簡単でわかりやすい!煮豚と角煮の違いは?材料・調理方法・味付けも雑学好きライターが詳しく解説
煮豚:豚肉を「切らずに」煮込む
煮豚は、基本的に豚肉を「切らずに」丸ごと煮込む料理で、先述したようにバラ肉・ロース肉・もも肉などの種類に関係なく丸ごと調理します。煮込む際には肉の塊をたこ糸で縛ったり、ネットに入れたりすることも少なくありません。
肉をたこ糸で縛る理由は、煮崩れが起きるのを防ぎ、出来上がった時に形が崩れないようにするためです。よって、形にこだわらないのであれば縛る必要はなく、家庭料理程度であれば煮る前にしっかり焼き目をつけるだけでも十分でしょう。
角煮:豚肉を「切ってから」煮込む
一方の角煮は、材料である豚のバラ肉を一口大に「切ってから」煮込む料理です。あらかじめカットしておくことで味が染み込みやすくなりますし、そこで長時間煮込むことで、箸でつついただけでほろほろと崩れるほど柔らかい食感に仕上がるでしょう。
もともと角煮のルーツは中華料理の「東坡肉(トンポーロウ)」で、日本には中国の杭州から伝わったとされています。この本場の東坡肉はいわば「皮付きの豚の角煮」で、八角・砂糖・酒・醤油による甘辛い味付けになっているのが一般的です。
対する日本の角煮は、作り方はほぼ同じですが、材料として皮付きの豚肉を使うか、また八角ではなくしょうがを使うかどうかによって中華風か日本風かに分かれることになるでしょう。
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煮豚と角煮と似た料理についてもっと詳しく!
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ここまでで、煮豚と確認のそれぞれの特徴と、材料の種類・調理方法の違いについて解説してきました。しかし豚肉をメインの材料とする料理はこの二品に限らず、他にも似たようなものがいくつかあります。以下では、皆さんもよく知っているチャーシューやラフテーについて説明しましょう。
1.チャーシュー:豚肉を甘辛いタレに漬け込んで蒸したり煮たりしたもの
チャーシューは本来は中国語で「叉焼(チャーシュー)」と表記されます。このことからも分かる通り中国料理の一種で、豚肉を甘辛いタレに漬け込んで蒸したり煮たりしたものです。日本では、ラーメンやチャーハンの具材として昔から人気が高いと言えるでしょう。
作り方は、豚肉を下味に漬けてから表面を焼き、水や酒などで煮込んで柔らかくします。その後タレに漬け込んだり、はちみつや黒こしょうなどで仕上げたりしますが、肉の形を整えてタコ糸やネットで巻いたり、スパイスや香味野菜を加えたりすることが多いです。
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2.ラフテー:皮付きのバラ肉を泡盛・砂糖・醤油で煮込んだもの
別名「ラフティー」とも呼ばれるラフテーは、沖縄県に伝わる伝統的な郷土料理です。もともと沖縄の琉球料理は豚肉をふんだんに使うことが知られており、「豚に始まり豚に終わる」と言われることもあるとか。肉をはじめ、顔や内臓、血液や耳と、無駄になる部位はほとんどありません。
ラフテーで使われるのは皮付きのバラ肉で、角切りにしたものを泡盛・砂糖・醤油でじっくりと煮込んで作られます。出来上がりは、とろけるような皮の口当たりと柔らかさが非常に特徴的で、ほんのりと漂う泡盛の香りもたまりません。
もともとは保存食として作られていたので濃いめの味付けだったのですが、近年は一般向けに薄味になってきました。イベント時などにもよく食べられます。
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