3分で簡単にわかる「労務費」と「人件費」の違い!計算方法や管理・最適化の方法もビジネス文書熟練者がわかりやすく解説!
この記事では、「労務費」と「人件費」が表す内容の違いや「労務費」と「人件費」の計算方法、さらに管理や最適化の方法について詳しく解説していきます。この記事を読めば「労務費」と「人件費」の違いがわかるようになり、「労務費」「人件費」それぞれを適切に把握できるようになるので、ぜひ最後まで読んでみてくれ。
ライター/西風
企業にて10年以上にわたりビジネスパーソンとの交流や企画書・論文作成を経験。現在は後進育成にも注力。文章のわかりやすさはもちろん、言葉の意味や使い方にもこだわり、わかりやすく正確な情報をお届け。
「労務費」と「人件費」の違いとは?
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従業員に関する費用を表す「労務費」と「人件費」。ここでは「労務費」「人件費」の意味と、それぞれの明確な違いについて解説します。それでは詳しく見ていきましょう。
「労務費」は製品の製造に直接関わる人的資源の費用
「労務費」を辞書で調べると、以下のように記載されています。
製造原価のうち、労働力を消費することによって発生する原価。従業員に支払う給与・法定福利費・教育訓練費などの合計。
引用:デジタル大辞泉
「労務費」は製造原価のうち、労働力を消費することによって発生する原価を表します。具体的に表すと、製品を生産するために必要な労働力の原価、つまり製造に携わる従業員の賃金や給与が「労務費」です。
なお、「労務費」は「直接労務費」と「間接労務費」の2つに分類されます。「直接労務費」とは、直接的に製品を生産した従業員が製品の生産に直接関わる作業を行なった際に発生する賃金のことです。「間接労務費」とは間接労務費は製品の製造に間接的に関わって発生する費用で、「労務費」のうち、「直接労務費」以外の費用を指します。
「労務費」は製品の原価計算に直接影響を与えるため、「労務費」の管理は製品の利益率を決定する要素です。
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「人件費」は企業が従業員に支払う給与や賞与などの費用
「人件費」を辞書で調べると、以下のように記載されています。
人の労働に対して支払われる費用。給料・手当など。
引用:デジタル大辞泉
辞書に記載のあるとおり、「人件費」とは企業が従業員に対して支払う給与や賞与、手当などの費用のことです。「人件費」には正社員だけでなく、パートタイムや契約社員など、企業が雇用するすべての人々に対する給与や福利厚生費などが含まれます。「人件費」は企業の経費の中でも大きな割合を占め、その管理は企業の利益を大きく左右する要素です。
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「労務費」と「人件費」の違いは対象となる範囲
「労務費」と「人件費」の主な違いは、その対象となる費用の範囲です。「労務費」は製品の製造に直接関わる人的資源の費用に限定されます。一方で、「人件費」は企業全体の人的資源に関わる費用です。つまり、「労務費」は「人件費」の一部分を指す特定の費用項目といえます。
「労務費」と「人件費」の計算方法
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ここまで「労務費」と「人件費」の意味やそれぞれの違いについて解説してきました。ここでは、「労務費」「人件費」それぞれがどのように算出されるかについて解説します。
「労務費」の計算方法
「労務費」は「直接労務費」と「間接労務費」の合算で算出します。「直接労務費」は直接製造に関わる従業員の賃金を直接作業時間で割って算出した賃率に、製品製造にかかる時間をかけて算出するため、計算式は以下のとおりです。
賃率=直接製造に関与する従業員の賃金 / 製品製造の直接作業時間
「直接労務費」=賃率 × 製品製造にかかる総時間
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