簡単でわかりやすい!解凍と展開の違いとは?解凍は死語?プログラマーがわかりやすく解説
結局よくわからない?だが当時は広く使われた「解凍」
結局、ファイルを戻すことを「解凍」と呼び始めたきっかけや、なぜ広まったのかははっきりしていません。ただ、日本ではコンピューターを使う人の多くがLHAを利用していた時代があり、そのマニュアルにあった「解凍する」という表現が広く普及したからというのは正しそう。
現在では想像がつきにくいかもしれませんが、それだけの影響を与えたとしても不思議ではないほどLHAという圧縮ソフトが広く普及していたのです。
昔は一般的だった圧縮ソフト?なぜ今はないの?
image by iStockphoto
そんなに広く使われていたLHAはなぜ今見かけないのでしょう。実はLHA以外にも多くの圧縮ソフトがありました。しかし、現在では圧縮ソフトをみかけることは少なくなっています。一つは標準機能になって、アプリのインストールが不要になったため。なぜそういう状況になったのかを説明していきます。
標準機能になり、今はあまり使わなくなった圧縮ソフト
LHAや他の圧縮ソフトが使われなくなった理由は、ざっくり言えば標準機能となったから。わざわざアプリをインストールしなくても圧縮や展開ができるのであれば、その方がよいですよね。Windowsでは標準のエクスプローラだけでフォルダの圧縮や全て展開が可能。そのため、普通の用途では別に圧縮ソフトを入れる必要がありません。
ではどういう時に必要になるのでしょう。それはzipファイルにパスワードをつける場合です。zipファイルには元々パスワードを付けて、それを知らない人が展開できないようにする機能があります。ただ、Windows標準機能ではパスワードを付けた圧縮には対応していません。そのため、パスワード付きのzipファイルを作成する場合にだけ圧縮ソフトが必要です。
こちらの記事もおすすめ
PINとパスワードの違いとは?認証のタイミングや安全性の観点からSEがわかりやすく解説
2000年以前は大競争時代?様々な圧縮ソフトが生まれた理由
LHAが主流だった2000年より前の時代には、LHAの他にも多くの圧縮ソフトがありました。今使われているzip ファイルを扱うアプリもその頃から存在しています。なぜそんなに多くの圧縮ソフトが必要だったのでしょう。
その頃のネットは今のインターネットと比べるとはるかに遅いもの。今なら100メガバイトと99メガバイトのファイルのダウンロードで大きな差は感じないですよね。しかし、その頃は100キロバイトと99キロバイトでも大きな差だったのです。そのため、ファイルを少しでも小さくする激しい競争がありました。日本ではLHAがその性能の良さで広く普及していたのです。
競争の時代から標準化の時代?ZIPファイルが主流へ
少しでもファイルを小さくするための競争もやがて終わりを迎えます。最初のうちは工夫することでより小さくできたのですが、それにも限界が。限界を迎えるとあとはどれだけの利用者がいるかが勝負の分け目になります。最終的には海外でも広く使われていたzipファイルが主流となり、パソコンでも標準に。日本製のLHAも性能は良かったのですが、日本でしか普及していなかったので標準機能にはなれなかったのです。
次々と新しいものが出ていた頃は標準機能にはなりにくいですが、その競争が終われば広く使われているものが標準になります。zipファイルが標準となったことで、Windowsの標準機能となり、他の圧縮ソフトは利用されなくなったのです。
\次のページで「解凍はネットスラングのようなもの、今後は展開を主流に」を解説!/