今回のテーマは口角炎とヘルペスの違いについてです。どちらも口やその周辺にできる炎症や水ぶくれなどの症状を指すが、より深刻なのはヘルペスの方です。口角炎は栄養不足やストレス、乾燥などが原因なので対処しやすいが、ヘルペスはウイルスが原因なんです。
ヘルペスは発熱などもともなうので症状が重く、しかも感染力が高い上に、薬を使っても完治は難しいときている。雑学好きライター・ねぼけねこと一緒に解説していきます。

ライター/ねぼけねこ

法学部出身。某大組織での文書作成・広報部門での業務に10年以上従事し、IT・プログラミング分野の歴史にも詳しい。

口角炎とヘルペスの違いをざっくり解説

まず最初に、口角炎とヘルペスという二つの病気の定義と違いについてざっくり説明しましょう。どちらも口に関係する病気ですが、原因や症状、治療法などが異なります。以下で、それぞれの特徴や対処法について詳しく見ていきましょう。

口角炎:口の両端にできる炎症

image by iStockphoto

口角炎とは、口の両端にできる炎症のことです。原因は、ビタミンB2や鉄分などの栄養不足、唾液や食べ物の刺激、乾燥、ストレスなどが挙げられます。症状としては、口角のひび割れや赤み、腫れ、水ぶくれ、かさぶたが発生することが多いです。

主な治療法は栄養補給や保湿などで、抗生物質やステロイドなどの薬を用いることも少なくありません。また、清潔に保つことや刺激を避けることも重要です。

ヘルペスとの大きな違いは感染性の有無でしょう。口角炎は感染性がないですがヘルペスは感染性が高く、接触や唾液などで移りやすいのが特徴です。また、口角炎は比較的早く治ることが多いですが、ヘルペスは再発しやすく完治まで長期間かかることも少なくありません。

ヘルペス:ウイルスによって起こる感染症

ヘルペスとは、ヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症のことです。唇や口腔内にできるヘルペスウイルス1型(HSV-1)と性器にできるヘルペスウイルス2型(HSV-2)があります。口角炎とは異なり感染性が強く、接触や唾液などで他人に移りやすいため、もしも罹患したら注意しましょう。

症状は、感染部位に生じる水ぶくれやかさぶた、それに発熱やリンパ節の腫れなどです。抗ウイルス薬を服用したり塗布したりすることで症状を和らげられますが、完全にウイルスを除去することはできないため再発することも珍しくありません。

口角炎とヘルペスの原因の違いは?

ここまでで、口角炎とヘルペスの定義と違いについてざっくり解説しました。次に、この二つの病気の原因についてもっと詳しく見ていきましょう。

口角炎とヘルペスは、どちらも口に関係する病気ですが、原因が異なります。口角炎は、主に栄養不足やストレスなどの内的要因や、唾液や食べ物などの外的刺激によって引き起こされますが、ヘルペスは、ヘルペスウイルスという特定のウイルスに感染することで発症する病気です。先述の通り口角炎は感染の心配はありませんが、ヘルペスウイルスは感染性が高く、接触や唾液などで他人に移すことも少なくありません。

\次のページで「口角炎:栄養不足やストレスなどが原因」を解説!/

口角炎:栄養不足やストレスなどが原因

口角炎はさまざまな要因によって引き起こされますが、主な原因は栄養不足やストレスなどです。ビタミンB2や鉄分などの必須栄養素が不足すると皮膚や粘膜のバリア機能が低下し、炎症を起こしやすくなります。

また心理的な負担や緊張(ストレス)が長期にわたって続くと免疫力が低下し、感染やアレルギーに対する抵抗力も弱まるでしょう。他にも、唾液や食べ物などの外的刺激によって、口角に傷ができたり乾燥したりすることで炎症が起こることも珍しくありません。

ヘルペス:ヘルペスウイルスが原因

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ヘルペスは、ヘルペスウイルスに感染することで発症します。ヘルペスウイルスには、唇や口腔内にできる1型(HSV-1)と性器にできる2型(HSV-2)の二種類があり、いずれも感染力が高く、ちょっとした接触でも簡単に他人に移すことがあるので注意が必要です。

一度ヘルペスに感染すると、その後もウイルスは神経節に潜伏し続けます。そして体全体の免疫力が低下したり、紫外線を浴びたりすると再活性化し、また発症の原因になることがあるので注意しましょう。

口角炎とヘルペスの症状の違いは?

ここまでで、口角炎とヘルペスの定義と原因についてざっくり解説しました。次に、この二つの病気の症状についてもっと詳しく見ていきましょう。口角炎は、口の両端にひび割れや赤み、腫れ、水ぶくれ、かさぶたなどが現れます。前述の通り、これらの症状は炎症や刺激によって引き起こされるもので、感染性はありません。

しかしヘルペスは、感染部位に水ぶくれやかさぶたができるほか、発熱やリンパ節の腫れなどが見られることもあり、しかも繰り返し述べている通り感染性が高いので注意が必要です。

口角炎:炎症・ひび割れなど

まず口角炎の症状について説明します。そもそも口角とは「口の左右の端」のことですが、ここにひび割れや赤み・水ぶくれ、かさぶたが現れるのが口角炎です。これらの症状は、それぞれ皮膚や粘膜が傷ついたり乾燥したりした場合や、さらに炎症が進行して水膨れが割れたり乾いたりした場合に発生します。

また、目立った症状がなくとも、口角が痛むだけということも珍しくありません。これは傷や炎症が原因で、いずれにせよ感染性ではないので他人に移すことはなく、その点については安心だと言えるでしょう。

\次のページで「ヘルペス:水ぶくれ・発熱など」を解説!/

ヘルペス:水ぶくれ・発熱など

ヘルペスは、全身症状としては、発熱やリンパ節の腫れなどが挙げられます。これはウイルスが血液やリンパ液に広がって全身に影響を及ぼしたため起きるもので、さらに感染部位に水ぶくれやかさぶたができることも珍しくありません。

他にも、ウイルスに対する免疫反応やアレルギー反応によって感染部位が赤くなって痒みを生じることもあります。いずれもウイルスが皮膚や粘膜に侵入して増殖することで発生する症状で、一度感染すると完全に治すことはできません。

口角炎とヘルペスの治療法の違いは?

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ここまでで、口角炎の原因と症状について解説しました。次に、この二つの病気の治療法について詳しく見ていきましょう。どちらも口に関係する病気であるという点は同じですが、治療法は異なります。

まず口角炎は、主に栄養補給や保湿などの自己ケアで改善することが少なくありません。例えばバランスの良い食事やサプリメントの摂取を心がけ、ビタミンB2や鉄分などの不足を補うことが効果的です。また、唇に保湿クリームやリップクリームを塗って乾燥を防ぐことも大切だと言えるでしょう。

一方、ヘルペスは、抗ウイルス剤を服用・塗布するという治療方法になります。ただ、抗ウイルス剤にはウイルスの増殖を抑えて症状を和らげる効果がありますが、完全にウイルスを除去することはできません。よって何度か述べている通り再発症することも少なくなく、一度症状が治まっても、その後も免疫力の向上に努める必要があります。

口角炎:栄養補給・保湿など

口角炎は、栄養補給や保湿などの自己ケアで改善することが多いです。例えば必須栄養素が不足している場合は、バランスの良い食事やサプリメントで補うことができるでしょう。特にビタミンB2や鉄分は、皮膚や粘膜のバリア機能を高めてくれます。

また、唇に保湿クリームやリップクリームを塗ることで乾燥を防ぎ、乾燥による傷や炎症の悪化を予防することも大切です。さらに、口角を清潔に保つことや刺激を避けることも重要で、口角に汚れや食べ物などが付着するとそれが良くない刺激となり、炎症を悪化させることもあります。

治療のため抗生物質やステロイドを用いることもありますが、大切なのはストレスを軽減して生活習慣を改善することだと言えるでしょう。

ヘルペス:抗ウイルス剤の投与

ヘルペスの治療法は、抗ウイルス剤の服用・塗布になるでしょう。抗ウイルス剤には、ウイルスの増殖を抑えて症状を和らげる効果があり、早期に投与することで水ぶくれやかさぶたの発生・拡大を防ぐことができます。

また、抗ウイルス剤には内服薬と外用薬の二つがあり、内服薬は全身的な効果が期待できますが、副作用や費用面での問題もあるでしょう。外用薬は感染部位に直接塗ることで局所的な効果が期待できますが、他人に移すリスクが低くなるわけではないので注意を要します。

しかし、何度か述べましたがこうした治療法をもってしてもヘルペスウイルスを完全に除去することはできず、再発する可能性があるため、感染予防や免疫力の向上にも注意が必要です。ヘルペスは一度感染すると完全に治すことはできません。

口角炎は感染しないが、ヘルペスは感染・再発しやすい

口角炎は口の両端にできる炎症で、主な原因は栄養不足や刺激、ストレスなどです。よって治療には栄養補給や保湿が重要で、抗生物質やステロイドも有効なことから比較的直しやすいと言えるでしょう。

一方、ヘルペスはヘルペスウイルスによる感染症で、水ぶくれやかさぶた、発熱、腫れなどの症状が起きます。抗ウイルス薬で和らげられますが、完治させるのは難しく再発する可能性も高いです。この感染性の有無が口角炎とヘルペスの大きな違いだと言えます。

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簡単でわかりやすい!口角炎とヘルペスの違いは?原因や症状・治療法も雑学好きライターが詳しく解説

今回のテーマは口角炎とヘルペスの違いについてです。どちらも口やその周辺にできる炎症や水ぶくれなどの症状を指すが、より深刻なのはヘルペスの方です。口角炎は栄養不足やストレス、乾燥などが原因なので対処しやすいが、ヘルペスはウイルスが原因なんです。
ヘルペスは発熱などもともなうので症状が重く、しかも感染力が高い上に、薬を使っても完治は難しいときている。雑学好きライター・ねぼけねこと一緒に解説していきます。

ライター/ねぼけねこ

法学部出身。某大組織での文書作成・広報部門での業務に10年以上従事し、IT・プログラミング分野の歴史にも詳しい。

口角炎とヘルペスの違いをざっくり解説

まず最初に、口角炎とヘルペスという二つの病気の定義と違いについてざっくり説明しましょう。どちらも口に関係する病気ですが、原因や症状、治療法などが異なります。以下で、それぞれの特徴や対処法について詳しく見ていきましょう。

口角炎:口の両端にできる炎症

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口角炎とは、口の両端にできる炎症のことです。原因は、ビタミンB2や鉄分などの栄養不足、唾液や食べ物の刺激、乾燥、ストレスなどが挙げられます。症状としては、口角のひび割れや赤み、腫れ、水ぶくれ、かさぶたが発生することが多いです。

主な治療法は栄養補給や保湿などで、抗生物質やステロイドなどの薬を用いることも少なくありません。また、清潔に保つことや刺激を避けることも重要です。

ヘルペスとの大きな違いは感染性の有無でしょう。口角炎は感染性がないですがヘルペスは感染性が高く、接触や唾液などで移りやすいのが特徴です。また、口角炎は比較的早く治ることが多いですが、ヘルペスは再発しやすく完治まで長期間かかることも少なくありません。

ヘルペス:ウイルスによって起こる感染症

ヘルペスとは、ヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症のことです。唇や口腔内にできるヘルペスウイルス1型(HSV-1)と性器にできるヘルペスウイルス2型(HSV-2)があります。口角炎とは異なり感染性が強く、接触や唾液などで他人に移りやすいため、もしも罹患したら注意しましょう。

症状は、感染部位に生じる水ぶくれやかさぶた、それに発熱やリンパ節の腫れなどです。抗ウイルス薬を服用したり塗布したりすることで症状を和らげられますが、完全にウイルスを除去することはできないため再発することも珍しくありません。

口角炎とヘルペスの原因の違いは?

ここまでで、口角炎とヘルペスの定義と違いについてざっくり解説しました。次に、この二つの病気の原因についてもっと詳しく見ていきましょう。

口角炎とヘルペスは、どちらも口に関係する病気ですが、原因が異なります。口角炎は、主に栄養不足やストレスなどの内的要因や、唾液や食べ物などの外的刺激によって引き起こされますが、ヘルペスは、ヘルペスウイルスという特定のウイルスに感染することで発症する病気です。先述の通り口角炎は感染の心配はありませんが、ヘルペスウイルスは感染性が高く、接触や唾液などで他人に移すことも少なくありません。

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