この記事では悠久と永久の違いについてみていきます。どちらも「ながく続く」ことを表現するときに使われる熟語です。共通する使い方もある。しかし、細かく見ていくと、使われる場面で少し異なる部分もあるようです。
今回はそんな2つの言葉の違いを、漢字の意味から確認しながら言葉の違いが気になる文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

悠久と永久と、同じような意味ではあるが、使い方が気になって調べてみた文学部卒ライター。

悠久とは?

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「悠久」は、はてしなく長く続いていくこと、もしくは、久しく長く続く様子のことです。悠久という熟語は、「悠(はるか)に久しい」と読み下しができます。どんなに長く続くのかを「はるかに」という言葉で修飾しているようです。

1.「悠」の字義

悠の字義は、時間や空間がどこまでも果てしなく続くということ。他には、気分がゆったりと快適である様子を表すこともあります。

2.「久」の字義

久の字義は、時間が長いということ。年月を経ても同じ状態が長く続く様子を表しています。

3.悠久の使い方と例文

永久は時間的に長く続く様子を表すときにも使います。ただ、「悠」の字義から考えると、空間的に果てしなく広がるという意味でも使う場合もあるようです。例文を挙げます。

・仏像を見て、悠久の歴史を感じた。
・戦争前の王国には、悠久の平和な時代があった。
・眼下の草原には、悠久の大自然が広がっている。
・寺院には悠久の回廊があり、中の隠し部屋にたどり着くのは難しそうだ。

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永久とは?

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永久は、いつまでも限りなく続いていくこと。期間や区切りなどが定められずに同じ状態が続くことを表します。

他には、平安時代(1113~1118年)の5年間、鳥羽天皇の時代の元号凶事が治まるようにと願いを込めて改元されました。一説によると、『詩経』の中の句「我行永久」から引用されたのではないかということです。この時期は延暦寺と興福寺、園城寺などの僧兵が激しく争い、世の中が不安定だったと伝えられています。

1.「永」の字義

「永」の字義は、距離や時間が長いということ。限りがないいつまでも~し続けるといったニュアンスで使われます。

2.永久の使い方と例文

永や久の字義から考えると、時間や距離がいつまでも限りなく続いていくということ、物事がずっと続く状態である様子を表す時に使われます。悠久のように年月が続くという意味では似ていますが、空間的な広がりを表す意味では使いません。永久を使った例文は以下の通りです。

・偉大な選手をたたえて、永久欠番を決めているプロ野球チームもある。
・彼女の遺作集は、出版社が永久保存版と銘打って売り出している。
・優秀な彼との差は、永久に縮まらない。
・地球温暖化で永久凍土が溶け始めたそうだ。

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悠久と永久の類語

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悠久と永久の類語は多くみられます。残念ながら、全ては紹介しきれません。類語のなかから3つほど選んで解説します。

1.永遠:果てしなく続く

永遠は、過去から未来にかけてずっと、果てしなく続くということ。ある状態の物事が時間の制限を受けずに、全く変化がなく持続していることです。哲学の用語では、時間を超えて存在することや、絶え間ない年月のなかで全く影響を受けることがない存在をいいます。例文は以下の通り。

・若くして亡くなった俳優は『永遠の銀幕スター』と呼ばれている。
・王を中心とした専制的な体制は、かつては永遠だと信じられていた。

2.無限:限度がない

無限の意味は、数量や程度などに限度がない無制限ということです。対義語は、限界があることを表す「有限」。例文は以下の通りです。

・このキャベツは美味しい。タレだけで無限に食べられそうな気がするよ。
・宇宙は無限に広がっている。
・無量大数は数の単位といえども、無限に続く数を表しているかのようだ。

3.とこしえ:いつまでも続く

とこしえ(常しえ/長え/永久え)とは、いつまでも続くことです。長い間変わらないこと、年を経ても変わらずにいつまでも同じ状態でつづく様子を表しています。口語ではあまり使われる機会がなく、小説などの書き言葉で見られる語です。例文は以下の通り。

\次のページで「悠久は空間、永久は距離のつながりを表すこともある」を解説!/

・卒業式が彼女とのとこしえの別れになるとは思いもしなかった。
・〇〇さん、とこしえの美を保つ秘訣は何ですか?

悠久は空間、永久は距離のつながりを表すこともある

「悠久」も「永久」も長い時間や年月が経っても同じ状態で続いているという、時間的に持続していることを表す意味で使える語です。しかし、悠久の場合は、空間的に広がり続ける意味でも使え、永久の場合は距離的なつながりを表す時にも使えるという点で異なっています。

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簡単でわかりやすい悠久と永久の違い!使い方・例文・類語も文学部卒ライターが詳しく解説

この記事では悠久と永久の違いについてみていきます。どちらも「ながく続く」ことを表現するときに使われる熟語です。共通する使い方もある。しかし、細かく見ていくと、使われる場面で少し異なる部分もあるようです。
今回はそんな2つの言葉の違いを、漢字の意味から確認しながら言葉の違いが気になる文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

悠久と永久と、同じような意味ではあるが、使い方が気になって調べてみた文学部卒ライター。

悠久とは?

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「悠久」は、はてしなく長く続いていくこと、もしくは、久しく長く続く様子のことです。悠久という熟語は、「悠(はるか)に久しい」と読み下しができます。どんなに長く続くのかを「はるかに」という言葉で修飾しているようです。

1.「悠」の字義

悠の字義は、時間や空間がどこまでも果てしなく続くということ。他には、気分がゆったりと快適である様子を表すこともあります。

2.「久」の字義

久の字義は、時間が長いということ。年月を経ても同じ状態が長く続く様子を表しています。

3.悠久の使い方と例文

永久は時間的に長く続く様子を表すときにも使います。ただ、「悠」の字義から考えると、空間的に果てしなく広がるという意味でも使う場合もあるようです。例文を挙げます。

・仏像を見て、悠久の歴史を感じた。
・戦争前の王国には、悠久の平和な時代があった。
・眼下の草原には、悠久の大自然が広がっている。
・寺院には悠久の回廊があり、中の隠し部屋にたどり着くのは難しそうだ。

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