この記事では「外用薬」と「内服薬」の違いについてみていきます。どちらも病院でお医者さんから処方される薬などに対して使うことのある言葉ですが、その意味の違いはもちろん、実は漢字の読み方もわからないという人もいるでしょう。そこで今回は、それぞれの読みや違いについて、国語の講師でもある空野キノコと一緒に解説していきます。

ライター/空野きのこ

大学在学中から文学・国文法や教育について本格的に学び、現在は小中学生に勉強を教えている講師。その知識と経験を活かし、言葉の雑学を中心に分かりやすく解説していく。

外用薬と内服薬はなんと読む?

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まずは、「外用薬」「内服薬」のそれぞれの読み方について説明しましょう。どちらも漢字を全て「音読み」で読む言葉です。「外」という字には、「外国(がいこく)」などのときの「ガイ」という読みと、「外科(げか)」などの「ゲ」という音読みがありますが、「外用薬」「がいようやく」と読みます。

「内」に関しては、「内容(ないよう)」などの「ナイ」と、「内裏(だいり)」などの「だい」という読みなどがありますが、「内服薬」「ないふくやく」です。

外用薬と内服薬のざっくりした違いとは

今度は、「外用薬」「内服薬」のざっくりした違いについて説明しましょう。「外用薬」とは、「皮膚や粘膜など、体の外側にぬったり貼ったりして使う薬」のことで、「内服薬」「薬を飲むことで、体内の胃や腸などで吸収されることで効果を発揮する薬」のことを指します。つまり使う方法効き方に違いがあるのです。

外用薬と内服薬を漢字の意味から説明

さきほど、「外用薬」皮膚などにぬったり貼ったりして使う薬で、「内服薬」口から飲む薬であることを説明しましたが、ここからは言葉に対する理解を深めるために、使われている漢字や「外用」「内服」などの言葉に着目しながら説明していきたいと思います。

「薬」は草で体をいやすのに使う

まずはじめに、「外用薬」「内服薬」の両方に使われている「薬」という自について説明しましょう。「薬」の下の「楽」という字には、「木の棒に鈴をつけた楽器」を元に作られたものであるという説があります。そして、昔の人は病気になると「シャーマン」という霊的な力を持った人にお祓いをしてもらうことで、その病気が治ると考えていました。そのお祓いに使ったのが「鈴のついた棒」なのです。

そのことが由来となって、今日ではまず使わない漢字ですが「やまいだれ」「楽」と書いて「いやす」という意味の字が作られました。さらに、そのような儀式ではなく「くすり」を飲むという治療法に対して、くすりの材料が草であることから「くさかんむり」に、「いやす」という字にも使われた「楽」を組み合わせることで、「薬」という字が作られたのではないかと考えられています。

\次のページで「「外用」は皮膚など体の外側に使うこと」を解説!/

「外用」は皮膚など体の外側に使うこと

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つぎに、「外用薬」「外用」について説明しましょう。まず、「外」という字の左側は「月」を、右側は「占い」をあらわし、もともとは月の欠け方を見て占うことを意味したと考えられています。それがやがて、「欠けた月の残った部分」は月の「外」側の部分だということで「そと」という意味に使われるようになりました。

そして、「用」という字は「用いる」で「もちいる」と読む字で、「もちいる」は「つかう」と同じような意味として使う言葉です。ですから、「外」「用」を組み合わせた「外用」という言葉は、皮膚や粘膜など、体の外側にぬったり貼ったりして使う薬のことを意味します。

「内服」は薬を飲んで体の内に入れること

今度は「内服薬」の「内服」について説明しましょう。「内」という字の「冂」は「家」を、少し小さい「入」は「入る」ことを意味します。ですので「家」の中に「入」るというところから、「家などの中」を意味する「内」という字が作られました。そして、「服」というと、みなさんはまず着るものをイメージするかと思いますが、たとえば薬を飲むことを意味する「服用」などという言葉を聞いたことはありませんか?

実は古代中国では、病気の原因は邪気であると考え、薬草などを「服」のように体にまとうことで防ぐことを「外服(がいふく)」と言いました。そして、それに対して「薬を飲み、体内で邪気を防ぐこと」を意味する「内服」と言う言葉が作られたのです。そして、そこから「服」という字は着るものだけでなく、お茶を飲んだりすることを「一服する」と言うように、体内に取り込むことに対しても使われるようになりました。

意外だけれど実は外用に分類される薬

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さきほど、「外用薬」は、皮膚や粘膜など、体の外側にぬったり貼ったりして使う薬だと説明しましたが、外用薬には思えないけれども、実は外用薬に分類される薬があります。

例えば、「坐薬(ざやく)」、ぜんそくなどに使う「吸入薬」などは体内に入れているイメージがありますが、これらは「内服薬」のように「胃や腸」などではなく、あくまで「粘膜」から成分が吸収されているので「外用薬」に分類されるのです。

外用薬は体の外、内服薬は体の中で効く!

ここまでの説明で、「外用薬」「皮膚や粘膜など、体の外側にぬったり貼ったりして使う薬」で、「内服薬」「薬を飲むことで、体内の胃や腸などで吸収されることで効果を発揮する薬」だということや、一見違うように思えても実は外用薬に分類されるものがあることなどを知っていただけたかと思います。今回の説明がみなさんの理解にすこしでも役立てたなら幸いです。

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雑学

簡単でわかりやすい!外用薬と内服薬の違いとは?読み方や使い方も現役塾講師がわかりやすく解説

「外用」は皮膚など体の外側に使うこと

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つぎに、「外用薬」「外用」について説明しましょう。まず、「外」という字の左側は「月」を、右側は「占い」をあらわし、もともとは月の欠け方を見て占うことを意味したと考えられています。それがやがて、「欠けた月の残った部分」は月の「外」側の部分だということで「そと」という意味に使われるようになりました。

そして、「用」という字は「用いる」で「もちいる」と読む字で、「もちいる」は「つかう」と同じような意味として使う言葉です。ですから、「外」「用」を組み合わせた「外用」という言葉は、皮膚や粘膜など、体の外側にぬったり貼ったりして使う薬のことを意味します。

「内服」は薬を飲んで体の内に入れること

今度は「内服薬」の「内服」について説明しましょう。「内」という字の「冂」は「家」を、少し小さい「入」は「入る」ことを意味します。ですので「家」の中に「入」るというところから、「家などの中」を意味する「内」という字が作られました。そして、「服」というと、みなさんはまず着るものをイメージするかと思いますが、たとえば薬を飲むことを意味する「服用」などという言葉を聞いたことはありませんか?

実は古代中国では、病気の原因は邪気であると考え、薬草などを「服」のように体にまとうことで防ぐことを「外服(がいふく)」と言いました。そして、それに対して「薬を飲み、体内で邪気を防ぐこと」を意味する「内服」と言う言葉が作られたのです。そして、そこから「服」という字は着るものだけでなく、お茶を飲んだりすることを「一服する」と言うように、体内に取り込むことに対しても使われるようになりました。

意外だけれど実は外用に分類される薬

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さきほど、「外用薬」は、皮膚や粘膜など、体の外側にぬったり貼ったりして使う薬だと説明しましたが、外用薬には思えないけれども、実は外用薬に分類される薬があります。

例えば、「坐薬(ざやく)」、ぜんそくなどに使う「吸入薬」などは体内に入れているイメージがありますが、これらは「内服薬」のように「胃や腸」などではなく、あくまで「粘膜」から成分が吸収されているので「外用薬」に分類されるのです。

外用薬は体の外、内服薬は体の中で効く!

ここまでの説明で、「外用薬」「皮膚や粘膜など、体の外側にぬったり貼ったりして使う薬」で、「内服薬」「薬を飲むことで、体内の胃や腸などで吸収されることで効果を発揮する薬」だということや、一見違うように思えても実は外用薬に分類されるものがあることなどを知っていただけたかと思います。今回の説明がみなさんの理解にすこしでも役立てたなら幸いです。

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