簡単でわかりやすい!お香とお線香の違いは?原材料や製造方法・用途も雑学好きライターが詳しく解説
お香は純粋に香りを楽しむためのもので、西洋のポプリなども仲間だと言えるでしょう。ですがお線香はアジア独特のもので、仏壇やお墓などに供えることを目的としている。さらに詳しく、雑学好きライター・ねぼけねこと一緒に解説していきます。
ライター/ねぼけねこ
法学部出身。某大組織での文書作成・広報部門での業務に10年以上従事し、IT・プログラミング分野の歴史にも詳しい。
お香とお線香の違いをざっくり解説
まず最初に、お香とお線香の違いについてざっくり説明します。お香とお線香はどちらも香りを発するアイテムですが、お香は火を用いるものとそうでないものがあり、お線香は火をつけることが必須です。また、お香は香りを楽しむためのものですが、お線香はお供え物としての性質がある点も異なります。以下で詳しく見ていきましょう。
お香:香りを楽しむアイテム
お香は、芳香性の高い植物や樹脂などを燃やして香りを楽しむもので、リラックス効果などが期待できるアイテムです。火を使うものと火を使わないものがあり、火を使うものとしてはコーン型のものなどが挙げられます。一方火を使わないものとしては、練香や匂い袋、塗香などが挙げられるでしょう。
お香のポイントは、自分の好みや気分に合わせて選ぶことができる点で、季節や時間帯によって使う種類や量を自由に変えられます。
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お線香:仏壇や墓に供えるアイテム
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お線香は、仏壇や墓に供えるために使われるもので、「匂い線香」と「杉線香」の二種類が存在します。匂い線香は、椨や炭などの基材に、白檀や伽羅などの香料を混ぜて作られたものです。煙が少ないことから家庭でよく使用されています。対照的に、杉線香は杉の葉を基材として作られたもので、安価ですが煙が多く出るため屋外で使用されることの方が多いでしょう。
お線香は仏教や神道などの宗教的な文脈で用いられ、お墓参りなどのシーンで活用されています。それは仏様への敬意や感謝を示す手段として、また先祖供養の一環として用いられていると言えるでしょう。
ちなみに線香の一種で、やや独特な用途があるものとして「蚊取り線香」も挙げられます。
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お香とお線香の原材料の違いは?
ここまでで、お香とお線香の違いを解説しました。次に、両者の原材料の違いを見ていきましょう。お香の材料は樹木や樹脂のほか、ポプリなどを含めれば花なども原材料として使われていると言えます。一方、お線香は椨(たぶ)や炭に白檀や沈香などを使用するのが一般的です。
お香:樹木・樹脂・花など
お香の代表的な種類にはインセンスやポプリなどがあります。インセンスは木や樹脂を粉末にして棒状や円盤状に成形し、火をつけて香りを楽しむもので、お線香や渦巻き型の蚊取り線香、三角形コーン型のお香もこれに含まれるでしょう。特にコーンは三角の形と色が可愛らしく、インテリアとしても人気があります。
また、ポプリは花びらや果実・葉などを乾燥させて香料を加えたもので、火を使わずにそのまま置くだけで香りを楽しむことが可能です。
お香の原材料は天然由来であることが多く、その香りには心身をリラックスさせたり、空気を浄化したり、気分を高めたりする効果があるとされています。
お線香:椨・炭など
一方のお線香は、先述の通りお香の一種であるインセンスに含まれますが、その中でも特に仏壇やお墓に供えるために使われる棒状のものを指します。そしてお線香の種類で一般的なのは、匂い線香と杉線香の二種類です。
匂い線香は、椨(たぶ)や炭などの基材に白檀や伽羅などの香料を混ぜて作られたもので、煙が少ないことから家の中でも楽しむことができます。一方、杉線香は杉の葉を基材として作られ、値段は安いですが煙が多く出ることから屋外で使うのが一般的です。
お香とお線香の製造方法の違いは?
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ここまでで、お香とお線香の原材料の違いを解説しました。次に、双方の製造方法の違いを見ていきましょう。お香は型に入れて成形されるものが多く、三角形のコーンなどがその好例と言えます。一方、お線香は棒状にして切り揃えるなどして作られるものが多く、そこに至るまでの製造過程や乾燥時間などもさまざまです。
お香:型に入れて作られる
お香はインテリアなどとしても使われていることから、さまざまな形で作られます。目指す形に応じた「型」が使われる点が大きな特徴です。例えば、お線香を含むインセンスは棒状や円盤状に成形されますし、コーンは円錐形や角錐の形に仕上げられるでしょう。
お香はまず最初に、香原料として芳香性の高い植物や樹脂などを粉末にし、それを銘柄ごとに調合し、水や澱粉を混ぜて練り玉にします。そしてこの練り玉を押し出し機で加工するのですが、棒状に成形する場合はここで竹の芯を含めるわけです。
次に、成形されたものを干し板で数日から数週間かけて乾燥させ、それから箱詰めします。コーンの場合は練り玉をコーン型に押し込んで成形することになるでしょう。
お線香:棒状にして切り揃えるなどして作られる
次に、お線香を作る場合は、基材となる椨や杉などを粉末にするところから始まります。この粉末をタブ粉と呼びますが、次にタブ粉に香料を混ぜて作られるのが「撹拌玉」です。これを押し出し機に投入して巣金と呼ばれる穴から押し出します。
そして押し出されたお線香を干し板に配置し、数日から数週間かけて乾燥させると、大まかな形は完成です。あとは適切な長さに切り揃えて箱詰めし、出荷することになります。
お香とお線香の用途の違いは?
ここまでで、お香とお線香の製造方法の違いを解説しました。次に、両者の用途の違いを見ていきましょう。
最初にも説明しましたが、お香は基本的にリラックスや気分転換などを目的に香りを楽しむもので、見た目がおしゃれなものはインテリアに使われることもあります。一方、お線香は香りやインテリアを目的として使われることは想定されておらず、あくまでも仏壇や墓に供えるためのものです。
お香:香りを楽しむ
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お香は香りを楽しむために使われます。と、一言で言っても実際にはその用途は幅広いです。例えば、瞑想やヨガのリラックスタイムに焚いて心身を落ち着かせたり、部屋や玄関に置いて空気を清浄にすることなどに使えるでしょう。また、室内に好きな香りを漂わせたり、バスタイムや就寝前に使ってリフレッシュすることも可能です。
その他、お客様を招くときにおもてなしに利用したり、塗香を身体に塗って自分の香りを楽しんだりするケースもあります。形や色など見た目がよいタイプのお香は、置いておくだけでインテリアとしても楽しめるでしょう。
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お線香:仏壇や墓に供える
お香が、香りを楽しむ用途とインテリアとしての用途が考えられるのに対し、お線香の使い道はごく限られています。もちろんお香として使うことも可能ですが、おそらくそれを想定して作られているお線香はないでしょう。
お線香はその構造上、立たせた状態で火をつけなければなりません。よって燃えれば灰が落ちるので、屋内でお香として使うにはやや不便だと言えます。墓に供えるなら屋外なので問題ありませんし、仏壇の場合は下に受け皿があるので灰が落ちても大丈夫です。
よって、やはりお線香は仏壇やお墓に供えるためのものと言えるでしょう。独特の香りによって、仏壇部屋や墓地の雰囲気を演出する効果も考えられます。
香りを楽しむのが「お香」、棒状で仏壇などに供えるのが「お線香」
「お香」は芳香性の高い植物や樹脂を使って香りを楽しむアイテムで、気分転換やリラックスのために使われたり、インテリアなどとして活用されています。火をつけるものとそうでないものがあり、ポプリなどを含めるとその種類・用途は幅広いです。
一方、「お線香」は仏壇や墓に供えるためのもので、細長く折れやすいという独特の形状をしています。火をつけるとよい香りがしますが、純粋にお香として使われることは想定されていません。