今やネットは欠かせないが、そのネットに欠かせないのが、HTMLとCSS、そしてJavaScriptです。そのJavaScriptですが、実は特定のブラウザだけで動くものだった。そのため、JavaScriptと似たものもあった。それがJScriptです。JavaScriptとJScriptの関係や、その背景となったブラウザ戦争、そして標準化とアップーデートまでプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさん。

同じ?違う?他人だがよく似たJavaScriptとJScript

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日ごろ使っているWebサービスをつくるのに必要な技術は様々。ですが、最終的にはHTML、CSS、JavaScriptの3つが必要になります。

そのJavaScriptですが、昔はJScriptというものもありました。ざっくり言えばつくっている会社の違いで、中身はほぼ同じ。あんこ入りの円形のお菓子が地域によって今川焼、回転焼、大判焼と違う呼び方をされるようなものです。そのJavaScriptとJScriptの違いや、なぜJScriptが使われなくなったのかなどを説明します。

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JavaScript:Netscapeのブラウザに搭載されていた

普段どんなブラウザを使っていますか。iPhoneならsafari、AndroidならChromeを使っている人が多いかも。でも、他にも多くのブラウザがありますよね。ただ、1990年代後半は大きく2つに分かれて勢力争いをしていました

そのひとつがNetscape(ネットスケープ、略してネスケ)。このNetscapeのブラウザに搭載されて、他のブラウザでも広く使われるようになったのがJavaScriptです。つまり、JavaScriptはNetscapeというブラウザの独自機能になります。

JScript:Microsoftのブラウザに搭載されていた

Netscapeと競い合っていたもう一つの会社がMicrosoftです。Microsoftのブラウザと言えば今ではEdgeが有名ですよね。その当時はInetnet Explorer(インターネットエクスプローラー、略してIE)というものでした。

NetscapeのJavaScriptは大変便利だったので、他のブラウザでも似たようなものが採用されます。MicrosoftのIEでは、それを「JScript」と呼びました。それぞれ独自の部分はありましたが、そのままどちらでも動くようになっていました。そのため、中身は違うものの利用者からみればほぼ同じものと考えることが可能です。

ブラウザに必須?JavaScriptとJavaの関係

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現在のWebサイトは複雑な動きをするものも多いですよね。そのようなWebサイトをつくるのに欠かせないのがJavaScriptです。今はほとんどのブラウザで動くようになっていますが、最初はNetscapeという会社のブラウザに搭載された独自機能でした。まずは、このJavaScriptの歴史とJScriptが登場する背景となったブラウザ戦争について説明します。

元々はLiveScriptという名前?JavaScriptの誕生

WebことWorld Wide Web(WWW)が生まれたのは1990年頃。当然、Webブラウザが登場したのも同じ頃です。その頃のブラウザにはJavaScriptもJScrptもありません。これらが登場したのは1995年のNetscape社のブラウザが最初です。

それまでのWebでは用意されたテキストやイメージを表示するだけでした。しかし、JavaScriptの登場で複雑なWebサイトをつくることができるように。ただ、開発中の名前はLiveScriptJavaScriptではありませんでした

関係ないのに名前を借りた?Javaとの関係

では、JavaScriptという名前はどこから出てきたのでしょうか。実は、同じ頃に話題になっていたプログラミング言語Javaから取ったのです。Javaはそれまでのプログラミング言語と違う部分が大きく、画期的なものでした。そこにあやかって、Javaという名前をもらってきてJavaScriptとしたのです。もちろん、JavaをつくったSun Microsystems社に許可は得ています。当時、Microsoftに対抗するためにSunとNetscapeは手を組んでいたのです。

JavaとJavaScriptは全く違う技術。ですが、Microsoftに対抗するためにブランドイメージを強く打ち出したかったわけです。その結果、今でも全く違うJavaとJavaScriptを混同するケースがよくあります。

Netscape対Microsoft!ブラウザ戦争とは

世界中のパソコンで採用されたWindowsで大きな力を持っていたMicrosoft。そのMicrosoftには多くのライバルがいました。ブラウザ分野でのライバルはNetscapeNetscapeとMicrosoftのIEは激しいシェア争いを繰り広げます。これが「ブラウザ戦争」です。2つのブラウザはそれぞれ自分だけの独自機能をつくり、自分のブラウザの方が使いやすいと主張しました。

困ったのはそのブラウザで動くWebサイトを作る側それぞれのブラウザに合わせるための手間が大きくなりすぎたのです。最終的にはNetscapeは会社ごとなくなってしまいます。その後もブラウザはいくつもありますが、標準を決めました。JavaScriptとJScriptも標準化されまとめられることに。その結果、どのブラウザでも同じように動くようになっています。

標準化されて活躍の場を広げるJavaScript

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ブラウザ戦争はブラウザの進化を促したものの、多くの問題も生みました。例えばブラウザごとに動きが違う部分があり、Webサイトをつくるのが大変でした。その反省から標準機能を決めその範囲で競争する時代になります。これはブラウザだけでなく、そこで動くJavaScriptも同じ。ここではJavaScriptの活躍する場所や標準化について説明します。

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戦争終結から標準化へ!ECMAScriptの登場

競争のために各社が独自に機能拡張をした反省から標準が重要な時代になります。それはJavaScriptとJScriptも同じ。幸い、JavaScriptとJScriptはほとんど同じでしたが、今後、同様な問題を起こさないためにも標準を決める必要が出てきます。その標準がECMAScript(エクマスクリプト)です。

Ecmaは国際的な標準化団体のひとつ。JavaScript以外にもプログラミング言語の標準を管理しています。JavaScriptはもともとNetscapeという会社がつくったものですが、今はEcmaで標準を管理ブラウザがいくつかあるように、JavaScriptもいくつかの製品があります。しかし、ECMAScriptという標準に則っているため、どの製品でも同じように動くのです。

ブラウザからサーバー?Node.jsの登場

JavaScriptはブラウザで動くと説明してきましたよね。実はこれは少し誤りがあります。Webサービスなどではブラウザとやりとりする「サーバー」というコンピューターが必要です。

サーバーではJavaScriptの名前の元となったJavaなどのプログラミング言語が使われています。しかし、サーバーでもJavaScriptが使えると便利。そのため、サーバーで動くJavaScriptというものも登場します。そのひとつで有名なのが「Node.js(ノード・ジェイエス)」です。jsはJavaScriptのこと。Node.jsの登場で、JavaScriptの活躍の場はブラウザだけでなく、サーバにも広がったのです。

毎年アップデート?進化し続けるJavaScript

標準が決まったのでJavaScriptの進化は止まったのでしょうか。実は毎年進化し続けていますJavaScriptの標準を決めているのがECMAScriptです。ECMAScriptは毎年標準を決めているため、例えば2022年版のECMAScript、2023年版のECMAScriptというものがあります。それを「ECMAScript 2022(ES2022)」と表すのです。

どの製品でも同じように動くと説明しましたが、少し注意も必要。毎年アップデートしているので、製品によっては最新の標準を反映する時期がずれることも。そのため、使う製品がどの年の標準に対応しているかは注意が必要です。ただ、JavaScriptは過去のプログラムの動作が変わってしまうような変更はしない方針。あまりに古い標準を使うのは問題ですが、最新版を必ず使わないといけないこともありません。

JavaScriptもJScriptも同じ、進化し続けるECMAScript

JavaScriptもJScriptもどちらもほぼ同じつくった会社が違うために名前が違い、中身も違います。が、どちらも同じように使うことができるようになっています。ただ、JavaScriptをつくった会社はなくなり、JavaScriptという名前が残りました。

現在はJavaScriptの標準規格をECMAScriptとして管理しています。世の中にJavaScriptの製品はいくつもありますが、すべてECMAScriptが元。そのためどれでも同じように動きます。そのECMAScriptは毎年進化を続けています。

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IT・プログラミング雑学

簡単でわかりやすい!JavaScriptとJScriptの違いとは?JavaやECMAScriptとの違いもプログラマーがわかりやすく解説

今やネットは欠かせないが、そのネットに欠かせないのが、HTMLとCSS、そしてJavaScriptです。そのJavaScriptですが、実は特定のブラウザだけで動くものだった。そのため、JavaScriptと似たものもあった。それがJScriptです。JavaScriptとJScriptの関係や、その背景となったブラウザ戦争、そして標準化とアップーデートまでプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさん。

同じ?違う?他人だがよく似たJavaScriptとJScript

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日ごろ使っているWebサービスをつくるのに必要な技術は様々。ですが、最終的にはHTML、CSS、JavaScriptの3つが必要になります。

そのJavaScriptですが、昔はJScriptというものもありました。ざっくり言えばつくっている会社の違いで、中身はほぼ同じ。あんこ入りの円形のお菓子が地域によって今川焼、回転焼、大判焼と違う呼び方をされるようなものです。そのJavaScriptとJScriptの違いや、なぜJScriptが使われなくなったのかなどを説明します。

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