今回のテーマはグリーンピースとうすいえんどうの違いについてです。どちらも見た目はよく似ているが、食べてみると味も食感もかなり異なっている。グリーンピースは苦手でも、うすいえんどうは抵抗なく食べられるという人も多い。
では、グリーンピースとうすいえんどうはどんな由来を持つ野菜なのか? そして両者はどのような関係にあるのか?これらの内容を雑学好きライター・ねぼけねこと一緒に解説していきます。

ライター/ねぼけねこ

法学部出身。某大組織での文書作成・広報部門での業務に10年以上従事し、IT・プログラミング分野の歴史にも詳しい。

グリーンピースとうすいえんどうの違いをざっくり解説

まず最初に、グリーンピースとうすいえんどうの違いについてざっくり説明します。グリーンピースというのはエンドウの未熟な種子で、うすいえんどうというのはそのグリーンピースを品種改良したものです。この二つは見た目はそっくりですが、実際に食べてみると味も食感も大きく異なることが分かるでしょう。

グリーンピース:エンドウの未熟の種子

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グリーンピースは実えんどうの一種で、エンドウの未熟な種子のことです。日本では主に関東圏に出荷されています。強い風味と甘味が特徴ですが、青臭さや皮の固い食感により、好き嫌いが分かれる食材だと言えるでしょう。

保存が難しいことから缶詰や冷凍食品などの加工品の材料として用いられることが多いです。ビタミンCやカロテン、食物繊維などの栄養素が豊富であり、免疫力や美肌効果にも良いと言われています。

日本に入ってきたのは江戸時代で、明治時代に本格的な栽培が始まりました。初期は高級食材として扱われ、その後、一般にも普及するようになったのは大正時代以降です。

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うすいえんどう:グリーンピースを品種改良したもの

うすいえんどうはグリーンピースを品種改良したもので、よってグリーンピースと同様に実えんどうの一種です。漢字で書くと「碓井豌豆」となり、主に関西圏へと出荷されることが多く、「紀州うすい」とも呼ばれています。

うすいえんどうはグリーンピースよりも皮が薄くて柔らかく、ほくほくとした食感が特徴です。また青臭さが少ないことから、グリーンピースが苦手な人でも食べやすいと言われています。

春から初夏にかけてが旬で、後述しますが豆ご飯や卵とじなどの材料として昔から使われてきました。栄養価も高く、ビタミンCやカロテン、食物繊維などが豊富です。

違いその1.産地

ここまでで、グリーンピースとうすいえんどうの特徴と違いについて解説しました。次に、両者の主な産地について見ていきましょう。グリーンピースの生産量は和歌山県・鹿児島県・北海道が上位三位で、うすいえんどうは和歌山県が主産地です。

グリーンピース:和歌山県・鹿児島県・北海道が主産地

グリーンピースの生産量は、和歌山県・鹿児島県・北海道が上位三位を独占しています。トップである和歌山県は、もともとえんどう類の産地として全国有数の地域です。他にも栽培されているものとしてきぬさやえんどうやオランダえんどう、スナップえんどうなどがあります。

和歌山県でえんどう類の栽培が盛んになったのは、明治時代に紀州藩が積極的に導入したことがきっかけだと言われており、温暖な気候と肥沃な土壌がえんどう類の栽培に適しているため、高品質なグリーンピースを生産することができるのです。

また第二位の鹿児島県では、霧島市や姶良市などでよく栽培されています。北海道でも冷涼な気候と広大な土地を生かして栽培されており、旭川市や帯広市のものが有名です。

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うすいえんどう:和歌山県が主産地

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前項で説明した通り、日本で最もえんどう類の生産量が多いのは和歌山県です。よって、うすいえんどうもそうで、同県のうすいえんどう生産量は全国シェアの約43%を占めています。

和歌山県でうすいえんどうの栽培が盛んになったのは、明治時代に大阪府羽曳野市碓井地区から伝わったことがきっかけでした。これがさらに品種改良されて現在のうすいえんどうになったのです。

先述した通り、うすいえんどうはほくほくとした食感が特徴で、春から初夏にかけて収穫されます。この旬の時期に和歌山県で収穫されて、関西圏へ出荷されたうすいえんどうはさまざまな料理で使われているのです。

違いその2.味と食感

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ここまでで、グリーンピースとうすいえんどうの産地について解説しました。次に、両者の味や食感の違いについて見ていきましょう。グリーンピースは甘味が強いものの、青臭さや皮の固さから苦手だという人もいます。一方、うすいえんどうは皮が薄くて青臭さが少なく、ほくほくとした食感なのが特徴です。

グリーンピース:甘味が強いが青臭さがある

グリーンピースは豆らしい甘味が魅力ですが、独特の青臭さもあるため、好き嫌いが分かれるところでしょう。あの青臭さの原因は、皮に含まれる色素成分で、光合成にも関係しているクロロフィルという物質です。

クロロフィルは熱に弱く、加熱すると分解されるため、茹でたり煮たりしたグリーンピースは比較的青臭さが減って甘味が増します。しかし皮が固くて厚いことから、完全に青臭さを消すことは難しいでしょう。

特に子供の頃にあの青臭さが苦手だったという人は、大人になってもグリーンピースを避ける傾向があります。しかしビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富な食材には違いないので、避けるのは少しもったいないと言えるでしょう。

うすいえんどう:皮が薄く青臭さが少ない

グリーンピースと比較した場合、うすいえんどうは皮が薄くて青臭さが控えめな点が特徴的です。うすいえんどうの皮は薄くて柔らかいので、加熱するとクロロフィルの青臭さも残りにくく、食べた時に甘味が自然に感じられるでしょう。

このように、他の食材の邪魔にならない控えめな味わいから、うすいえんどうは和食レシピによく合います。また先述の通りビタミンCやカリウムなどの栄養素が豊富で、免疫力や血圧の調整に役立つのも魅力でしょう。食物繊維も多く、便秘の予防や改善にも効果的です。

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違いその3.使い方

ここまでで、グリーンピースとうすいえんどうというの特徴と産地の違い、また味や食感などについて解説しました。最後に、両者が料理などでどのように使われているかを見ていきましょう。グリーンピースは缶詰や冷凍食品としてよく利用されていますが、うすいえんどうは豆ごはんや卵とじなどのレシピも人気があります。

グリーンピース:缶詰・冷凍食品

グリーンピースは鮮度を保つのが難しく、収穫後そのままにしておくと甘味が失われたり、変色したりします。グリーンピースが缶詰や冷凍食品などの加工品として扱われることが多いのは、そのためです。

また、グリーンピースはミックスベジタブルとして他の食材と一緒に利用されることも多く、色や味のバランスを整えたりするのにも役立っています。スープやサラダ、カレーやパスタなどその用途は広く、手軽に使える上に栄養価も高いという大変便利な食材です。

うすいえんどう:豆ごはん・卵とじなど

何度か述べましたが、うすいえんどうは皮が薄くて青臭さが控えめな食材なので、豆ごはんや卵とじなどの和食レシピによく活用されています。卵や米など他の食材の風味を邪魔せず、控えめな味わいがよいアクセントになるからです。

特に、うすいえんどうを炊き込んだ豆ご飯は春によく作られ、豆粒の色や形が白いご飯に映えます。ほくほくとした食感が、ご飯の旨味を引き立ててくれるでしょう。塩や醤油などで味付けするだけで、簡単においしく食べられるのもこのレシピの魅力です。

グリーンピースを品種改良したものがうすいえんどう

グリーンピースはエンドウの未熟な種子を収穫したもので、強い風味と甘味があります。しかし青臭さや目立つことから好き嫌いが分かれる食材と言えるでしょう。缶詰や冷凍食品としてよく利用され汎用性が高いです。

一方、うすいえんどう(碓井豌豆)はグリーンピースを品種改良したもので「紀州うすい」とも呼ばれます。薄く柔らかな皮と青臭さが少ない点が特徴でグリーンピースよりも食べやすく、卵とじや豆ごはんの材料としても人気です。

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雑学

簡単でわかりやすい!グリーンピースとうすいえんどうの違いは?味や食感・産地などを雑学好きライターが詳しく解説

今回のテーマはグリーンピースとうすいえんどうの違いについてです。どちらも見た目はよく似ているが、食べてみると味も食感もかなり異なっている。グリーンピースは苦手でも、うすいえんどうは抵抗なく食べられるという人も多い。
では、グリーンピースとうすいえんどうはどんな由来を持つ野菜なのか? そして両者はどのような関係にあるのか?これらの内容を雑学好きライター・ねぼけねこと一緒に解説していきます。

ライター/ねぼけねこ

法学部出身。某大組織での文書作成・広報部門での業務に10年以上従事し、IT・プログラミング分野の歴史にも詳しい。

グリーンピースとうすいえんどうの違いをざっくり解説

まず最初に、グリーンピースとうすいえんどうの違いについてざっくり説明します。グリーンピースというのはエンドウの未熟な種子で、うすいえんどうというのはそのグリーンピースを品種改良したものです。この二つは見た目はそっくりですが、実際に食べてみると味も食感も大きく異なることが分かるでしょう。

グリーンピース:エンドウの未熟の種子

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グリーンピースは実えんどうの一種で、エンドウの未熟な種子のことです。日本では主に関東圏に出荷されています。強い風味と甘味が特徴ですが、青臭さや皮の固い食感により、好き嫌いが分かれる食材だと言えるでしょう。

保存が難しいことから缶詰や冷凍食品などの加工品の材料として用いられることが多いです。ビタミンCやカロテン、食物繊維などの栄養素が豊富であり、免疫力や美肌効果にも良いと言われています。

日本に入ってきたのは江戸時代で、明治時代に本格的な栽培が始まりました。初期は高級食材として扱われ、その後、一般にも普及するようになったのは大正時代以降です。

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