病院やクリニックなどの医療機関にはさまざまな職種の人が勤務しているな。イメージしやすいのは医師、看護師、医療技師なんかでしょう。そんな医療関係者の中でも、医療関係の事務作業を行う人たちがいる。「医療事務」や「メディカルクラーク」と呼ばれる人たちですが、この2つの違いを説明できる人は少ないでしょう。
今回は「医療事務」と「メディカルクラーク」の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

医療事務とメディカルクラークに関する用語

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医療機関の仕事内容は多岐に渡りますが、その中でも事務的な業務を行うのが「医療事務」や「メディカルクラーク」です。これらの違いを解説する前に、前提として関連する用語を知っておく必要があります。ここではまず、「そもそもクラークとは何か」「メディカルクラークとはどういう意味か」について見ていきましょう。

そもそもクラークとは何か

元々「クラーク(clerk)」とは英語で「事務員」や「職員」、「吏員(りいん:公共団体職員)」を意味する言葉。ですが日本においては特に秘書業務やアシスタント業務を行う人を指すことが多いです。具体的には医師や上司のお世話やメール・電話の対応、来客の接遇、スケジュール管理、書類作成などのサポート業務が挙げられます。

メディカルクラークとはどういう意味か

「クラーク」の意味を踏まえると、「メディカルクラーク」とは直訳で「医療事務員」という意味になります。ここでお気づきかもしれませんが、言葉の意味だけで言えば「医療事務」とほぼ変わらないんですね。なので日本では「メディカルクラーク」と「医療事務」を、言葉の意味ではなく役割で使い分けていると言えます。

医療事務とメディカルクラークの違い

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「医療事務」と「メディカルクラーク」が言葉としてはほぼ同じ意味であることはおわかりいただけたと思います。では日本において、それぞれどのような役割の言葉として使われているのでしょうか。ここでは本記事のメインテーマである「医療事務」と「メディカルクラーク」の違いについて解説していきます。

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医療事務:医師・看護師・医療技師をサポート

「医療事務」とは特定の人を指すというよりは、医療関係の事務作業そのものを指す言葉です。具体的な作業としては医療機関の受付や会計、カルテの管理、診療報酬請求明細書(レセプト)などの書類作成などが挙げられます。「医療事務」の目的は医師・看護師・医療技師といった、いわゆる現場で働く人たちをサポートすることです。

メディカルクラーク:資格の一つ

「メディカルクラーク」とは「医療事務技能審査試験」という試験及び試験合格資格の通称です。「医療事務」の業務だけでなく、来客や患者の接遇、院内コミュニケーションスキルなどを総合的に評価する試験を行っています。「国家資格」ではない「民間資格」ではあるものの、「厚生労働省」から認定されている「国家認定資格」の一つです。

メディカルクラーク以外の資格

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医療機関によって異なるものの、「医療事務」には求められる資格があります。また持っていると有利な資格もあるんです。ここでは「メディカルクラーク」以外の代表的な「医療事務」関係資格について解説していきます。「医療事務」の仕事を検討している人は参考にしてみてください。

\次のページで「ドクターズクラーク:医療文書作成ができる」を解説!/

ドクターズクラーク:医療文書作成ができる

「ドクターズクラーク」は「医師事務作業補助技能認定試験」という試験およびその合格資格で、「メディカルクラーク」と同じ一般財団法人日本医療教育財団が主催しています。この資格は診療録・各種診断書・証明書・処方せんといった、いわゆる医療文書作成が可能な証明です。「医療事務」の上位資格と言えるでしょう。

メディカルフロントコンシェルジュ:接遇スペシャリスト

「メディカルフロントコンシェルジュ」は、「医療事務」の中でも接遇に特化した資格です。この資格もまた「メディカルクラーク」と同じ団体が主催しています。取得するには資格試験だけでなく、指定認定機関が定めるカリキュラムに従った教育訓練を修了しなければなりません。

医療事務は業務内容、メディカルクラークは資格

ここまで前提知識として「医療事務」と「メディカルクラーク」に関する用語、そして「医療事務」と「メディカルクラーク」の違い、最後に「メディカルクラーク」以外の関連資格について解説してきました。「医療事務」は総合的な業務内容を指すので、実際にはさまざまな業務があるんですね。

未経験からでも「医療事務」を目指すことはできます。しかし「メディカルクラーク」の資格保持者は多いため、採用試験の倍率も高いのが現状です。そのため「ドクターズクラーク」や「メディカルフロントコンシェルジュ」など複数の資格を取得し、多くのスキルがある人材だと評価されるのが採用の近道と言えるでしょう。

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資格・専門雑学

3分で簡単にわかる医療事務とメディカルクラークの違い!必要な資格や試験も雑学好きライターがわかりやすく解説


病院やクリニックなどの医療機関にはさまざまな職種の人が勤務しているな。イメージしやすいのは医師、看護師、医療技師なんかでしょう。そんな医療関係者の中でも、医療関係の事務作業を行う人たちがいる。「医療事務」や「メディカルクラーク」と呼ばれる人たちですが、この2つの違いを説明できる人は少ないでしょう。
今回は「医療事務」と「メディカルクラーク」の違いについて、雑学好きライターのおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

医療事務とメディカルクラークに関する用語

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医療機関の仕事内容は多岐に渡りますが、その中でも事務的な業務を行うのが「医療事務」や「メディカルクラーク」です。これらの違いを解説する前に、前提として関連する用語を知っておく必要があります。ここではまず、「そもそもクラークとは何か」「メディカルクラークとはどういう意味か」について見ていきましょう。

そもそもクラークとは何か

元々「クラーク(clerk)」とは英語で「事務員」や「職員」、「吏員(りいん:公共団体職員)」を意味する言葉。ですが日本においては特に秘書業務やアシスタント業務を行う人を指すことが多いです。具体的には医師や上司のお世話やメール・電話の対応、来客の接遇、スケジュール管理、書類作成などのサポート業務が挙げられます。

メディカルクラークとはどういう意味か

「クラーク」の意味を踏まえると、「メディカルクラーク」とは直訳で「医療事務員」という意味になります。ここでお気づきかもしれませんが、言葉の意味だけで言えば「医療事務」とほぼ変わらないんですね。なので日本では「メディカルクラーク」と「医療事務」を、言葉の意味ではなく役割で使い分けていると言えます。

医療事務とメディカルクラークの違い

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「医療事務」と「メディカルクラーク」が言葉としてはほぼ同じ意味であることはおわかりいただけたと思います。では日本において、それぞれどのような役割の言葉として使われているのでしょうか。ここでは本記事のメインテーマである「医療事務」と「メディカルクラーク」の違いについて解説していきます。

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