化学理科

3分で簡単にわかる!バリウムとはどんな元素?健康診断でおなじみの元素を周期表マニアの科学館職員が詳しく解説

今回は健康診断でおなじみの「バリウム」がテーマです。

バリウムは元素番号56の金属元素です。バリウムと聞いて思い浮かぶのが健康診断、健診でしょう。健診では胃カメラや内視鏡によって体内が調べられる。そしてX線検査ではバリウム(硫酸バリウム)を飲む必要がある。それはなぜか?今回はバリウムの性質や使い道について学ぶ。解説は周期表マニアな科学館職員のたかはしふみかです。

ライター/たかはし ふみか

高校は化学部、大学は工学部化学系卒の元素や周期表が好きな科学館職員。健康診断では採血が苦手。精密検査がないか健診結果に毎回ドキドキしている。

そもそもバリウムって何?

Barium unter Argon Schutzgas Atmosphäre.jpg
Matthias Zepper – yes, パブリック・ドメイン, リンクによる

今回のテーマはバリウム。名前は知っているけれどどんな元素か知らない人も多いでしょう。そこで、バリウムがどのような元素なのかから解説していきます。

周期表から見るバリウム

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バリウムがどのような元素なのか周期表から見てみましょう。バリウムは周期表を見ると元素番号56の金属元素で、アルカリ土類金属に分類されます。アルカリ土類金属と言えば、ストロンチウム(Sr)やラジウム(Ra)がありますね。バリウムの語源はギリシャ語の「重い(barys)」。これはバリウムの密度が3.51g/cm3とアルカリ土類金属にしてはバリウムが重いからです。ただし、金属としては軽い方であるため、軽金属に分類されています。

アルカリ土類金属についてはこちらの記事を読んでくださいね。

バリウムの見た目や性質

バリウムは銀白色の柔らかい金属です。空気中では酸化されやすく、徐々に酸化されて白色の酸化被膜に覆われてしまいます。炎色反応は緑色を示す、というのもバリウムのポイントです。

バリウムは重晶石という鉱物に含まれて存在しています。重晶石は地殻に豊富に含まれていて、最も生産が多いのは中国。生産量の半数以上は中国のもので、その後にインド、モロッコ、アメリカと続きます。バリウムは酸化されやすく単体はすぐに酸化してしまうため、金属のバリウムはこの重晶石から抽出するのです。

バリウムの歴史

1774年、軟マンガン鉱に新しい元素が含まれていることが発見されました。そして1776年に酸化バリウムの分離に、1808年にバリウムの単離が成功します。バリウムの単離に成功したハンフリー・デービー。デービーはナトリウムやカリウムなどの元素を発見したイギリスの化学者です。

バリウムの用途

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健康診断でおなじみながら実は毒性のあるバリウム。健診で飲む硫酸性バリウムは水に溶けづらいため影響がないものの、可溶性のバリウム化合物は有毒です。バリウムが体内に入ると不整脈や筋力低下、呼吸困難、麻痺などを引き起こします。そのため、炭酸バリウム( BaCO3 )は殺鼠剤として用いられているのです。

先ほどバリウムの炎色反応が緑、と解説しましたね。そのため硝酸バリウム (Ba(NO3 )2)は花火で緑の色を発色するために使われます。一方、クロム酸バリウム(BaCrO4は黄色の顔料として用いられているのです。

\次のページで「炎色反応、これだけは覚えて!」を解説!/

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