パキッとした食感と独特の風味がクセになる野菜「セロリ」。ただスーパーやレストランなどでは「セルリー」という似た名前の野菜を見かけることも多い。ここでは「セロリ」と「セルリー」の違いについて雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

セロリとセルリーの違い

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フランス料理でよく使われる食材「セロリ」。近年では日本の家庭やレストランでも、生で食べたりサラダの具材として扱われることも増えました。しかし時々「セルリー」という言葉で同じような野菜を取り扱っている様子を見たことがある人もいるのではないでしょうか。ここではまず「セロリ」と「セルリー」の違いについて解説していきます。

実は同じ野菜

結論から言えば「セロリ」と「セルリー」は同じ野菜を指しています。発音の表記が異なっているだけです。

「セロリ(セルリー)」はセリ科の一年草または二年草で、ヨーロッパから地中海沿岸の原産。葉、茎、実の部分すべて可食部という優秀な野菜です。学名の「アピウム・グラフェレンス(Apium graveolens)」は「湿気のある土地に生え、強い匂いを放つ」という意味で、「セロリ(セルリー)」の独特な香りを表しています。

セルリーが正式名称

「セロリ(セルリー)」は英語で書くと「celery」、フランス語で書くと「céleri」であり、発音としては「セルリー」が近いです。日本の「野菜生産出荷安定法」では「セルリー」と表記しており、農業関係者もそう呼びます。また日本で最初に栽培が始まった長野県では一般消費者も含め「セルリー」と呼称するのが通例です。

その他の別名として「オランダミツバ(阿蘭陀三葉)」というものもありますが、現在はほとんど使われることがありません。

セロリ(セルリー)の特徴

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「セロリ」と「セルリー」の違いはあくまで呼称の違いでしかないことがおわかりいただけたと思います。しかしまだまだ「セロリ(セルリー)」という野菜に馴染みのない日本人も多いでしょう。ここでは「セロリ(セルリー)」の特徴として、香りと味わい、栄養素の2観点から解説していきます。

\次のページで「セロリ(セルリー)の香りと味わい」を解説!/

セロリ(セルリー)の香りと味わい

「セロリ(セルリー)」でまず印象に残るのはその強い香り。揮発性のアピオールという香り成分を含んでいるため、肉や魚の臭みを消すことができます。

また精油(植物から算出される揮発性の油)にセダノライドという成分を含んでおり、この成分が口内の味覚神経を刺激して食欲を増進させることも。シャキっとした噛み応えとほのかな甘さがあり、生のままでも火を通しても美味しい野菜です。

セロリ(セルリー)の栄養素

セロリはβ-カロテン、ビタミンB1・B2・C・E、ミネラル、食物繊維などが豊富です。特に食欲不振や胃もたれの改善、整腸作用や血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。実は茎より葉の方が栄養素が豊富に含まれているので、自宅で調理する際は葉まで使い切るようにしましょう。なんと葉には茎の2倍のβ-カロテンがあるんです。

セロリ(セルリー)のおすすめ料理

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「セロリ(セルリー)」の特徴を知ると、実際に食べてみたい、調理してみたいという気持ちになった人も多いのではないでしょうか。しかし日本国内ではまだ馴染みのある野菜ではないのも事実。ここでは「セロリ(セルリー)」のおすすめ料理について解説していきます。

1.生のままで作れる料理

手軽でおすすめなのが、「セロリ(セルリー)」をぶつ切りにしただけの簡単料理。塩だれキャベツや塩だれキュウリの要領で、塩だれを「セロリ(セルリー)」にかけるだけでも十分美味しいです。塩だれは市販のものでも、ごま油・塩・醤油・鶏がらスープの素・にんにくなどで自作しても大丈夫。

水溶き出汁・酢・油を混ぜたものに30分程度浸すだけでも簡単マリネができあがります。「セロリ(セルリー)」は肉・魚どちらも相性がいいので、出汁は魚介系でも鶏ガラ・コンソメでもOK。油もオリーブオイル・ごま油・サラダ油のどれでも結構です。

2.煮込んで作る料理

コンソメスープやミネストローネの具材として「セロリ(セルリー)」の葉や薄く切った茎を入れると、トロっとした舌触りの中にシャキっと感が残る独特の食感が味わえます。「セロリ(セルリー)」自体が香味野菜としてスープの出汁に使われる野菜なので、スープにすると味に奥行きが出るのです。

3.炒めて作る料理

きんぴらごぼうの要領で、ごま油・酒・醤油・砂糖・みりんで炒めて、最後に白ごまをまぶせば「セロリ(セルリー)」のきんぴらのできあがり。またベーコンやツナ缶など肉・魚系の食材をにんにくと「セロリ(セルリー)」で炒めれば、おかずにもおつまみにもぴったりな炒め物の完成です。

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セロリとセルリーは同じ野菜

ここまで「セロリ」と「セルリー」の違い、「セロリ(セルリー)」の特徴、「セロリ(セルリー)」のおすすめ料理について解説してきました。洋食店などでしか使われるイメージがない人も多いかもしれませんが、意外と万能な野菜であることがおわかりたいだけたのではないでしょうか。

筆者は元々「セロリ(セルリー)」が苦手でしたが、レストランでバーニャカウダとして食べた際に美味しさに気づけました。クセのある野菜ではありますが、必ず美味しく食べられる方法は見つかるはずなので、みなさんも挑戦してみてはいかがでしょうか。

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3分で簡単にわかるセロリとセルリーの違い!正式名称は何?栄養やおすすめレシピも雑学好きライターがわかりやすく解説


パキッとした食感と独特の風味がクセになる野菜「セロリ」。ただスーパーやレストランなどでは「セルリー」という似た名前の野菜を見かけることも多い。ここでは「セロリ」と「セルリー」の違いについて雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

セロリとセルリーの違い

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フランス料理でよく使われる食材「セロリ」。近年では日本の家庭やレストランでも、生で食べたりサラダの具材として扱われることも増えました。しかし時々「セルリー」という言葉で同じような野菜を取り扱っている様子を見たことがある人もいるのではないでしょうか。ここではまず「セロリ」と「セルリー」の違いについて解説していきます。

実は同じ野菜

結論から言えば「セロリ」と「セルリー」は同じ野菜を指しています。発音の表記が異なっているだけです。

「セロリ(セルリー)」はセリ科の一年草または二年草で、ヨーロッパから地中海沿岸の原産。葉、茎、実の部分すべて可食部という優秀な野菜です。学名の「アピウム・グラフェレンス(Apium graveolens)」は「湿気のある土地に生え、強い匂いを放つ」という意味で、「セロリ(セルリー)」の独特な香りを表しています。

セルリーが正式名称

「セロリ(セルリー)」は英語で書くと「celery」、フランス語で書くと「céleri」であり、発音としては「セルリー」が近いです。日本の「野菜生産出荷安定法」では「セルリー」と表記しており、農業関係者もそう呼びます。また日本で最初に栽培が始まった長野県では一般消費者も含め「セルリー」と呼称するのが通例です。

その他の別名として「オランダミツバ(阿蘭陀三葉)」というものもありますが、現在はほとんど使われることがありません。

セロリ(セルリー)の特徴

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「セロリ」と「セルリー」の違いはあくまで呼称の違いでしかないことがおわかりいただけたと思います。しかしまだまだ「セロリ(セルリー)」という野菜に馴染みのない日本人も多いでしょう。ここでは「セロリ(セルリー)」の特徴として、香りと味わい、栄養素の2観点から解説していきます。

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