色々な製品にシリアル番号というものがあるよな。個々の製品を区別するための番号です。スマホにはこれに加えてIMEIというものがついている。これも一種のシリアル番号ですが、通常のシリアル番号とは少し意味が違うぞ。どちらも製品を区別するための番号で1つしかないが、その範囲が違う。そのIMEIとシリアル番号の違いを、PHS時代から携帯電話を使っているプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさん。

IMEIもシリアル番号も製品を区別するための番号

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多くの製品にはシリアル番号というものが付いています。これはある製品の中でも特定のものを区別するための番号です。そのため、同じ製品には同じ番号は使いません。これによって数多くつくられる製品の中の特定の1台がわかるようになっています。

そのシリアル番号と似ていますが目的が違うのがIMEI。これも番号が重複しないという点はシリアル番号と同じです。ただ、IMEIは同じメーカーの同じ製品だけでなく、全世界の通信機器の中で重複しない番号。なぜそんなものが必要なのか、どのように使うのかを説明します。

IMEI:すべての通信機器を区別する番号

IMEIとは「International Mobile Equipment Identity」の頭文字をとったもの。日本語にすると国際モバイル機器識別番号となります。その名の通り、1台1台の携帯電話につけてある番号です。iPhoneでは設定画面から一般の情報で下にスクロールすると表示されます。Androidではメーカーや機種によって違いますが、同じく設定画面の「端末について」や「デバイスについて」で確認可能。

もう少し簡単に調べたい場合、ダイヤル画面から「*#06#」とタッチすると情報が出てきます。表示される内容はものによって違いますが、多くの場合IMEIという項目が表示されるはず。この番号はすべてのスマホなどで違う番号になります。

シリアル番号:ある製品を区別する番号

一方、シリアル番号とは厳密には一連の重複しない番号一般のこと。その中でも、製造時に個別につけられた番号を製造番号、あるいはシリアル番号と呼ぶことが多いです。場合によっては製造番号とシリアル番号が別についていることもあります。IMEIも重複しない一連の番号という意味ではシリアル番号の一種です。

このようにシリアル番号はその製品を作るメーカーが独自に決めるもの。多くの場合製品ごとに付けるので、違う製品であれば同じ番号がつくこともあります。IMEIは世界的にこういう形式にしなさいということが決められたものどのメーカーのどの製品でも重複しないようになっている点が違います。

番号を付けるのはなぜ?IMEIとシリアル番号の違い

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IMEIを含むシリアル番号は、一般的には利用者にはあまり関係がない番号です。これらは主に携帯電話会社や製造メーカーなどが製品を管理するためのもの。まずはIMEIやシリアル番号が何のためにあるのかを説明します。

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そもそもはメーカーのため?番号を付ける理由

製造番号やシリアル番号は、メーカーが製品を管理するために付けるものです。例えば、食品に異物が混入したので回収しているというニュースを聞いたことがありませんか。店や購入者から情報が来ると、まずはこれらの番号を元に調査することが多いです。これはシリアル番号からどこの工場のどの設備でいつつくったのかをメーカーでは管理していることが多いため。

その結果原因が分かると、影響があるのがいつどの工場のどの設備でつくったものなのかが分かります。それが分かれば、今度はシリアル番号を元に、問題のある製品を回収することが可能。購入者もどの製品に問題があって、どれがないのか分かるとうれしいですよね。そのためにシリアル番号を使っているのです。他にもいろいろな用途に使われるシリアル番号。メーカーが製品を管理するために欠かせない番号なのです。

シリアル番号は製品ごとにメーカーが決める

シリアル番号はメーカーごとのものなので、それを決めるのもメーカーです。そのため、どう付けるかはメーカーしだい。多くの場合は製品ごとに連続した番号を付けますが、記号を使うことも。単なる番号ではなく、どの工場のどの設備でつくったかや、製造時期が分かるように工夫していることもあります。

メーカーごとに決めるので、製品が違えば同じ番号が付くことも。また、違うメーカーの製品ならば同じ番号になることもあります。つまり、シリアル番号だけではあるメーカーのある製品のなかのどれか1台を特定できますが、同じ会社や別の会社の他の製品との区別はできないわけです。

IMEIはすべての通信機器に、国際的に決めている

一方、IMEIはすべてのスマホの中の特定の1台を区別するための番号。なぜそのような番号が必要で、何に使うかは後で説明します。今はそういう番号が必要だということだけ覚えておいてください。

スマホにも通常はシリアル番号や製造番号が付いています。ただ、これは先に説明した通り、メーカーが個別に決めるものです。例えば、携帯電話会社が特定の番号を指定するにしても、メーカーは自分たちで管理するための番号が必要。そのため、メーカーの番号とは別に用意したのがIMEIです。IMEIにはメーカーや機種を示す情報も含まれています。そのため、IMEIを見ればどこのメーカーのどの機種のどの1台かが分かるようになっているのです。

分かると何が便利?IMEIとシリアル番号

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シリアル番号やIMEIは特定のスマホを区別する番号だということを説明しました。では、利用者にとってこれらの番号にはどのような意味があるのでしょう。ここでは主にIMEIの番号が利用者にとってどのような意味があるかを説明します。

シリアル番号が分かっても特に意味はない

利用者にとっては、シリアル番号やIMEIの番号そのものには意味はありません。例えば、1番や最終番号、切りのいい番号などであればちょっとうれしいという程度。万が一、製品に不良品が混ざっていて回収される場合にはシリアル番号を確認する必要があります。しかし、問題なければあまり番号そのものを気にすることはありません

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中古製品を買う場合はIMEIに要注意

最近はスマホを中古で買うケースも増えてきています。そのような場合、IMEIを確認した方がよい場合も。なぜならIMEIはあるスマホを特定できる番号だからです。

例えば、盗難されたスマホや、詐欺などに使用されたスマホなど、そのスマホのIMEIが分かる場合があります。それを元に犯人を特定することもあるわけです。中古業者から購入する場合は業者の方で確認済みであることが多く、その結果を掲載していることがあります。しかし、フリマなどではそのような確認をしていない場合も。そのような方法で入手したスマホを使うと、そのIMEI番号が携帯電話会社から警察などに連絡され、事情を訊かれることもあるかもしれません。

ネットワーク利用制限確認サイトとは

では、そのような問題のあるIMEIを確認するにはどのようにすればよいのでしょう。利用している携帯電話会社で異なりますが、各社でネットワーク利用制限確認というサービスがあります

これらのサービスを使うと、そのスマホが利用制限中か、場合によっては利用制限される可能性があるか、それとも問題がないかが分かります。例えばスマホを購入する場合、その時点ではスマホ代を払わず、月々の利用料と併せて分割払いすることがありますよね。そのようなスマホを残りの代金を払わずに回線契約を解除し、中古業者に売った場合などが該当します。このような端末を購入しても、携帯電話会社の方で利用できなくしているのです。それでは買った意味がないですよね。フリマ等で出所がよく分からないスマホは買わないか、買う場合はこれらのサービスで確認が必要です。

番号自体に意味はなく、基本は携帯電話会社やメーカーのためのもの

シリアル番号やIMEIはメーカーや携帯電話会社が使うためのものです。そのため利用者が番号を気にする必要はありません。キリが良い番号などであればちょっとうれしいくらいです。

しかし注意すべきこともあります。1つは不良品が出た場合。スマホではあまり聞きませんが、不良品の回収や修理が必要なこともあります。その場合、シリアル番号が重要です。また、最近は中古スマホを買うことも増えています。そのような場合、IMEIの確認が必要なことも。問題のあるスマホを買いたくはないですよね。信頼できる中古業者は事前にIMEIを確認しています。その情報を元に怪しいスマホの購入は避けるべきです。

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IT・プログラミング雑学

簡単でわかりやすいIMEIとシリアル番号の違い!番号を付けるのはなぜ?プログラマーがわかりやすく解説

色々な製品にシリアル番号というものがあるよな。個々の製品を区別するための番号です。スマホにはこれに加えてIMEIというものがついている。これも一種のシリアル番号ですが、通常のシリアル番号とは少し意味が違うぞ。どちらも製品を区別するための番号で1つしかないが、その範囲が違う。そのIMEIとシリアル番号の違いを、PHS時代から携帯電話を使っているプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさん。

IMEIもシリアル番号も製品を区別するための番号

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多くの製品にはシリアル番号というものが付いています。これはある製品の中でも特定のものを区別するための番号です。そのため、同じ製品には同じ番号は使いません。これによって数多くつくられる製品の中の特定の1台がわかるようになっています。

そのシリアル番号と似ていますが目的が違うのがIMEI。これも番号が重複しないという点はシリアル番号と同じです。ただ、IMEIは同じメーカーの同じ製品だけでなく、全世界の通信機器の中で重複しない番号。なぜそんなものが必要なのか、どのように使うのかを説明します。

IMEI:すべての通信機器を区別する番号

IMEIとは「International Mobile Equipment Identity」の頭文字をとったもの。日本語にすると国際モバイル機器識別番号となります。その名の通り、1台1台の携帯電話につけてある番号です。iPhoneでは設定画面から一般の情報で下にスクロールすると表示されます。Androidではメーカーや機種によって違いますが、同じく設定画面の「端末について」や「デバイスについて」で確認可能。

もう少し簡単に調べたい場合、ダイヤル画面から「*#06#」とタッチすると情報が出てきます。表示される内容はものによって違いますが、多くの場合IMEIという項目が表示されるはず。この番号はすべてのスマホなどで違う番号になります。

シリアル番号:ある製品を区別する番号

一方、シリアル番号とは厳密には一連の重複しない番号一般のこと。その中でも、製造時に個別につけられた番号を製造番号、あるいはシリアル番号と呼ぶことが多いです。場合によっては製造番号とシリアル番号が別についていることもあります。IMEIも重複しない一連の番号という意味ではシリアル番号の一種です。

このようにシリアル番号はその製品を作るメーカーが独自に決めるもの。多くの場合製品ごとに付けるので、違う製品であれば同じ番号がつくこともあります。IMEIは世界的にこういう形式にしなさいということが決められたものどのメーカーのどの製品でも重複しないようになっている点が違います。

番号を付けるのはなぜ?IMEIとシリアル番号の違い

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IMEIを含むシリアル番号は、一般的には利用者にはあまり関係がない番号です。これらは主に携帯電話会社や製造メーカーなどが製品を管理するためのもの。まずはIMEIやシリアル番号が何のためにあるのかを説明します。

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