簡単でわかりやすい!解凍と展開の違いとは?解凍は死語?プログラマーがわかりやすく解説
展開:そもそも海外で解凍は通じない?Windowsもこちら
ただ「解凍」が一般的だったのは日本だけの話。なぜ日本だけだったのかは後で説明します。Windowsのファイルエクスプローラでzipファイルを元に戻すことができますが、そのメニュー名も「すべて展開…」ですよね。
つまり「解凍」を使うのは日本の一定以上より上の世代だけということ。英語版のWindowsでは「Extract All…」になっています。extractには多くの意味がありますが、この場合は「取り出す」という意味。そのまま訳すと「すべてを取り出す」になりそうですが、圧縮ファイルの内容を戻すことを「展開する」と言うことが多いため、「すべて展開」にしているのです。
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解凍?展開?2つの言葉が生まれたわけは?
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この「解凍」という使い方については、その由来がはっきりしていません。通説として、国産のあるソフトのマニュアルで利用していたという話が一般的です。
しかし、それ以前から使われていたこともはっきりしています。そのため、なぜ広まったかは分かっていても、なぜそう呼んでいたのかはよくわからない部分が多いのです。わかっている範囲で「解凍」が使われた理由を説明していきます。
通説?LHAという国産アプリで広まった
一般的に「解凍」の由来は国産圧縮ソフトのLHA(エルエッチエー)やその元になったLHarc(エルエッチアーク)のマニュアルで使われていたため、と言われています。これ自体は間違いない事実。でも、なぜLHAという国産アプリのマニュアルに使われていた言葉が広まったのでしょう。
LHAが主に使われていたのはインターネットが普及する前の時代。その頃はネットと言えば「パソコン通信」というものでした。パソコンを電話回線でパソコン通信会社につないでメールや掲示板、ファイルのやりとりなどをしていたのです。その頃は圧縮ソフトが必須アプリで、その代表がLHAでした。そのため、LHAのマニュアルにあった解凍という言葉の使い方が広がったのです。
真実?実はそれ以前から解凍という言葉は使われていた
さて、LHAのマニュアルでファイルを戻すことを解凍と表現していたのは事実です。しかし、そのLHAの開発に関わった人が「それ以前から解凍という言葉が使われていた」と言っています。つまり、解凍という使い方の広がるきっかけにはなったかもしれませんが、解凍を最初に使ったわけではないのです。
結局、だれがファイルを戻すことを「解凍」と呼んだのかははっきりしていません。いつ頃からか一部で広まっていた使い方が、LHAというアプリのマニュアルをきっかけに一般化したのだと推測できます。日本語の「戻す」には「水に浸すことや、解凍することで加工前の状態にする」という意味も。そこから逆に戻すことを「解凍」と呼んだのかもしれません。
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