簡単でわかりやすい!樹氷と霧氷の違いは?特徴や発生条件・有名な観光地も雑学好きライターが詳しく解説
樹氷と霧氷の形の違いは?
ここまでで、樹氷と霧氷の違いを解説しました。次に、双方の形の違いを見ていきましょう。霧氷は花のような形になって、まるで樹木に白い花が咲いたように見えます。そこへ吹雪などが加わって、霧氷の上にさらに氷の層が重なっていくと「樹氷」となるでしょう。
樹氷は氷と雪が何層にも重なってできるので、樹木に何層もの氷がまとわりついた様は、巨大な不定形の「モンスター」のように感じられるでしょう。
樹氷:白く覆われる
樹氷は羽毛状や海老の尻尾状になることが多く、枝や葉の形を残したまま白く覆われます。意外ともろく、手で触ると簡単に崩れてしまうでしょう。特に蔵王では樹氷が高さ10メートル以上にもなることもあり、風上側に向かって伸びた樹氷が重なり合って怪物のような形を作るのです。
樹氷は雪や風の中に増えた水分が枝や葉にぶつかり、凍ることで着氷し、さらに着氷した氷の隙間に吹雪などが入り込みます。そこへさらに雪がくっつき、風上に向かって成長して……といったステップを繰り返す中で、形状も決まっていくことになるでしょう。
霧氷:花びらや葉っぱの形など
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霧氷の形状は、水分量や気泡の含有率によって異なります。水分量が多くて気泡を多く含むと、白色で脆い樹氷になりますし、反対だと半透明で硬い粗氷となるでしょう。
また、霧氷は粒同士が融合して大きな氷の塊を形成することもあります。この場合、塊の中心部は空洞になっていることが多く、花びらや葉っぱのような形に見えることも珍しくありません。さらに、風の影響で樹木の一方向だけに付着すれば違った形状となり、霧氷はさまざまな形に変化することが分かるでしょう。
霧氷の形状を科学的・数学的に解析する研究も行われており、例えば、霧氷の成長過程を微分方程式や数値シミュレーションでモデル化するなどの研究などがあります。
樹氷と霧氷ができる条件は?
ここまでで、樹氷と霧氷の特徴や色、そして硬さの違いを解説しました。次に、樹氷と霧氷ができる条件の違いを見ていきましょう。
樹氷は、マイナス5度以下の低温の状況で、雪や霧が木に付着して凍ることでできます。そのため、高山や北国など寒冷な地域で多く見られるでしょう。一方、霧氷はマイナス2~10度の温度差がある場所で水滴が木に付着して凍ることでできるため、夜間や早朝など、日中よりも気温が下がる季節などに見られます。
樹氷:マイナス5度以下の気温
樹氷ができる条件は、気温がマイナス5度以下で、風が強く湿度が高い場所です。そうして付着した氷の結晶は白色不透明で、山形県や青森県ではアオモリトドマツという針葉樹がいわば樹氷の「本体」となります。厳しい冷え込みと毎秒10メートルを超す強い西風が続くと、アオモリトドマツの森は一気に樹氷の森となるのです。
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