有価証券の中で最もメジャーと言えるでしょう株式。そんな株式投資のやり方には「先物取引」と「オプション取引」というものがある。特に初心者はこの両者の違いを知らない人も多いはずです。
今回は「先物取引」と「オプション取引」の違いについて、FP経験のあるライターおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

先物取引とは

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「先物取引」とは将来においてあらかじめ決めた価格で取引ができるものです。実は日本から始まった取引形態と言われています。江戸時代にお米の取引を安定させるために導入されました。

天候や災害によりお米の収穫量が予測しづらかった時代に、先に決めた価格で取引を可能にすることで、安定的な取引を実現することができたのです。導入の目的には、米騒動などに代表される米問屋の横暴をけん制する目的もありました。

価格を推測することで利益を得る

通常の取引である「現物取引」では価格が上昇した場合しか利益を得ることができませんが、「先物取引」では価格が将来的に上がっても下がっても利益を得ることができます。

例えば価格が上がりそうなものを「先物取引」で購入しておくと、実際に価格が上がった時に一般価格との差が利益です。また価格が下がりそうなものを「先物取引」で売っておくと、実際に価格が下がった際に一般価格より高い価格で売れることができ、この価格差が利益になります。

証拠金が買う時も売る時も必要

証拠金とはあらかじめ預け入れしておく資金のことです。将来的な購入や販売を約束する「先物取引」では、事前に証拠金を用意しておく必要があります。つまり価格が変動しそうなものを、今買える・売れる価格で取引してしまう=今支払いが発生するイメージです。

オプション取引とは

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「オプション取引」とは、買う権利と売る権利を売買することで利益を得る取引形態です。あらかじめ決められた期日までに事前に決めた価格で売買する権利(これをオプションと呼ぶ)を取引します。買う権利はコールオプション、売る権利はプットオプションが正式名称です。それぞれ買う人もいれば売る人もいます。

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利益と損失はプレミアムか無限大か

「オプション取引」では利益がプレミアムに限定されるか、無限大に増大するか分かれます。プレミアムとはオプションの価格差のこと。買い手はオプションを安く買って高く売れば、その差額がプレミアムであり利益。しかし売り手の損失は株式の上下に連動して無限大に大きくなるリスクがあります。

証拠金は売る時のみ必要

「オプション取引」のメリットとして、買い手は証拠金が不要ということがあります。「先物取引」ではないので、将来の購入を約束するための証拠金が不要なのです。しかし売り手は責任を負っている立場なので証拠金が必要となります。

先物取引とオプション取引の違い

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「先物取引」と「オプション取引」がそれぞれどういった取引なのかはおわかりいただけたと思います。これまでの解説を踏まえ、あらためて「先物取引」と「オプション取引」の違いについて整理してみましょう。それぞれまったく異なった取引形態であることが理解できるはずです。

1.売買する対象の違い

「先物取引」は原資産(商品や株式、債券などさまざまな商品)を取引対象としています。これに対して「オプション取引」は売買する権利、すなわちコールオプションまたはプットオプションを取引対象としているので、売買する対象が違うと言えるんですね。

2.証拠金が必要か

「先物取引」は将来に取引するための資金をあらかじめ用意しておく必要があるため、売買のどちらにおいても証拠金が必要です。これに対して「オプション取引」は買い手は証拠金不要ですが、権利をあらかじめ購入しておく必要がある売り手は証拠金が必要となります。

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3.利益や損失はどこまで膨らむか

「先物取引」は証拠金以上の損失は発生せず、取引価格と一般価格との差がそのまま利益となります。これに対して「オプション取引」では買い手・売り手という立場と、コールオプションかプットオプションかという取引対象によって、利益や損失がプレミアムに限定されたり無限大になるリスクがあるのです。

先物取引は原資産、オプション取引は権利

ここまで「先物取引」とは何か、「オプション取引」とは何か、そして「先物取引」と「オプション取引」の違いについて解説してきました。記事を読む前より、両者に対する理解が深まったのではないでしょうか。

これらの取引は原資産の中でもとりわけ株式などの金融商品で使われることが多いです。初心者の方は万が一損失が出ても購入価格以上に膨らまない「先物取引」または買い手としての「オプション取引」から始めることをおすすめします。

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3分で簡単にわかる先物取引とオプション取引の違い!リスクは?初心者におすすめな取引も雑学好きライターがわかりやすく解説


有価証券の中で最もメジャーと言えるでしょう株式。そんな株式投資のやり方には「先物取引」と「オプション取引」というものがある。特に初心者はこの両者の違いを知らない人も多いはずです。
今回は「先物取引」と「オプション取引」の違いについて、FP経験のあるライターおおつけと一緒に解説していきます。

ライター/おおつけ

現役システムエンジニア兼ライター。前職は貿易商社の営業マン。知らない言葉は徹底的に調べるクセがあり、独自の単語帳を作っている。日々たくわえた広い知識を、わかりやすく紹介していく。

先物取引とは

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「先物取引」とは将来においてあらかじめ決めた価格で取引ができるものです。実は日本から始まった取引形態と言われています。江戸時代にお米の取引を安定させるために導入されました。

天候や災害によりお米の収穫量が予測しづらかった時代に、先に決めた価格で取引を可能にすることで、安定的な取引を実現することができたのです。導入の目的には、米騒動などに代表される米問屋の横暴をけん制する目的もありました。

価格を推測することで利益を得る

通常の取引である「現物取引」では価格が上昇した場合しか利益を得ることができませんが、「先物取引」では価格が将来的に上がっても下がっても利益を得ることができます。

例えば価格が上がりそうなものを「先物取引」で購入しておくと、実際に価格が上がった時に一般価格との差が利益です。また価格が下がりそうなものを「先物取引」で売っておくと、実際に価格が下がった際に一般価格より高い価格で売れることができ、この価格差が利益になります。

証拠金が買う時も売る時も必要

証拠金とはあらかじめ預け入れしておく資金のことです。将来的な購入や販売を約束する「先物取引」では、事前に証拠金を用意しておく必要があります。つまり価格が変動しそうなものを、今買える・売れる価格で取引してしまう=今支払いが発生するイメージです。

オプション取引とは

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「オプション取引」とは、買う権利と売る権利を売買することで利益を得る取引形態です。あらかじめ決められた期日までに事前に決めた価格で売買する権利(これをオプションと呼ぶ)を取引します。買う権利はコールオプション、売る権利はプットオプションが正式名称です。それぞれ買う人もいれば売る人もいます。

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