税金の種類は多岐に渡っており、「いつの間にこんなにとられているのか」と驚く人も多いでしょう。そんな税金の中で、一見同じような意味に思える言葉が「消費税」と「付加価値税」です。今回は「消費税」と「付加価値税」の違いについて、FP(ファイナンシャルプランナー)経験を持つおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。FP業務に伴い税金について学んでいた。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

消費税と付加価値税の違い

image by iStockphoto

私たち日本人は「消費税」と言えばどういうものかすぐ説明できるでしょう。なぜなら買い物をしていても、外食をしていても、人によっては仕事中であっても、毎日のように使う言葉だからです。しかしながら「付加価値税」という言葉があることを知っているでしょうか。ここでは「消費税」と「付加価値税」の違いについて解説していきます。

消費税:消費という行為に税金を払う

消費税は消費という行為に対して払う税金のことです。日本は消費税を導入しており、海外向けには「JCT(Japanese Consumption Tax)」という表記で説明されています。例えば飲食店で税抜き1000円の食事をすると10%の消費税がかかり、1100円になるという考えはお馴染みでしょう。

付加価値税:生み出される価値に対して税金を払う

付加価値税とは事業にて生み出される付加価値に対して払う税金です。世界のほとんどの国で導入されています。飲食店で1つの商品を売るまでには、食材や人件費、家賃、水道光熱費などの必要経費がかかりますよね。

例えば1000円の食事のうち、700円が経費相当だとします。すると飲食店の事業として生み出された価値は300円ですね。この300円に対してかかる税金が付加価値税です。

付加価値税が二重課税になるケース

image by iStockphoto

「消費税」と「付加価値税」の違いについてはおわかりいただけたことでしょう。「付加価値税」について調べていると、「二重課税」というワードを目にすることがあります。はたして「付加価値税」は「二重課税」が発生するものなのでしょうか。ここでは「付加価値税」が「二重課税」になるケースについて解説していきます。

\次のページで「EU域内取引など商業上の区別がない国の場合」を解説!/

EU域内取引など商業上の区別がない国の場合

EU域内など、商取引が自由化されている国々の間では「二重課税」が発生する場合があります。例えば買い手がドイツ国内でフランスの売り手から商品を買ったとしましょう。買い手はドイツの税率で「付加価値税」をドイツ当局に支払い、その後に購入元のフランスでも「付加価値税」が課税されると二重課税になります。

VAT登録番号を取得することで回避できる

「VAT(Value Added Tax)」とは「付加価値税」の英訳。世界的に「付加価値税」は「VAT」と略すことが多いです。EU域内では「VAT登録番号」という制度を用いることで、買い手がどこの国で課税済なのかを確認することができます。「VAT登録番号」を取得していれば「二重課税」を回避できるといえるでしょう。

消費税と付加価値税に似た税金

image by iStockphoto

「消費税」と「付加価値税」について理解が深まったところで、世界に存在する他の税金についても学んでいきましょう。「消費税」も日本独自の税と言えますが、購入時にかかる税としては「付加価値税」と大差ありません。このように「消費税」、「付加価値税」と似た位置づけの税金について、アメリカと台湾の例をご紹介します。

アメリカ:小売売上税

アメリカには「小売売上税(Sales Tax)」という税金があります。これは小売業の売上が成立したとき、つまり消費者のみ購入時に課税される税金です。税率は州・群・市によってことなります。OECD(経済協力開発機構)加盟国の中で、唯一アメリカだけが「消費税」や「付加価値税」に類する税金がありません。

「消費税」や「付加価値税」が生産者、卸売業者、小売業者、消費者のすべてに課税されることを考えると、独特の制度だと言えるでしょう。

\次のページで「台湾:営業税」を解説!/

台湾:営業税

台湾には「営業税」という税金があります。これは「付加価値税」に相当するもので、実質的な違いはありません。ちなみに台湾のレシート「統一発票」には宝くじ番号が振られています。これはレシートを通さずに売上を計上するという不正が多いので、レシートの保存を促すための施策です。

消費税は消費という行為に、付加価値税は生み出される価値に課税

ここまで「消費税」と「付加価値税」の違い、「付加価値税」が「二重課税」になるケース、そして海外の税金としてアメリカと台湾の2例を解説してきました。私たち日本人にとっては当たり前の「消費税」ですが、世界では考え方からして違う税金があるんですね。

「消費税」や「付加価値税」は所得の高低に関わらず同じ商品に同じ税率がかかります。その意味で平等ではあるものの、所得が低い人ほど実質的な税負担が増えるというデメリットも。所得格差の広がるこの時代で、はたして「消費税」を引き上げるべきかどうかは、政治家だけでなく国民一人一人が考えるべきテーマだと言えるでしょう。

" /> 3分で簡単にわかる消費税と付加価値税の違い!二重課税とは?海外の税制も雑学好きライターがわかりやすく解説 – Study-Z
社会雑学

3分で簡単にわかる消費税と付加価値税の違い!二重課税とは?海外の税制も雑学好きライターがわかりやすく解説


税金の種類は多岐に渡っており、「いつの間にこんなにとられているのか」と驚く人も多いでしょう。そんな税金の中で、一見同じような意味に思える言葉が「消費税」と「付加価値税」です。今回は「消費税」と「付加価値税」の違いについて、FP(ファイナンシャルプランナー)経験を持つおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。FP業務に伴い税金について学んでいた。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

消費税と付加価値税の違い

image by iStockphoto

私たち日本人は「消費税」と言えばどういうものかすぐ説明できるでしょう。なぜなら買い物をしていても、外食をしていても、人によっては仕事中であっても、毎日のように使う言葉だからです。しかしながら「付加価値税」という言葉があることを知っているでしょうか。ここでは「消費税」と「付加価値税」の違いについて解説していきます。

消費税:消費という行為に税金を払う

消費税は消費という行為に対して払う税金のことです。日本は消費税を導入しており、海外向けには「JCT(Japanese Consumption Tax)」という表記で説明されています。例えば飲食店で税抜き1000円の食事をすると10%の消費税がかかり、1100円になるという考えはお馴染みでしょう。

付加価値税:生み出される価値に対して税金を払う

付加価値税とは事業にて生み出される付加価値に対して払う税金です。世界のほとんどの国で導入されています。飲食店で1つの商品を売るまでには、食材や人件費、家賃、水道光熱費などの必要経費がかかりますよね。

例えば1000円の食事のうち、700円が経費相当だとします。すると飲食店の事業として生み出された価値は300円ですね。この300円に対してかかる税金が付加価値税です。

付加価値税が二重課税になるケース

image by iStockphoto

「消費税」と「付加価値税」の違いについてはおわかりいただけたことでしょう。「付加価値税」について調べていると、「二重課税」というワードを目にすることがあります。はたして「付加価値税」は「二重課税」が発生するものなのでしょうか。ここでは「付加価値税」が「二重課税」になるケースについて解説していきます。

\次のページで「EU域内取引など商業上の区別がない国の場合」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: