遺伝に関わる研究は日々進んでおり、詳しくない人でもテレビや新聞・SNSなどのメディアでニュースを見聞きすることも多いはずです。そんな遺伝関連のニュースで頻繁に使われるのが「DNA」と「ゲノム」。「DNA解析」だとか「ゲノム解析」だとか言われても、両者の違いが分からないとさっぱりですね。
今回は「DNA」と「ゲノム」の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

DNAとゲノムの違い

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ニュースや研究論文などで見かける言葉「DNA」と「ゲノム」。これらいわゆる遺伝子にまつわる単語ですが、理系の、それも生物学を専攻していた人でなければ細かな違いはわからないのではないでしょうか。ここではまず「DNA」と「ゲノム」の違いについて解説していきます。

DNAは物質

「DNA」とはデオキシリボ核酸と呼ばれる物質です。「DNA」は4種類の塩基によって構成されています。塩基とは塩の基、具体的には酸と反応して塩を与える物質のこと。「DNA」はアデニン、グアニン、シトシン、チミンの4つの塩基からできており、この塩基の並び順のことを塩基配列と呼びます。

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ゲノムは遺伝情報

「ゲノム」とは遺伝情報のことです。「DNA」が塩基から成る物質であったのに対して、「ゲノム」は「DNA」の塩基配列を読み取った結果と言えます。生物の体を構成するのはタンパク質ですが、塩基配列によってタンパク質生成の仕方が変わってくるのです。要するに「ゲノム」は生物の体の設計図だと言えるんですね。

関連する言葉

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「DNA」と「ゲノム」がどういうものか、そして両者の関係性についてもおわかりいただけたでしょう。しかし遺伝に関わる言葉としては他にも聞き馴染みのあるものが多いと思います。ここでは代表的な関連用語として、「遺伝子」と「染色体」についても見ていきましょう。

遺伝子:タンパク質の設計図

先ほど「ゲノム」とは遺伝情報であると説明しましたね。そんな「ゲノム」よりも「遺伝子」は狭義の遺伝情報であると言えます。具体的には生物のタンパク質の設計図です。もっと言えばタンパク質そのものを構成するアミノ酸の設計図に該当します。「ゲノム」が遺伝情報全体のことを指すのに対して、「遺伝子」はタンパク質に関する遺伝情報と言えますね。

染色体:DNAの構造体

「DNA」は紐状の長い分子、いわゆる二重らせん構造で構成されています。この「DNA」がヒストンというタンパク質とともに小さく折りたたまれた棒状の構造体こそが「染色体(クロモソーム)」。染色体は遺伝情報の発現と伝達を行うための物質です。細胞の中に存在しており、顕微鏡で見ることができます。

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遺伝のメカニズム

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ここまでの説明で「DNA」を「染色体」が伝達し、その中の「ゲノム」及び「遺伝子」が生物の体を設計しているという点については理解できたと思います。ではこの遺伝という事象は、どういったメカニズムで行われているのでしょうか。具体的な例として、親子の身体的特徴が似るという現象について見ていきます。

親子が似るのは遺伝子の働きによる

顔などの姿形を作っているのはタンパク質なので設計しているのは「遺伝子」ですし、運動能力に直結する筋肉もタンパク質なので「遺伝子」が設計しています。いわゆる「親子が似る」という状態は「遺伝子」の働きによるものです。

優性遺伝子と劣性遺伝子は生物としての優劣ではない

「遺伝子」には「優性遺伝子」と「劣性遺伝子」が存在していますが、これは生物としての優劣、すなわち優れた能力・劣った能力という意味ではありません。「優性」の遺伝情報のほうが「劣性」の遺伝情報より発現しやすいという意味です。

例えば「二重まぶた」と「一重まぶた」であれば前者が「優性遺伝子」であり後者が「劣性遺伝子」。よって両者から生まれた子はおおむね「二重まぶた」になります。

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DNAは物質、ゲノムは遺伝情報

ここまで「DNA」と「ゲノム」、関連する言葉である「遺伝子」と「染色体」、そして遺伝のメカニズムについて解説してきました。似ているようで違った意味を持つ言葉がさまざまにあることがおわかりいただけたと思います。

私たちの両親は父親と母親ですが、その父親と母親、すなわち祖父や祖母はそれぞ2人ずつの合計4人ですね。曽祖父と曾祖母にさかのぼれば2の3乗で合計8人。こうして多種多様な遺伝情報が引き継がれているおかげで生物としての多様性を保つことができ、環境の変化にも生き残りやすい性質が受け継がれていくのです。

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3分で簡単にわかるDNAとゲノムの違い!遺伝子・染色体・遺伝のメカニズムも雑学好きライターがわかりやすく解説


遺伝に関わる研究は日々進んでおり、詳しくない人でもテレビや新聞・SNSなどのメディアでニュースを見聞きすることも多いはずです。そんな遺伝関連のニュースで頻繁に使われるのが「DNA」と「ゲノム」。「DNA解析」だとか「ゲノム解析」だとか言われても、両者の違いが分からないとさっぱりですね。
今回は「DNA」と「ゲノム」の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

DNAとゲノムの違い

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ニュースや研究論文などで見かける言葉「DNA」と「ゲノム」。これらいわゆる遺伝子にまつわる単語ですが、理系の、それも生物学を専攻していた人でなければ細かな違いはわからないのではないでしょうか。ここではまず「DNA」と「ゲノム」の違いについて解説していきます。

DNAは物質

「DNA」とはデオキシリボ核酸と呼ばれる物質です。「DNA」は4種類の塩基によって構成されています。塩基とは塩の基、具体的には酸と反応して塩を与える物質のこと。「DNA」はアデニン、グアニン、シトシン、チミンの4つの塩基からできており、この塩基の並び順のことを塩基配列と呼びます。

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