簡単でわかりやすい!仏教と神道の違いは?歴史・信仰対象・規模も雑学好きライターが詳しく解説
そんな、仏教と神道が混ざったり分離したりした経緯にも少し触れながら、両者の関係について雑学好きライター・ねぼけねこと一緒に解説していきます。
ライター/ねぼけねこ
法学部出身。某大組織での文書作成・広報部門での業務に10年以上従事し、IT・プログラミング分野の歴史にも詳しい。
仏教と神道の違いをざっくり解説
まず最初に、仏教と神道の違いについてざっくり説明しましょう。両者はそれぞれインドと日本で生まれた宗教で、信仰対象や教義、歴史、規模などに大きな違いがあります。これらの違いについて、以下で詳しく見ていきましょう。
仏教:世界三大宗教のひとつ
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紀元前6世紀にインドで生まれた仏教は、釈迦(お釈迦さま)が開祖です。その信者は、「目覚めた人」を意味する仏陀の説いた教えに従って、苦の輪廻から解脱することを目的に修行するとされており、その基本的な考え方や修行方法などによってさまざまな宗派に分かれます。
現在、その信者数は世界で5億人にのぼるといわれており、この規模の大きさが世界三大宗教のひとつといわれるゆえんです。世界三大宗教はキリスト教、イスラム教、そして仏教で、全世界でキリスト教徒は約24億人、イスラム教は16億人いると言われています。
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神道:日本古来の土着信仰
神道は、日本で古来から信仰されてきた原始的信仰が、外来宗教である仏教や儒教の影響を受けて変質し、日本人の慣習や天皇の祭祀などさまざまな形に展開したものです。確定した教祖や創始者がおらず、正典と呼べる聖典も存在しないのが特徴と言えるでしょう。
また森羅万象に神が宿ると考え、偉大な祖先を神格化しています。天津神・国津神などの祖霊をまつり、祭祀を重視する点も独特です。なお、明治時代には、神道を国民精神のより所にしようと、政府が国民に神社信仰と天皇崇拝を義務付けるようになりました。
そのため、長い間混ぜ合わさった状態になっていた仏教と神道をきちんと分離する政策を行っており、これを神仏分離令と言います。
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仏教と神道の歴史の違いは?
ここまでで、仏教と神道の違いをざっくり解説しました。次に、両者の歴史と起源の違いを見ていきましょう。仏教は紀元前6世紀にインドで釈迦によって開かれた宗教で、その後アジア各地に広まりました。一方、神道は日本の原始的信仰が由来で、その起源ははっきりしていません。
仏教:紀元前6世紀に開かれた
仏教は紀元前6世紀頃にインドで釈迦によって開かれた宗教です。開祖である釈迦は自らの悟りをもとに、苦の輪廻から解脱するための教えを説きました。そして仏教は釈迦の死後、ユーラシア大陸を中心に広まっていき、さまざまな宗派に分かれています。
仏教は中国や中央アジアを経由して東アジア・東南アジアにも伝播し、各地で独自の発展を遂げました。その中で、日本には6世紀に伝来し、神道と習合したり対立したりしながら日本文化に影響を与えています。
特に6世紀後半の、推古天皇朝から8世紀後半に平安京へと遷都するまでの期間は、奈良を中心として仏教文化が大きく花開きました。この時期の文化は飛鳥・白鳳・天平文化と呼ばれています。
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神道:起源ははっきりしない
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神道は日本固有の宗教であり、その起源は明確ではありませんが、縄文時代から古墳時代にかけて原型が形成されたとされています。歴史的には、奈良時代以降に仏教と混ざり合いながら発展し、明治時代に国家神道として国家の支援を受けて発展しました。
自然や自然現象、祖先などに神が宿るとするのが神道の考え方で、神社や自然物を聖域として祭祀を行うのが特徴です。また、神道は前述の通り明治時代以降の日本国家の形成や天皇制とも密接に関係し、国家の支配階層や民衆の共同体意識を形成する役割も果たしてきました。
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仏教と神道の信仰対象の違いは?
ここまでで、仏教と神道の歴史の違いを解説しました。次に、両者の信仰対象の違いを見ていきましょう。仏教の信仰対象は、悟りを開いて苦しみから解放された人(仏陀)そのものや、あるいはその人の教え(教義)です。一方の神道は、自然や自然現象に宿ると考えられる八百万(やおよろず)の神々と、偉大な祖先や御霊などを信仰対象とします。
仏教:仏陀・教義・僧侶
仏教の信仰対象は、悟りを開いて苦しみから解放された人そのものです。そのような人は仏陀あるいは仏と呼ばれ、歴史的には釈迦がその第一号だと言われています。
しかし、仏教におけるいわば「神話」の世界では、釈迦以前にも過去に無数の仏陀が存在したと考えられており、それが仏像でおなじみの阿弥陀如来や薬師如来、大日如来などになるわけです。また、未来に多くの仏陀が現れるとも信じられています。その中でも最も有名なのが弥勒菩薩です。
他にも仏教では、仏陀の説いた教義や、その実践者である僧侶も信仰の対象になります。仏教の経典は純粋な宗教書というよりも難解な哲学書に近い内容のものも多く、信仰対象が多岐に渡っているという点は神道とよく似ていると言えるでしょう。
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神道:八百万の神
神道の信仰対象は、自然あるいは自然物に宿る八百万の神々です。ここでの「八百万」とは文字通りの数ではなく、無数という意味で考えて下さい。神道では、自然や自然現象、生き物、偉大な祖先や御霊など、あらゆるものに神が宿るといわれています。
例えば、海や山や風などを司る神様や、稲作や漁業などを守る神様や、国土開拓や文化創造に貢献した神様などがそれぞれ存在しているのです。また、天照大神や八幡大神など、日本国家や皇室と深い関係を持つ神様も重要な信仰対象となっています。
このように、キリスト教やイスラム教のようにひとつの神様だけを信仰するのではなく、さまざまなものに宿る多様な神を信仰するスタイルが、多神教あるいは汎神論です。
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仏教と神道の規模の違いは?
ここまでで、仏教と神道の信仰対象の違いを解説しました。次に、両者の規模の違いを見ていきましょう。先述した通り仏教は世界三大宗教の一つで、世界で約5億人以上が信仰しています。一方の神道は日本固有の宗教であり、信者は日本国内に限られると言ってもいいでしょう。仏教は世界宗教であり、神道は日本独特の宗教です。
仏教:アジア各地
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仏教はインドで生まれた宗教ですが、その後アジア各地に広まりました。現在、信者は世界で約5億人以上いるといわれ、東アジア、東南アジア、南アジアに多く分布しています。教義の解釈や実践方法などによって多様な宗派や流派に分かれており、地域や文化によって様式が異なるのが大きな特徴です。
神道:日本に限定
神道は、先に説明した通り、日本の原始的な信仰が外来宗教の影響を受けて変化したもので、信者は日本人の約半数、そのほとんどが日本に限られています。教祖や経典がない多神教であり、自然や先祖、歴史上の人物などさまざまな神を崇拝するのが特徴です。
他の文化圏にまたがらず、日本国内でのみ信仰されているため、人間の宗教様式の原初的なスタイルである多神教の考え方が長い間保たれ続けてきたのでしょう。
神道は宗教というよりも一種の慣習として捉えられることもあります。それくらい日本人にとってなじみ深い信仰スタイルだと言えるでしょう。
仏教は世界宗教、神道は日本独特の宗教
仏教は世界三大宗教の一つです。紀元前6世紀に釈迦が開いた教えを広めたもので、アジア各地に伝播して、多くの宗派や流派に分かれました。現在では、世界で約5億人以上が仏教を信仰していると言われています。
一方、神道は日本の原始的信仰が外来宗教の影響を受けて変化したものです。教祖や正典が存在しておらず、自然や先祖、歴史上の人物などに神が宿ると考えられており、日本人の慣習や天皇の祭祀などに深い関係があります。