2010年以降急速に進歩して広がったドローン。テレビ番組などで空中から撮影したり、交通が不便なところに物を運んだりと、様々な用途に活用されていますね。そんなドローンと似たものにUAVというものがある。ニュースなどで聞いたことがあるかもしれないが、ドローンに比べると馴染みがないかもしれませんね。そんなUAVとドローンの違いや活用法をプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさん。

どちらも無人機のこと?UAVとドローンの違いとは

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ドローンという言葉をよく聞くようになりましたよね。しかし、大きなものから小さなものまで様々なドローンがあります。そうなると、ドローンというものが一体どういうものなのかよくわからなくなりませんか。

一番わかりやすいイメージは、遠隔操作できる小型のヘリコプターのようなもの。このような無人の飛行機のようなものの一般名称がUAVです。そんなUAVとドローンの違いや関係を説明します。

UAV:無人の航空機一般のこと

UAVとは「Unmanned Aerial Vehicle」の頭文字をとったもの。日本語では無人航空機となります。その名の通り、だれも乗っていない航空機全般を指す言葉です。

その始まりは軍事用敵の飛行機を攻撃する訓練のために使うものや、危険なところに行って様子を調べたり敵を攻撃するためのものです。人が乗っている航空機が攻撃されると、その人も危険にさらされますよね。それを避けるために誰も乗っていなければ安全という考え方です。

ドローン:回転翼が3~4つ付いたマルチコプター

ドローンもざっくり言えば無人の航空機のこと。ヘリのような回転翼が3つや4つ付いているマルチコプターというタイプがおなじみです。このようなドローンが広く使われているため、ドローンと言えばそういうものを指すと考えがち。しかし、ドローンというのは元々はUAVと同じもの無人の航空機のことを指します。

ただ、元々は無人航空機全体を指す言葉ではなく、その中のひとつのものの名前だったのです。例えば、ウェブで検索することをグーグルとかググると呼びますよね。本来グーグルはウェブ検索のひとつに過ぎないのですが、グーグル以外のものも含めてウェブでの検索をグーグルとかググると呼ぶことがあります。ドローンの扱いもそれに近い感じです。

商品名がジャンル全体を表す言葉に?ドローンの歴史

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そもそもドローンとは何なのでしょう。今では空から手軽に撮影できるものや、交通の便の悪いところに何かを運ぶものドローンと呼ぶことが多いですよね。そんなドローンが元々は何だったのかを説明していきます。

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最初のドローンは無線操縦の実験機?

新しい技術は戦争のために生まれることも多いです。ドローンも最初は戦争のためのもの。第1次大戦の頃に戦争のための飛行機、軍用機が登場。当然、人が操縦するので、その軍用機が撃ち落とされれば、パイロットは怪我することや、最悪の場合は死んでしまいます。

それを避けるために、人が乗らずに遠くから遠隔操作する軍用機を研究していました。1920年代後半にイギリス海軍が研究し、1935年頃に登場したのが「クイーン・ビー」です。これは女王蜂のこと。ドローンとは元々オスのミツバチや、蜂などのブンブンという羽音という意味。女王蜂という愛称からドローンという言葉が生まれたわけです。

訓練用の標的だったドローン

このようにドローンとは元々訓練のための無人の標的となる飛行機のこと。実際に人が乗っている飛行機を撃ち落とすわけにはいかないので、無人航空機を標的にしたのです。そのような無人標的機のことを、ターゲット・ドローンと呼びました。それを縮めてドローンと呼ぶように。

ただ、技術が進歩するとドローンのような標的となるだけの無人機ではなく、撃ち落とされる危険のある場所を探るためや、敵を攻撃するための無人機が登場します。それらを総称するために生まれたのがUAVという言葉です。

2010年代のAR.Droneという製品名から一般化

そんな今のドローンとは想像もつかない軍事用だったドローン。それが一般に広まったきっかけは、今のドローンの元祖とも言えるAR.Droneです。

それ以前にもエンジンやモーターを使ったラジコンヘリは存在しました。ただ、それを飛ばすのには多少の訓練が必要。また、大きさも今のドローンと比べると大きなものでした。しかし、2010年にフランスのパロット社がAR.Droneという製品を販売します。これが今一般的なドローンの元祖。センサー付きでバッテリで飛行するAR.Droneは大人気に。類似のものが数多く登場して競争が激化またたく間にドローンが普及することになったのです。

UAVやドローンの仕組みや活用法は?

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ドローンの歴史を振り返ってみましたが、2010年に今話題のドローンが登場してからとそれ以前では大きな違いがありますよね。そんなドローンの仕組みや活用法を説明します。

飛行機やヘリコプターまで?様々な形態の無人機

2010年に登場したドローンはスマホから簡単に操作できるものでした。形は4つの回転翼が付いているマルチコプターとよばれるもの。これが基本形でしたが、今のドローンは様々なものに進化しています。

例えば当初のドローンは無線で遠隔操作が前提。今でも同じですが、中にはあらかじめコースを設定すると自動で飛ぶものもあります。ただ自動で飛行するだけでなく、危険を察知すれば回避。形も手のひらサイズから大きなものまで様々搭載したカメラで風景を見るだけでなく、物を運ぶものも登場。大型化によりもっと多くの回転翼を持つものも。一口にドローンと言っても様々なものが登場しています。

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個人の娯楽から商業活動や軍事用まで?無人機の活用法

元々は軍事用だったドローンですが、2010年に登場したものは個人でも気軽に空からの風景を見ることができるもの。言わば娯楽用途です。しかし、その後ドローンの普及とともに、活用法も広がっています。すでに何かを運ぶためのドローンが実用化のための実験段階山奥や離島などへの運搬が期待されています。また、様々なインフラ設備の点検にドローンを利用する試みも。単なる娯楽用ではなく、商業利用も進んでいます。

そのような平和的な利用はよいですが、なかには軍事的なものも。元々ドローンは軍事用でしたが、戦争にドローンを使っているという話も増えてきています。活用法がどんどん広がるドローンですが、戦争のための利用は広がってほしくはないですね。

人が乗ってる?水中も?有人ドローンや水中ドローン

元々のドローンは無人航空機であるUAVのこと。しかし、ドローンの活用が広がってくると、UAVの枠からはみ出してきています。例えば有人ドローン。そもそも無人のものがドローンのはずですよね。ドローンを大型化して人が乗る空飛ぶ車の話がいくつか登場。そのような人が乗る大型ドローンが有人ドローン無人なのか有人なのか混乱する名前ですよね。

また、元々は航空機を指すドローンが水中へ進出。それが水中ドローン。UAVの一種であったはずのドローンは、もはや無人の乗り物や操縦者がいない乗り物を指す言葉になりつつあります。

UAVはジャンル、ドローンはそのひとつの名前から広く普及

ドローンの歴史は軍事用の無人航空機(UAV)から。それが2010年に登場した今のドローンの元になる製品名に使われたことで、ドローンという言葉が無人の小型航空機全般を指す言葉に。さらに様々な形態へと進化することで、本来のUAVという枠組みから離れ、人を乗せる大型ドローンや、水中調査などに使う水中ドローンなども登場しています。

元々はUAVとドローンは同じものでしたが、今後は違うものになっていくかもしれませんね。

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簡単でわかりやすい!UAVとドローンの違いとは?歴史や仕組み・活用法もプログラマーがわかりやすく解説

2010年以降急速に進歩して広がったドローン。テレビ番組などで空中から撮影したり、交通が不便なところに物を運んだりと、様々な用途に活用されていますね。そんなドローンと似たものにUAVというものがある。ニュースなどで聞いたことがあるかもしれないが、ドローンに比べると馴染みがないかもしれませんね。そんなUAVとドローンの違いや活用法をプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさん。

どちらも無人機のこと?UAVとドローンの違いとは

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ドローンという言葉をよく聞くようになりましたよね。しかし、大きなものから小さなものまで様々なドローンがあります。そうなると、ドローンというものが一体どういうものなのかよくわからなくなりませんか。

一番わかりやすいイメージは、遠隔操作できる小型のヘリコプターのようなもの。このような無人の飛行機のようなものの一般名称がUAVです。そんなUAVとドローンの違いや関係を説明します。

UAV:無人の航空機一般のこと

UAVとは「Unmanned Aerial Vehicle」の頭文字をとったもの。日本語では無人航空機となります。その名の通り、だれも乗っていない航空機全般を指す言葉です。

その始まりは軍事用敵の飛行機を攻撃する訓練のために使うものや、危険なところに行って様子を調べたり敵を攻撃するためのものです。人が乗っている航空機が攻撃されると、その人も危険にさらされますよね。それを避けるために誰も乗っていなければ安全という考え方です。

ドローン:回転翼が3~4つ付いたマルチコプター

ドローンもざっくり言えば無人の航空機のこと。ヘリのような回転翼が3つや4つ付いているマルチコプターというタイプがおなじみです。このようなドローンが広く使われているため、ドローンと言えばそういうものを指すと考えがち。しかし、ドローンというのは元々はUAVと同じもの無人の航空機のことを指します。

ただ、元々は無人航空機全体を指す言葉ではなく、その中のひとつのものの名前だったのです。例えば、ウェブで検索することをグーグルとかググると呼びますよね。本来グーグルはウェブ検索のひとつに過ぎないのですが、グーグル以外のものも含めてウェブでの検索をグーグルとかググると呼ぶことがあります。ドローンの扱いもそれに近い感じです。

商品名がジャンル全体を表す言葉に?ドローンの歴史

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そもそもドローンとは何なのでしょう。今では空から手軽に撮影できるものや、交通の便の悪いところに何かを運ぶものドローンと呼ぶことが多いですよね。そんなドローンが元々は何だったのかを説明していきます。

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