簡単でわかりやすい!外用薬と内服薬の違いとは?読み方や使い方も現役塾講師がわかりやすく解説
「外用」は皮膚など体の外側に使うこと
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つぎに、「外用薬」の「外用」について説明しましょう。まず、「外」という字の左側は「月」を、右側は「占い」をあらわし、もともとは月の欠け方を見て占うことを意味したと考えられています。それがやがて、「欠けた月の残った部分」は月の「外」側の部分だということで「そと」という意味に使われるようになりました。
そして、「用」という字は「用いる」で「もちいる」と読む字で、「もちいる」は「つかう」と同じような意味として使う言葉です。ですから、「外」と「用」を組み合わせた「外用」という言葉は、皮膚や粘膜など、体の外側にぬったり貼ったりして使う薬のことを意味します。
「内服」は薬を飲んで体の内に入れること
今度は「内服薬」の「内服」について説明しましょう。「内」という字の「冂」は「家」を、少し小さい「入」は「入る」ことを意味します。ですので「家」の中に「入」るというところから、「家などの中」を意味する「内」という字が作られました。そして、「服」というと、みなさんはまず着るものをイメージするかと思いますが、たとえば薬を飲むことを意味する「服用」などという言葉を聞いたことはありませんか?
実は古代中国では、病気の原因は邪気であると考え、薬草などを「服」のように体にまとうことで防ぐことを「外服(がいふく)」と言いました。そして、それに対して「薬を飲み、体内で邪気を防ぐこと」を意味する「内服」と言う言葉が作られたのです。そして、そこから「服」という字は着るものだけでなく、お茶を飲んだりすることを「一服する」と言うように、体内に取り込むことに対しても使われるようになりました。
意外だけれど実は外用に分類される薬
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さきほど、「外用薬」は、皮膚や粘膜など、体の外側にぬったり貼ったりして使う薬だと説明しましたが、外用薬には思えないけれども、実は外用薬に分類される薬があります。
例えば、「坐薬(ざやく)」、ぜんそくなどに使う「吸入薬」などは体内に入れているイメージがありますが、これらは「内服薬」のように「胃や腸」などではなく、あくまで「粘膜」から成分が吸収されているので「外用薬」に分類されるのです。
外用薬は体の外、内服薬は体の中で効く!
ここまでの説明で、「外用薬」が「皮膚や粘膜など、体の外側にぬったり貼ったりして使う薬」で、「内服薬」は「薬を飲むことで、体内の胃や腸などで吸収されることで効果を発揮する薬」だということや、一見違うように思えても実は外用薬に分類されるものがあることなどを知っていただけたかと思います。今回の説明がみなさんの理解にすこしでも役立てたなら幸いです。