この記事では避難指示と避難勧告の違いについてみていきます。どちらも台風や地震などの警戒レベル4という甚大な災害が発生した時に見られる言葉です。これら2つの語は避難がすぐに必要であるか、避難を勧めるのかタイミングや緊急性で少し異なる部分があり、違いがわかりにくいでしょう。
今回は災害に関する言葉の違いについて、河口と海岸の近くに住むライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

台風や洪水、地震が起こった場合の被害が心配で、情報を見てしまう文学部卒ライター。

避難指示と避難勧告のざっくりした違い

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避難は災害などがあった時に、その場から離れて身の安全を確保することです。指示は避難をするように指図すること。一方で勧告は避難をするように勧めることという内容にとれますね。指示のほうが強制的に感じられるため、「避難指示」のほうがより緊急性が高いという印象を受けるでしょう。

実は2つの言葉は、災害が起こったときの警戒レベル4で使われる言葉です。どのような違いがあるのでしょうか。

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警戒レベル4:避難勧告と避難指示

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災害の警戒レベル4は、最も緊急度が高い警戒レベル5から数えて2番目重大な被害が予想されます。台風や洪水、土砂災害などがあった場合に見聞きしている方もいるでしょう。現在、避難勧告と避難指示は避難指示に一本化されています。

災害の影響でテレビやラジオの視聴ができない場合、災害の情報を得るのは難しいですね。停電に備えてスマートフォン用の予備のモバイルバッテリーを用意する方もいるとのこと。災害情報を知らせる自治体や公共放送のアプリなどを入れたり、SNSで地域の自治体のフォローをしたりしておくのもおすすめです。

1.避難勧告・避難指示:2021年5月以前

2021年5月以前では、警戒レベル4は災害情報の中で最も高いランクでした。「避難勧告」はレベル4と判定された場合に対象の地区にいる人に対して、避難を勧めることをいいます。さらにひどい状況になった場合に、強制的に命令するニュアンスを含む「避難指示」が出されました。つまり、同じ警戒レベルであっても、「避難指示」のほうが緊急性が高いことになりますね。

しかし、避難をしなくても罰則規定はありません警戒レベル4であってもあまり実感がなく、地域の公民館や学校などの避難所が開設されても、避難をしようとする方は少なかったといわれています。

2.避難指示に一本化:2021年5月以降

大規模な地震、洪水、土砂崩れなど自然災害の増加につれ、人的被害も大きくなり問題視されるようになりました。そのため、2021年5月に「災害対策基本法」の法改正がされ、警戒レベルの見直しをしました。

警戒レベルは5段階。同時に警戒レベル4で使われる用語を「避難指示」に一本化し、軽めで混同されやすい避難勧告は廃止されました。この場合の避難は、「発表されたと同時に、警戒レベル4に該当する地域にいる人が全員避難する」とされ、命令する意味がより強いです。

具体的な避難方法には、地域で指定された避難場所や安全な地域に住む知人や親族の家に移ること、自宅内や高層マンションで2階などの上の場所に行く垂直避難、出先の高層階に留まる屋内安全確保などがあります。

その他の避難に関する表現

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避難に関する表現は、警戒レベル3と5についてみられます。両者について詳しくみていきましょう。

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警戒レベル3:高齢者等避難

警戒レベル4の前段階のレベル3では、「高齢者等避難」とされています。災害の発生が予想される場合、避難に時間がかかってしまう方がいますね。それらの方に早めの避難をすすめるため出される指示です。対象となるのは高齢者体が不自由な方妊婦乳幼児など。また、高齢者や障害者施設のスタッフなども含まれます。

場合によっては、不要な外出を控えて避難の準備をしておくことも大切です。河川に近い場所、水に浸かりやすい低い土地、崖などに面して土砂崩れが起こりそうな場所にいるのであれば、すでに避難を始めた方が良いとされています。

警戒レベル5:緊急安全確保

警戒レベル5は災害の危険度は最大級。「緊急安全確保」は事態は非常に切迫していて、すでに災害が発生している状況も予想される状態で、とにかく急いで身の安全を確保しなさいということ。

命の危機に瀕しているので、安全に逃げるのは非常に難しいです。水害であれば、海や河川など水が迫ってくる場所から必死で遠ざかる、なるべく上の階に退避するなどできる限りのことをして危険を避けるようにする必要があります。

災害の「警戒レベル4」で使用した言葉

「避難勧告」も「避難指示」も災害の警戒レベル4で使われる言葉。避難勧告は避難をすすめることです。それより事態が深刻になった後に発表されるのが、命令する意味も含む避難指示で、より強い表現となっていますね。ただ、2つの言葉は紛らわしいので、2021年5月以降から避難指示に一本化され、現在に至っています。

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雑学

簡単でわかりやすい避難指示と避難勧告の違い!警戒レベル3~5の違いも文学部卒ライターが詳しく解説

この記事では避難指示と避難勧告の違いについてみていきます。どちらも台風や地震などの警戒レベル4という甚大な災害が発生した時に見られる言葉です。これら2つの語は避難がすぐに必要であるか、避難を勧めるのかタイミングや緊急性で少し異なる部分があり、違いがわかりにくいでしょう。
今回は災害に関する言葉の違いについて、河口と海岸の近くに住むライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

台風や洪水、地震が起こった場合の被害が心配で、情報を見てしまう文学部卒ライター。

避難指示と避難勧告のざっくりした違い

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避難は災害などがあった時に、その場から離れて身の安全を確保することです。指示は避難をするように指図すること。一方で勧告は避難をするように勧めることという内容にとれますね。指示のほうが強制的に感じられるため、「避難指示」のほうがより緊急性が高いという印象を受けるでしょう。

実は2つの言葉は、災害が起こったときの警戒レベル4で使われる言葉です。どのような違いがあるのでしょうか。

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