簡単でわかりやすい!贔屓と依怙贔屓の違いとは?読み方や使い方も現役塾講師がわかりやすく解説
贔屓と依怙贔屓の漢字を説明
さきほど、「贔屓」は「自分が気に入っている人や物を特に可愛がったりすること」を意味するのに対し、「依怙贔屓」は「自分が気に入っている人や物を不公平なまでに特別可愛がったりすること」を意味するという違いがあることを説明しましたね。ここからは両者の言葉の意味について理解を深めるために、それぞれに使われている漢字に着目しながら説明したいと思います。
贔屓の「貝」はお金をあらわす
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まずは「贔屓」に使われている漢字について説明しましょう。「贔」という字は「貝」三つで構成されていますね。古代中国ではきれいで希少な「貝」がお金の代わりとして使われていたので、「金貨」の「貨」や「財宝」の「財」など、「貝」はお金や宝物に関わる字のパーツとして使われることの多い字です。「贔」の「貝」もそれぞれそのようなお宝を指し、お宝三つという「たいへん重いものを背負う」ことをあらわしています。
また、「屓」という字に関しては、もともと「尸(かばね)」の下に「贔」を書いて「財宝を多く抱え込む」ことをあらわす字だったのですが、その財宝を守るためなのか、やがて「鼻息をあらくして力をいれる」という意味に変化したものです。このような意味を持つ「贔」と「屓」という字ですので、「贔屓」は「特定の人に対して力をいれて応援したり、支えたりする」意味で使われます。
「依怙」は仏教が語源
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今度は「依怙」について説明しましょう。「依」という字は、「依存」や「依頼」といった言葉にも使われるように、「よりかかる」ことや「たよる」ことを意味します。一方の「怙」という字は、「りっしんべん」に「古」という字から成り立っていますね。「古」という字は「祖先の頭蓋骨」をあらわし、祖先に祈る様子から生まれたとされる漢字です。
「りっしんべん」は「心」をあらわす部首ですので、「怙」は「心」で「祖先に祈る」ことから「たよりにする」という意味になったのでしょう。このような「依」と「怙」からなる「依怙」はもともと「仏さまが頼ってくる人に目をかけて助けること」を意味する仏教用語でした。それが「贔屓」と結びつき、「自分が気に入っているものを不公平なまでに可愛がったりすること」を意味する「依怙贔屓」になったと考えられています。
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