えば会社になっているかどうか。個人のお店かと思えば会社になっていることもあれば、他人を雇って稼いでいても会社になっていないことも。ただ、一般的には混同していることも多いです。そんな自営業と会社経営について説明します。

自営業:会社になっていない(個人である)

一般的には「自営業」でなんとなく通じます。しかし、法律上は「個人事業主」が正しい用語です。他に個人事業者や自営業者などと呼ばれることも。以下の説明では自営業と呼びます。

自営業は個人で経営していること。つまり、会社になっていないのが自営業です。ただ、あまり厳密に区別していないのも確か。家族経営でも会社にしている場合に他人に「自営業」と言う人も多いそう。法的には会社経営なのですが、身内だけでやっている場合は自営業と考える人も多いのです。

会社経営:会社になっている(個人ではない)

会社経営はその名の通り、会社として経営していること。会社というのは自称するだけではできません会社をつくるには様々な手続きが必要です。そのような手続きをして会社をつくって経営するのが会社経営。そこが手続きが必須ではない個人経営との違いになります。

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混同されることも多い?自営業と会社経営の違

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最初にざっくり説明した通り会社になっているかどうかが自営業と会社経営の違い。ただ、現実には会社になっているかどうか分からないケースも多いもの。そもそも会社とは何なのでしょう。ここでは自営業と会社経営の法律的な違いを説明していきます。

法律上の違い:自然人と法人

法人」という言葉を聞いたことがあるかと思います。私たち人間は人権を始め、いくつかの権利や義務がありますよね。同じように会社や学校、団体などにも権利や義務があります。ざっくり言うと法人とは人でないものを法律上は人と同じように扱うための考え方です。私たち人間を法律上は「自然人」と呼びます。一方、自然人ではないが同じように扱う法律上の人間のようなものが「法人」です。

会社もこの法人の一つ。つまり自営業か会社経営かの法律的な違いは、自然人か法人かの違いになります。

手続きの違い:開業届と法人登記

会社をつくるためには様々な手続きが必要。それには様々なものがありますが、法律的に必ず必要なのが法人登記です。これなしで会社をつくることはできません。自然人の場合、生まれた時に役所に届けを出しますよね。それによって戸籍が作成されます。法人である会社も同じです。会社をつくる場合は届けを出し、解散する場合も届出が必要

登記には会社の名前や所在地など様々な情報が必要です。そしてこれは世の中に公開され、誰でも確認できるようになっています。本当にそういう会社が存在し、どこにあって社長が誰かといったことを確認できるようになっているわけです。一方、自営業では特に届出は必要ありません。税金を払う上で開業届というのを提出することはあります。ただ出さないことも。自営業では公開された情報がないので注意が必要です。

呼び方の違い:代表と代表取締役

一般に会社を経営している人を「社長」と呼びます。最近は代表取締役やCEOなどといった呼び方も多いですが、一般的には社長と呼ぶことが多いです。自営業でも社長と呼ぶことがあります。

しかし、法律的には違いがあります会社のことは「会社法」という法律で決まっています。会社には「取締役」や「代表取締役」が必要です。社長というのは会社内の役職というだけで、法律上は特別な意味はありません取締役や代表取締役は1人でも複数でも構いません。その会社の中で誰がどう責任を取るのかは会社が自由に決めることです。一方、自営業の場合は会社ではないので取締役とは呼びません法律上は「代表」となります。

誰でも簡単な自営業と、組織が重要な会社経営

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ここまで説明したように会社をつくるには様々な手続きが必要。一方、個人経営の自営業は手続きは不要です。つまり自分で自営業と言えば自営業ですが、会社経営は会社というものをつくって届け出る必要があります。手間が全然違いますよね。その手間をかけることでどんな違いが出てくるのかをさらに説明します。

1人だけでも会社?自営業と会社経営の違いは?

会社というと何人か人を雇い、個人経営というと個人が1人でやるものというイメージがありませんか。実は必ずしもそうではありません。会社にもいろいろ種類がありますが、自分1人だけの会社ということもありえます。自分1人しかいなくても会社という組織なのです。

一方、自営業でも誰かに仕事を依頼することは可能人数はあまり関係なく会社というものをつくっているかどうかだけが違いになります。

副業解禁?会社員でもなれる自営業

近年、副業が話題になっていますよね。今までは副業禁止だった会社でも認められるようになってきています。会社に勤めている人が副業として個人で何か仕事をする場合、個人事業主という扱い。つまり、会社に雇われる会社員と個人事業主は兼業できるということです。

そればかりではなく、例えば会社経営をしている人が個人事業主となることも法律的には可能。つまり、会社経営と自営業、あるいは会社員などはそれぞれどれかにしかなれないものではなく兼業することも可能なのです。

どう違う?自営業とフリーランス

副業と言うとフリーランスという言葉を聞いたこともあるかも。アンケートなどでの職業欄にも自営業とは別にフリーランスがある場合もあります。では、自営業とフリーランスは何が違うのでしょう。

フリーランスというのは会社に所属せずに、個人や会社からの依頼を受けて仕事をする人のこと。個人事業主であることが多いです。ただ、自営業や個人事業主がフリーランスとは限りません。ざっくり言うと自分で何をするかを決めるのが自営業どこかからの依頼で仕事をするのがフリーランス。どちらにしろ会社になっている場合は自営業でもフリーランスでもありません

信用と実績次第、自営業から会社経営という道も

ここまでの説明だけ見ると、会社経営にはメリットがなさそうな気がしますよね。実際には会社にすることである程度の信用というものが出てきます会社は登記が必要で、その情報が公開されています。つまり、調べればその会社が実在し、どこにあるかも分かるわけです。自営業の場合は、そのような公開情報はありません。名刺などがあったとしても、本当にその住所や連絡先で連絡できるのか詐欺ではなくて実績があるのか分からないのです。

そのため最初は自営業やフリーランスから始めて自分の会社をつくることもあります。また、最初から会社にすることも可能です。自分だけというのは同じでも会社という形を整えることでただの個人よりは安心してもらえるわけですね。

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ビジネス雑学

簡単でわかりやすい!自営業と会社経営の違いとは?フリーランスとの違いもプログラマがわかりやすく解説

自営業という言葉を聞いたことがあるか。一般的には個人や家族でやっているような店というイメージじゃないか。一種の経営者に近いが、会社経営とはどう違うのでしょう。どちらも経営しているという点では同じでしょうが、違いもあるはずです。そんな自営業と会社経営の違いを、自営業の一種になるフリーランスのプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさん。

自営業と会社経営の違いは会社であるかどうか

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アンケートの職業欄などで会社員などと並んで自営業や会社経営というのがありますよね。どちらも雇われではない経営側なのは確かですが、何が違うのでしょう。イメージ的には個人経営のお店などは自営業、その名の通り会社を経営するのが会社経営ですよね。

この違いはざっくり言えば会社になっているかどうか。個人のお店かと思えば会社になっていることもあれば、他人を雇って稼いでいても会社になっていないことも。ただ、一般的には混同していることも多いです。そんな自営業と会社経営について説明します。

自営業:会社になっていない(個人である)

一般的には「自営業」でなんとなく通じます。しかし、法律上は「個人事業主」が正しい用語です。他に個人事業者や自営業者などと呼ばれることも。以下の説明では自営業と呼びます。

自営業は個人で経営していること。つまり、会社になっていないのが自営業です。ただ、あまり厳密に区別していないのも確か。家族経営でも会社にしている場合に他人に「自営業」と言う人も多いそう。法的には会社経営なのですが、身内だけでやっている場合は自営業と考える人も多いのです。

会社経営:会社になっている(個人ではない)

会社経営はその名の通り、会社として経営していること。会社というのは自称するだけではできません会社をつくるには様々な手続きが必要です。そのような手続きをして会社をつくって経営するのが会社経営。そこが手続きが必須ではない個人経営との違いになります。

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