会社や組織で不祥事を起こして辞めさせられるときに「懲戒免職」や「懲戒解雇」といった言葉を耳にすることがあるよな。どちらも会社や組織で辞めさせられるという重い処分ですが、詳細な違いについて知らない人も多いでしょう。
この記事では、「懲戒免職」と「懲戒解雇」の意味や適用される事例、処分の重さ、必要な手続きについてビジネス文書作成の熟練ライター西風と一緒に解説します。この記事を読めば「懲戒免職」と「懲戒解雇」の違いがわかるようになり、「懲戒免職」「懲戒解雇」それぞれを適切に把握できるようになるので、ぜひ最後まで読んでみてくれ。

ライター/西風

企業にて10年以上にわたりビジネスパーソンとの交流や企画書・論文作成を経験。現在は後進育成にも注力。文章のわかりやすさはもちろん、言葉の意味や使い方にもこだわり、わかりやすく正確な情報をお届け。

「懲戒免職」と「懲戒解雇」の違いとは?

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会社や組織を辞めさせるという重い処分を意味する「懲戒免職」と「懲戒介護」。同じような意味を持つ言葉ですが、この2つの言葉には明確な違いがあるのです。ここでは「懲戒免職」と「懲戒解雇」の意味について詳しく解説していきます。

「懲戒免職」は公務員に対して行われる懲罰処分

「懲戒免職」とは、公務員が職務上の不正や過失を犯した場合に、その職から解任される処分を指します。公務員は国や地方自治体の公的な業務を担当しているため、その行動には高い道徳的・倫理的な責任が求められる職業です。そのため、たとえば賄賂の受け取りや公金の横領などの不正を犯した場合に「懲戒免職」の処分がくだされます。

「懲戒解雇」とは民間企業の従業員に対して行われる懲罰処分

「懲戒解雇」とは、民間企業の従業員が業務上の重大な過失や不正行為を行った場合に適用される処分です。たとえば、業務上の秘密を外部に漏洩したり、業務に関連する重大なミスを犯したりした場合や、会社のお金を横領したりした場合などに「懲戒解雇」の処分がくだされます。

「懲戒免職」と「懲戒解雇」は不正行為に対する処分

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不正行為や職務怠慢は、公務員であれ民間企業の従業員であれ、許されるものではありません。しかし、それぞれの職種に応じて、適用される処分の内容や基準が異なります。「懲戒免職」「懲戒解雇」それぞれが適用される具体的なケースを見ていきましょう。

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「懲戒免職」が適用される主な事例

公務員が「懲戒免職」となるケースは多岐にわたりますが、代表的な5つの事例を以下に紹介します。

1.賄賂の受け取り: 公務員が職務上の地位を利用して賄賂を受け取った場合。たとえば、業者からの接待や贈り物を受け取り、業者に不正な利益を提供するような行為がこれに該当

2.公金の横領:公務員が自らの利益のために、公の資金を不正に取得・使用した場合。たとえば、予算の着服や経費の水増し請求などが該当

3.業務上の秘密の漏洩:公務員が業務上知り得た秘密情報を外部に漏洩した場合。これには、個人情報の不正な取り扱いや業務上の機密情報を第三者に提供する行為などが該当

4.職務怠慢:公務員が自らの職務を適切に遂行しないことにより、公の利益を損なった場合。たとえば、重要な業務を放置して事故やトラブルが発生したケースなどがこれに該当

5.公務員としての品位を損なう行為:公務員としての品位や信用を大きく損なうような私的な行為。たとえば、犯罪行為や不適切な言動により社会的な非難を受けるようなケースが該当

これらの事例は、公務員としての職務上の義務や責任を大きく逸脱した行為として、「懲戒免職」の対象となりえます。

「懲戒解雇」が適用される主な事例

民間企業の従業員の場合で、「懲戒解雇」が適用される主な事例を以下に5つ紹介します。

1.盗難・横領:従業員が会社の資産や他の従業員の私物を盗んだり、不正に取得・使用したりした場合。たとえば、会社の商品や金銭を盗む、経費の水増し請求などがこれに該当

2.業務上の秘密の漏洩:従業員が業務上知り得た秘密情報を競合他社や外部に漏洩した場合。新製品の情報や営業戦略、顧客情報の不正な取り扱いなどが該当

3.業務の怠慢:従業員が自らの業務を適切に遂行しないことにより、会社の利益を損なった場合。重要な業務を放置して大きな損害が発生したケースなどが該当

4.暴力・ハラスメント:職場内での暴力行為やセクシャルハラスメント、パワーハラスメントなど、他の従業員に対する不適切な行為を行った場合

5.勤務中の私的行為:勤務時間中に私的な行為を繰り返し行い、業務に支障をきたした場合。たとえば、私的なショッピングやゲーム、長時間の私的な通話などが該当

これらのケースは、従業員としての職務上の義務や責任を大きく逸脱した行為として、「懲戒解雇」の対象となりえます。

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「懲戒免職」と「懲戒解雇」の処分の重さや影響

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「懲戒免職」と「懲戒解雇」の最大の違いは、適用される対象者とその基準です。公務員は公の信頼を背負っているため、その基準は非常に厳しいものとなっています。

処分の重さ

「懲戒免職」は公務員の最も重い懲罰処分であり、これにより公務員としての資格を失います。一方、「懲戒解雇」も企業の従業員としての地位を失う重大な処分です。

復職の可能性と条件

「懲戒免職」を受けた公務員が再び公務員としての地位を取り戻すことは難しいでしょう。一方、「懲戒解雇」を受けた従業員が別の企業で再就職することは、その理由や背景によりますが可能性があります。

「懲戒免職」と「懲戒解雇」に必要な手続き

「懲戒免職」と「懲戒解雇」は、どちらの処分も適切な手続きを経て行われる必要があります。不適切な手続きで処分を行うと、それが無効となる可能性があるので注意が必要です。

正当な理由と証拠の重要性

「懲戒免職」や「懲戒解雇」を行う際には、その理由と証拠が明確でなければなりません。不正行為や職務怠慢の事実が確認され、それを証明する証拠が必要です。

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労働者の権利と企業の義務

処分を受ける労働者には、その理由を知る権利や反論の機会が与えられる権利があります。一方、企業側には適切な手続きを踏む義務があるのです。企業や組織側から労働者に対して「懲戒免職」や「懲戒解雇」を一方的に行うことはできません。

対象者と基準が異なると認識しよう

「懲戒免職」と「懲戒解雇」の違いについて解説しました。「懲戒免職」は公務員が対象であり、「懲戒解雇」は民間企業の従業員などが対象になる点が主な違いです。ただし、「懲戒免職」は公務員に適用する特性上、その基準が厳しいこともの特徴のひとつでした。また、「懲戒免職」や「懲戒解雇」を行う際には適切な手続きがあり、一方的にはできません。一度「懲戒免職」や「懲戒解雇」されてしまった場合には復職も難しくなることから、「懲戒免職」や「懲戒解雇」をする側・される側双方で適切な手続きが必要でした。

同じような言葉でもそれぞれ詳細な意味は異なる…くわしく調べるほどに日本語の面白さを感じずにはいられませんね。

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3分で簡単にわかる「懲戒免職」と「懲戒解雇」の違い!意味や事例・処分の重さ・必要な手続きもビジネス文書熟練者が詳しく解説!

「懲戒免職」が適用される主な事例

公務員が「懲戒免職」となるケースは多岐にわたりますが、代表的な5つの事例を以下に紹介します。

1.賄賂の受け取り: 公務員が職務上の地位を利用して賄賂を受け取った場合。たとえば、業者からの接待や贈り物を受け取り、業者に不正な利益を提供するような行為がこれに該当

2.公金の横領:公務員が自らの利益のために、公の資金を不正に取得・使用した場合。たとえば、予算の着服や経費の水増し請求などが該当

3.業務上の秘密の漏洩:公務員が業務上知り得た秘密情報を外部に漏洩した場合。これには、個人情報の不正な取り扱いや業務上の機密情報を第三者に提供する行為などが該当

4.職務怠慢:公務員が自らの職務を適切に遂行しないことにより、公の利益を損なった場合。たとえば、重要な業務を放置して事故やトラブルが発生したケースなどがこれに該当

5.公務員としての品位を損なう行為:公務員としての品位や信用を大きく損なうような私的な行為。たとえば、犯罪行為や不適切な言動により社会的な非難を受けるようなケースが該当

これらの事例は、公務員としての職務上の義務や責任を大きく逸脱した行為として、「懲戒免職」の対象となりえます。

「懲戒解雇」が適用される主な事例

民間企業の従業員の場合で、「懲戒解雇」が適用される主な事例を以下に5つ紹介します。

1.盗難・横領:従業員が会社の資産や他の従業員の私物を盗んだり、不正に取得・使用したりした場合。たとえば、会社の商品や金銭を盗む、経費の水増し請求などがこれに該当

2.業務上の秘密の漏洩:従業員が業務上知り得た秘密情報を競合他社や外部に漏洩した場合。新製品の情報や営業戦略、顧客情報の不正な取り扱いなどが該当

3.業務の怠慢:従業員が自らの業務を適切に遂行しないことにより、会社の利益を損なった場合。重要な業務を放置して大きな損害が発生したケースなどが該当

4.暴力・ハラスメント:職場内での暴力行為やセクシャルハラスメント、パワーハラスメントなど、他の従業員に対する不適切な行為を行った場合

5.勤務中の私的行為:勤務時間中に私的な行為を繰り返し行い、業務に支障をきたした場合。たとえば、私的なショッピングやゲーム、長時間の私的な通話などが該当

これらのケースは、従業員としての職務上の義務や責任を大きく逸脱した行為として、「懲戒解雇」の対象となりえます。

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