この記事では「運命」と「宿命」の違いについてみていきます。どちらも、人生においてその人の意思にかかわらず、はじめから決まっていたかのような出来事などに対して使われる言葉ですが、なんとなくの意味は知っているつもりでもその違いについて問われると、答えに困るという人も少なくないでしょう。そこで今回はその違いについて、国語の講師でもある空野キノコと一緒に解説していきます。

ライター/空野きのこ

大学在学中から文学・国文法や教育について本格的に学び、現在は小中学生に勉強を教えている講師。その知識と経験を活かし、言葉の雑学を中心に分かりやすく解説していく。

運命と宿命のざっくりした違いとは

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まずはじめに、「運命」「宿命」のざっくりした違いについて説明しましょう。「運命」とは、「人の意思にかかわらず、その人のもとに訪れる幸・不幸などのめぐりあわせのこと」を意味するのに対し、「宿命」とは、「生まれる前の世から決まっている人間の運命のこと」を意味します。

つまり、「運命」「宿命」の違いとして「生まれる前から決まっているかどうか」という点が大きなポイントだと言えるでしょう。

運命と宿命の漢字を説明

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さきほど「運命」「人生において、人のもとに訪れる幸・不幸などのめぐりあわせ」のことで、「宿命」「生まれる前の世から決まっている人間の運命」であることを説明しましたが、ここからはそれぞれの言葉に対する理解を深めるために、「運命」「宿命」に使われている漢字に着目しながら説明したいと思います。

「命」は神様からの命令

まずは、「運命」「宿命」の両方に使われている「命」について説明しましょう。「命」の上のパーツは「人を集める様子」を、右下の「卩」は「人がひざまずく様子」をあらわしています。その左下に「口」を添えていることから、「命」という字は神様や君主などが人々をあつめて命令をしている様子をあらわし、「命令する」「いいつける」などの意味になったと考えられているのです。

また、人にとって「生きる」ということは天から授かった定め、つまり一つの「命令」でもあるところから、「いのち」という意味でも使われるようになりました。

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「運」はめぐりあわせのこと

つぎは「運命」「運」について説明しましょう。「運」という字は「軍」と「しんにょう」から成り立ってますよね。そこから、ある説では「軍」が進んで色々な場所を「めぐって」物を運ぶ様子から「はこぶ」になったのではないかと考えられているのです。また、別の説では「軍」という字が「車で陣地を丸く取り囲む」というニュアンスを持っていることから、「運ぶ」は丸の形に移動する「まわる」ことをあらわしているのではないかというものもあります。

「運」という字はこのような成り立ちから「回す」「めぐらせる」という意味を持ち、そこから「めぐりあわせ」という意味あいも持つようになりました。ですので、「めぐりあわせ」を意味する「運」という字と、「神様からの命令」などを表す「命」からなる「運命」は、「人の意思にかかわらず、その人のもとに訪れる幸・不幸などのめぐりあわせのこと」を意味するのです。

「宿」は一時的に寝泊りすること

今度は「宿命」「宿」について説明しましょう。「宿」という字の「ウかんむり」は屋根や家を、「百」は寝るための敷物、「イ」は横たわる人をあらわし、「一時的に寝泊りすること」をあらわす「やどる」になりました。このように、「宿」「一時的に寝泊りすること」という意味を持つので、「『今の世』である『現世』の前まで生きていた世」のことを、「前世」という言葉以外に「宿世(すくせ)」という呼び方もあります。

そして、「宿命」とはもともと「しゅくみょう」と読み、仏教の言葉で「前世での命」「前世の善悪や苦楽などの状態(つまり良いことをしたか悪いことをしたか、あるいは苦しい人生だったか、楽しい人生だったかなど)」を意味する言葉だったのですが、そこからやがて、「生まれる前の世から定まっている運命」という意味で使われるようになったのです。

運命と宿命は英語では何と言う?

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ここまでは、「運命」「宿命」について日本語における意味の違いを説明してきましたが、ここではそれぞれを英語では何というかについて説明しましょう。といっても、「運命」は必ずこう、「宿命」はこう訳さなけれならないという厳格な使いわけがあるわけではなく、「運命」「宿命」「destiny」「fate」などの単語が使われます。

ただ、「destiny」と「fate」の違いとしては、「destiny」ポジティブな意味合いに使われるのに対し、「fate」自分の力では避けることのできない悪い出来事に対して使われるので、そういう意味では「destiny」は日本語の「運命」、「fate」は「宿命」のニュアンスにより近いと言えるかもしれません。

運命は人生におけるめぐりあわせで、宿命は生まれる前から決まっている!

ここまでの説明で、「運命」「人の意思にかかわらず、その人のもとに訪れる幸・不幸などのめぐりあわせのこと」で、「宿命」「生まれる前の世から決まっている人間の運命のこと」だということについて知っていただけたかと思います。今回の説明がみなさんの理解に少しでも役立てたなら幸いです。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
" /> 簡単でわかりやすい!運命と宿命の違いとは?漢字の意味や英語表現も現役塾講師がわかりやすく解説 – ページ 2 – Study-Z
雑学

簡単でわかりやすい!運命と宿命の違いとは?漢字の意味や英語表現も現役塾講師がわかりやすく解説

「運」はめぐりあわせのこと

つぎは「運命」「運」について説明しましょう。「運」という字は「軍」と「しんにょう」から成り立ってますよね。そこから、ある説では「軍」が進んで色々な場所を「めぐって」物を運ぶ様子から「はこぶ」になったのではないかと考えられているのです。また、別の説では「軍」という字が「車で陣地を丸く取り囲む」というニュアンスを持っていることから、「運ぶ」は丸の形に移動する「まわる」ことをあらわしているのではないかというものもあります。

「運」という字はこのような成り立ちから「回す」「めぐらせる」という意味を持ち、そこから「めぐりあわせ」という意味あいも持つようになりました。ですので、「めぐりあわせ」を意味する「運」という字と、「神様からの命令」などを表す「命」からなる「運命」は、「人の意思にかかわらず、その人のもとに訪れる幸・不幸などのめぐりあわせのこと」を意味するのです。

「宿」は一時的に寝泊りすること

今度は「宿命」「宿」について説明しましょう。「宿」という字の「ウかんむり」は屋根や家を、「百」は寝るための敷物、「イ」は横たわる人をあらわし、「一時的に寝泊りすること」をあらわす「やどる」になりました。このように、「宿」「一時的に寝泊りすること」という意味を持つので、「『今の世』である『現世』の前まで生きていた世」のことを、「前世」という言葉以外に「宿世(すくせ)」という呼び方もあります。

そして、「宿命」とはもともと「しゅくみょう」と読み、仏教の言葉で「前世での命」「前世の善悪や苦楽などの状態(つまり良いことをしたか悪いことをしたか、あるいは苦しい人生だったか、楽しい人生だったかなど)」を意味する言葉だったのですが、そこからやがて、「生まれる前の世から定まっている運命」という意味で使われるようになったのです。

運命と宿命は英語では何と言う?

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ここまでは、「運命」「宿命」について日本語における意味の違いを説明してきましたが、ここではそれぞれを英語では何というかについて説明しましょう。といっても、「運命」は必ずこう、「宿命」はこう訳さなけれならないという厳格な使いわけがあるわけではなく、「運命」「宿命」「destiny」「fate」などの単語が使われます。

ただ、「destiny」と「fate」の違いとしては、「destiny」ポジティブな意味合いに使われるのに対し、「fate」自分の力では避けることのできない悪い出来事に対して使われるので、そういう意味では「destiny」は日本語の「運命」、「fate」は「宿命」のニュアンスにより近いと言えるかもしれません。

運命は人生におけるめぐりあわせで、宿命は生まれる前から決まっている!

ここまでの説明で、「運命」「人の意思にかかわらず、その人のもとに訪れる幸・不幸などのめぐりあわせのこと」で、「宿命」「生まれる前の世から決まっている人間の運命のこと」だということについて知っていただけたかと思います。今回の説明がみなさんの理解に少しでも役立てたなら幸いです。

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