エアバスとボーイングという会社名を聞いたことがあるか。どちらも旅客機をつくっている会社です。ボーイング747やエアバスA380といった大型旅客機が有名です。日本で見ることのできる大型旅客機はほとんどがこの2社のものです。そんなエアバスとボーイングの会社やつくっている旅客機にはどんな違いがあるか分かるか。見た目はどれも同じように見えるが、実は考え方が違う。そんなエアバスとボーイングの会社や旅客機の違いを航空会社のマイレージクラブの上級会員資格を持つプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさん。鉄道や航空機、船舶も好物。

大型旅客機の二大ライバル!エアバスとボーイングとは

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海外への旅行や北海道や沖縄など、長距離の移動に欠かせないのが旅客機。その旅客機の中でも有名なのがエアバスとボーイングですよね。エアバスA380やボーイング787という名前が時刻表にも書いてあります。

このエアバスやボーイングというのは旅客機の製造メーカーの名前です。その後のA380や787というのは型番日本で見ることのできる大型旅客機のほとんどはこの両社のものです。その違いについて説明します。

エアバス:欧州の宇宙航空機メーカー

エアバスは1970年にフランスとドイツの航空機製造会社が共同でつくった会社です。会社名のエアバスとはバスのように気楽に飛行機を利用できるようになる時代が来る、という意味。実はエアバス社誕生以前の旅客機にもエアバスやスーパーエアバスという愛称を持つ旅客機がありました。エアバス社ができてからは、エアバス社が作った旅客機のことをエアバスと呼びます。

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ボーイング:アメリカの宇宙航空機メーカー

ボーイングはアメリカの宇宙航空機メーカーです。ジャンボことボーイング747は2階建ての旅客機として有名。一時期は日本の航空会社のほとんどの旅客機がボーイング製になったこともあります。

アメリカにはボーイングの他にもマクダネルダグラスとロッキードという会社もありました。しかし、1981年にロッキードは民間旅客機から撤退1997年にはボーイングがマクダネルダグラスを買収アメリカの旅客機製造メーカーはボーイング社だけになりました。

その成り立ちの違いは?比べてみよう、会社編

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エアバスとボーイングはどちらも旅客機をはじめとした航空宇宙関係の会社。旅客機製造だけでなく、その他の部分でも似ている部分が多いです。そんな両社の成り立ちや、旅客機業界のシェアについて説明します。

軍用機の製造から始まったボーイング

ボーイング社はアメリカで1916年に創業します。社名にもなったボーイングと、アメリカ海軍技師だったウエスターバレットの2人でつくった会社です。最初につくったのは軍用機。その後、輸送機や爆撃機といった大型の軍用機を中心に製造します。第二次世界大戦で日本に爆弾を落としたB-29もボーイング製です。

その後も輸送機や爆撃機などの大型の軍用機を製造。一方で、民間用の旅客機も製造しています。日本でもよく見るB747やB767、B777、B787などのBはボーイング社のBです。世界中の空を飛ぶ旅客機の多くをつくっているのがボーイング社。世界最大の航空宇宙関連会社です。

ボーイングに対抗するために集まったエアバス

エアバス社は1970年にフランスとドイツの航空宇宙関係の会社がつくったヨーロッパの会社です。その後、イギリスやスペインの会社も参加し、ヨーロッパを代表する航空宇宙会社に。そのきっかけはボーイング社です。

当時は欧米と当時のソ連(現在のロシア)が東西に分かれていた東西冷戦の時代。その西側の大型旅客機はボーイングを中心としたアメリカの会社の旅客機がほぼ独占。そこでヨーロッパに独自の航空機製造会社が必要と考えて創業したのがエアバス社。今ではボーイングと共に二大旅客機メーカーになっています。

大型旅客機を二分するエアバスとボーイング

ボーイング社もエアバス社も旅客機の製造だけでなく、軍用機の製造や宇宙関係まで手掛ける航空宇宙産業の会社です。会社の規模を比較するとボーイング社の方が大きく売上では2倍以上、従業員数は3倍近く大きな会社。

2021年の世界の旅客機市場のシェアを比較するとエアバス社が30%、ボーイング社が15%と、両社で世界市場の半分近くになります。両社が航空会社に販売した旅客機の数も、エアバス社が2019年から4年連続でボーイング社を抜いてトップに。ライバル関係の両者ですが、2020年前後はエアバス社の方が好調です。日本の航空会社も一時はエアバス製の旅客機が減りボーイング製がほとんどを占めたこともあります。しかし、その後エアバス製の旅客機が増加傾向です。

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見た目は似てるがどう違う?比べてみよう、機体編

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旅客機の形はどれも似ています。頭の方だけ二階建てのボーイング747や、全体的に二階建てのエアバスA380などの特徴的なものを除けば、素人目には見ただけで違いを見分けるのは難しいもの。その旅客機はサイズ別に分けると大きく3種類に分けることが可能です。その3つのクラスに分けて見ていきます。

エアバスが優勢?定員200名以下の小型機クラス

大型旅客機の中でも比較的小さな部類が小型機クラス。おおむね定員が200名以下のものを指します。小型機の中でも通路が1列のものがナローボディ機2列のものがワイドボディ機ボーイングでは737型がナローボディの小型機です。エアバスはナローボディがA320型、ワイドボディがA330型になります。

ボーイングの737型は世界でもっとも累計製造数が多い飛行機。モデルチェンジを重ねて50年で1万機以上が製造されています。一方、エアバスは年々小型機クラスの販売数が増加2019年以降の販売数の多くをこのクラスが占めています。

ボーイングが優勢?定員200名以上の中・大型機クラス

小型機より大きい旅客機のうち、300名以下が中型機それ以上が大型機になります。ボーイングでは767型が中型機、777型が大型機です。一方のエアバスはA350型が中・大型機になります。

この中・大型機クラスではボーイングとエアバスが互角か、ボーイングがやや優勢。2020年前後の航空機市場では小型機が多く売れているため、全体的には小型機で優勢のエアバスがボーイングを抜いてトップになっています。

設計思想が違う?両者の操縦に対する考え方

見た目はあまり違いがわからないエアバス機とボーイング機ですが、コクピットや飛行機に対する考え方が大きく違います。ざっくり言えばボーイングは伝統的、エアバスは革新的新興メーカーであるエアバスは革新性を売りにしているわけです。

ボーイング機のコクピットは上の写真のように昔ながらの操縦桿が目の前に。一方、エアバスは大きな操縦桿はなく、脇にあるジョイスティックのようなもので操縦します。エアバス機はどの機種でも同じように操縦できるように設計され、自動化も進んでいるのが特徴。その点、ボーイングはパイロットが操作するものが多かったのです。ただし、現在はボーイングも自動化を進めています。

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競争を続けるライバル、まだまだ戦いは続く

もともとアメリカのボーイング社が大きなシェアを占めていた大型旅客機。そこに後発のヨーロッパの会社として挑んだのがエアバス社です。旅客機という安全が大切な世界後発の新興メーカーとして挑んだエアバス社は当初はとても苦労します。

その後、シェアを伸ばして2020年前後からは年間売上でボーイング社を凌ぐほどに。ただ、両社の競争は簡単には終わりません過去にもエアバスが大きく伸びたことがあります。しかし、その後ボーイングが巻き返しました。その後はまたエアバスが伸びていますが、両社の競争はまだまだ続いているのです。

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簡単でわかりやすい!エアバスとボーイングの違いとは?見た目や会社の成り立ちも旅好きプログラマーがわかりやすく解説

エアバスとボーイングという会社名を聞いたことがあるか。どちらも旅客機をつくっている会社です。ボーイング747やエアバスA380といった大型旅客機が有名です。日本で見ることのできる大型旅客機はほとんどがこの2社のものです。そんなエアバスとボーイングの会社やつくっている旅客機にはどんな違いがあるか分かるか。見た目はどれも同じように見えるが、実は考え方が違う。そんなエアバスとボーイングの会社や旅客機の違いを航空会社のマイレージクラブの上級会員資格を持つプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさん。鉄道や航空機、船舶も好物。

大型旅客機の二大ライバル!エアバスとボーイングとは

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海外への旅行や北海道や沖縄など、長距離の移動に欠かせないのが旅客機。その旅客機の中でも有名なのがエアバスとボーイングですよね。エアバスA380やボーイング787という名前が時刻表にも書いてあります。

このエアバスやボーイングというのは旅客機の製造メーカーの名前です。その後のA380や787というのは型番日本で見ることのできる大型旅客機のほとんどはこの両社のものです。その違いについて説明します。

エアバス:欧州の宇宙航空機メーカー

エアバスは1970年にフランスとドイツの航空機製造会社が共同でつくった会社です。会社名のエアバスとはバスのように気楽に飛行機を利用できるようになる時代が来る、という意味。実はエアバス社誕生以前の旅客機にもエアバスやスーパーエアバスという愛称を持つ旅客機がありました。エアバス社ができてからは、エアバス社が作った旅客機のことをエアバスと呼びます。

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