この記事では「画像」と「写真」の違いについてみていきます。どちらも、スマホやSNSの発達で、ネット上はもちろん日常でもよく使われる言葉ですが、それぞれなんとなくの意味は知っているつもりでも、いざその違いは何かと聞かれると答えに困るという人も少なくないでしょう。そこで今回はその違いについて、国語の講師でもある空野キノコと一緒に解説していきます。

ライター/空野きのこ

大学在学中から文学・国文法や教育について本格的に学び、現在は小中学生に勉強を教えている講師。その知識と経験を活かし、言葉の雑学を中心に分かりやすく解説していく。

画像と写真のざっくりした違いとは

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まずはじめに、「画像」「写真」のざっくりした違いについて説明しましょう。「画像」は、スマホやテレビなどの画面に映る像をはじめ、パソコンで作成された図形、絵画全般のことなどを指しますが、「写真」カメラで撮影された画像データや、それを紙などの媒体に印刷したもののことを意味します。

画像と写真の漢字を説明

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さきほど、「画像」スマホやテレビなどの画面に映る像はもちろん、絵画全般なども含むのに対し、「写真」カメラで撮影された画像データなどのことだと説明しましたが、ここからはそれぞれの言葉に対する理解を深めるために、「画像」「写真」に使われている漢字について説明していきたいと思います。

「画」は田んぼを筆で区切ること

まずはじめに「画像」「画」について説明しましょう。「画」という字は、以前は「畫」と書いていたところを簡略化したものです。そして「畫」という字の上にある「聿」は「筆」を、下の「田」と「一」は「田んぼ」と「区切る線」をあらわしていると考えられています。

そこから、「畫」「(絵に書いた)田んぼを区切ること」あるいは「田んぼを区切るように線をひくこと」から生まれた字ではないかと考えられているのです。ですので、「画」という字は筆で紙に形を描くことに関連する「絵画」や「画家」といった言葉に使われますが、一方で、「区画」のように何かを区切ることに関しても使われます。

「像」は人に似せた形のこと

つぎに「画像」「像」について説明しましょう。「像」という字は「にんべん」に「象」と書きますね。「象」といえば陸上で最も大きい動物です。そこから、「象」は動物の「象」だけではなく、「大きな形」のことも意味するようになりました。やがて、「象」には「象る(かたどる)」という読みがあるように、「物の形を写し取ったり、ある形に似せて作ること」に対しても使われるようになりました。

ですので、「にんべん」と「象」を組み合わせて作られた「像」という字はもともと「人に似せた形」のことを意味したのです。ですが、やがて「像」という字も人にかぎらず、さまざまなものに対して使われるようになりました。「画像」とは、筆で紙に形を描くことから生まれた「画」と、このような成り立ちを持つ「像」とを組み合わせた言葉なので、スマホやテレビなどの画面に映る像をはじめ、パソコンで作成された図形や絵画全般のことを指すのです。

「写」は家の中に物を移しておろすこと

今度は「写真」「写」について説明しましょう。「写」という字は、以前は「寫」と書いていたのを簡略化したものです。「寫」という字の「ウかんむり」の下にある形は「かささぎ」という鳥の一種を文字にしたものですが、この字の意味と直接的な関係はないと考えられています。

そして、「寫」はもともと「外から家の中に物を移しておろすこと」という意味で使われていました。それがやがて「写経」や「写生」などの言葉があるように、「物を見たままうつしとる」という意味で使われるようになったのです。

「真」は本当に中身があること

最後に「写真」「真」について説明します。「真」という字は、以前は「眞」と書いていたのを簡略化したものです。「眞」の上にある「ヒ」は「匙(さじ)」を、下の形は「鼎(かなえ)」という三本足の器をあらわしており、匙を使って器をいっぱいに中身をつめる様子、つまり「本当に中身のあること」を意味していると考えられています。

「写」「物を見たままうつしとる」意味でしたね。そして「真」はこのような成り立ちを持つので、「嘘いつわりのない」「本当」などの意味を持つ字です。ですから、「写真」とは「嘘いつわりのない本当の様子を写したもの」ということを意味します。ですので、ありのままの風景や様子を写しだすカメラで撮影した画像のことを「写真」と呼ぶのです。

画像と写真はそれぞれ英語で何と言う?

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ここまで「画像」「写真」について、日本語としての違いを説明してきましたが、ここではそれぞれを英語では何と言うかについて説明しましょう。まず「画像」について、英語では「image(イメージ)」「picture(ピクチャー)」などが使われます。

「写真」については「photo(フォト)」「photograph(フォトグラフ)」、あるいは「picture」も写真の意味で使われることがありますが、明確に「写真」であることを伝えたい場合には、やはり「photo」「photograph」を使った方が伝わりやすいでしょう。

\次のページで「画像はイメージ全般で、写真はカメラで撮影したもの!」を解説!/

画像……「image」「picture」など
写真……「photo」「photograph」「picture」など

画像はイメージ全般で、写真はカメラで撮影したもの!

ここまでの説明で、「画像」とはスマホやテレビなどの画面に映る像やパソコンで作成された図形などに加え、絵画といったイメージ全般のことを指すのに対し、「写真」カメラで撮影したものを指すという違いがあることや、それぞれの語源、英語ではなんと言うかなどについて知っていただけたかと思います。今回の説明がみなさんの理解に少しでも役立てたなら幸いです。

英語の勉強には洋楽の和訳サイトもおすすめです。
" /> 簡単でわかりやすい!画像と写真の違いとは?漢字の意味や英語表現も現役塾講師がわかりやすく解説 – Study-Z
雑学

簡単でわかりやすい!画像と写真の違いとは?漢字の意味や英語表現も現役塾講師がわかりやすく解説

この記事では「画像」と「写真」の違いについてみていきます。どちらも、スマホやSNSの発達で、ネット上はもちろん日常でもよく使われる言葉ですが、それぞれなんとなくの意味は知っているつもりでも、いざその違いは何かと聞かれると答えに困るという人も少なくないでしょう。そこで今回はその違いについて、国語の講師でもある空野キノコと一緒に解説していきます。

ライター/空野きのこ

大学在学中から文学・国文法や教育について本格的に学び、現在は小中学生に勉強を教えている講師。その知識と経験を活かし、言葉の雑学を中心に分かりやすく解説していく。

画像と写真のざっくりした違いとは

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まずはじめに、「画像」「写真」のざっくりした違いについて説明しましょう。「画像」は、スマホやテレビなどの画面に映る像をはじめ、パソコンで作成された図形、絵画全般のことなどを指しますが、「写真」カメラで撮影された画像データや、それを紙などの媒体に印刷したもののことを意味します。

画像と写真の漢字を説明

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さきほど、「画像」スマホやテレビなどの画面に映る像はもちろん、絵画全般なども含むのに対し、「写真」カメラで撮影された画像データなどのことだと説明しましたが、ここからはそれぞれの言葉に対する理解を深めるために、「画像」「写真」に使われている漢字について説明していきたいと思います。

「画」は田んぼを筆で区切ること

まずはじめに「画像」「画」について説明しましょう。「画」という字は、以前は「畫」と書いていたところを簡略化したものです。そして「畫」という字の上にある「聿」は「筆」を、下の「田」と「一」は「田んぼ」と「区切る線」をあらわしていると考えられています。

そこから、「畫」「(絵に書いた)田んぼを区切ること」あるいは「田んぼを区切るように線をひくこと」から生まれた字ではないかと考えられているのです。ですので、「画」という字は筆で紙に形を描くことに関連する「絵画」や「画家」といった言葉に使われますが、一方で、「区画」のように何かを区切ることに関しても使われます。

「像」は人に似せた形のこと

つぎに「画像」「像」について説明しましょう。「像」という字は「にんべん」に「象」と書きますね。「象」といえば陸上で最も大きい動物です。そこから、「象」は動物の「象」だけではなく、「大きな形」のことも意味するようになりました。やがて、「象」には「象る(かたどる)」という読みがあるように、「物の形を写し取ったり、ある形に似せて作ること」に対しても使われるようになりました。

ですので、「にんべん」と「象」を組み合わせて作られた「像」という字はもともと「人に似せた形」のことを意味したのです。ですが、やがて「像」という字も人にかぎらず、さまざまなものに対して使われるようになりました。「画像」とは、筆で紙に形を描くことから生まれた「画」と、このような成り立ちを持つ「像」とを組み合わせた言葉なので、スマホやテレビなどの画面に映る像をはじめ、パソコンで作成された図形や絵画全般のことを指すのです。

「写」は家の中に物を移しておろすこと

今度は「写真」「写」について説明しましょう。「写」という字は、以前は「寫」と書いていたのを簡略化したものです。「寫」という字の「ウかんむり」の下にある形は「かささぎ」という鳥の一種を文字にしたものですが、この字の意味と直接的な関係はないと考えられています。

そして、「寫」はもともと「外から家の中に物を移しておろすこと」という意味で使われていました。それがやがて「写経」や「写生」などの言葉があるように、「物を見たままうつしとる」という意味で使われるようになったのです。

「真」は本当に中身があること

最後に「写真」「真」について説明します。「真」という字は、以前は「眞」と書いていたのを簡略化したものです。「眞」の上にある「ヒ」は「匙(さじ)」を、下の形は「鼎(かなえ)」という三本足の器をあらわしており、匙を使って器をいっぱいに中身をつめる様子、つまり「本当に中身のあること」を意味していると考えられています。

「写」「物を見たままうつしとる」意味でしたね。そして「真」はこのような成り立ちを持つので、「嘘いつわりのない」「本当」などの意味を持つ字です。ですから、「写真」とは「嘘いつわりのない本当の様子を写したもの」ということを意味します。ですので、ありのままの風景や様子を写しだすカメラで撮影した画像のことを「写真」と呼ぶのです。

画像と写真はそれぞれ英語で何と言う?

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ここまで「画像」「写真」について、日本語としての違いを説明してきましたが、ここではそれぞれを英語では何と言うかについて説明しましょう。まず「画像」について、英語では「image(イメージ)」「picture(ピクチャー)」などが使われます。

「写真」については「photo(フォト)」「photograph(フォトグラフ)」、あるいは「picture」も写真の意味で使われることがありますが、明確に「写真」であることを伝えたい場合には、やはり「photo」「photograph」を使った方が伝わりやすいでしょう。

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