最近、「サギが大量発生!」「小学校のプールをサギが占拠!」などとネガティブなニュースで「サギ」という鳥の名前を聞くことが多いかもしれない。その「サギ」の中でも代表的で少し似ているのが「アオサギ」と「ゴイサギ」です。

たしかにパッと見は似ているかもしれないが、よーく見てみると見た目だけでもだいぶ違いがあるぞ。

今回はそんな「アオサギ」と「ゴイサギ」の違いを、幼いころから鳥に親しんできた日本語教師、"むかいひろき"と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で働く日本語教師。実家の近くに干潟があり、子どものころから水鳥に親しみ、学校でも水鳥について学びながら育ってきた。その経験と学びを活かして、「アオサギ」と「ゴイサギ」の違いを解説していく。

「アオサギ」と「ゴイサギ」ってどんな鳥?

image by iStockphoto

「アオサギ」も「ゴイサギ」も、日本だけでなく世界中に分布し、よく見ることができる珍しくない生物です。ただ、その違いが少しややこしい…という意見があるのも事実ですね。まずは、「アオサギ」と「ゴイサギ」がどんな鳥なのか、その特徴を見ていきましょう。

「アオサギ」:日本のサギの中で最も大きい!

アオサギ
Dick Mudde - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, リンクによる

「アオサギ」はペリカン目サギ科の鳥類で、全長が約84センチ~102センチほどの大型のサギです。実はこの大きさは、日本に分布するサギの中では最も大きいものだそうですね。養殖魚を食い荒らす害鳥の側面もありますが、人間は苦手です。

長いくちばし、長い首、長い脚が特徴で、青灰色の羽を持っています。また、後頭部にある青黒色の長い冠羽(飾り羽)も見た目の大きな特徴と言えるでしょう。

日本では北海道と沖縄以外の地域では一年中その姿を見ることができる「留鳥」であり、北海道では夏の時期に繁殖のためにやってくる「夏鳥」として、九州・沖縄では冬に寒さを逃れるためにやってくる「冬鳥」として分布しています。世界ではアジア・ヨーロッパをはじめ、アフリカなどに広く分布していますね。

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「ゴイサギ」:夜行性の小さなサギ!

ゴイサギ
SimChuck01 - 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, リンクによる

「ゴイサギ」はペリカン目サギ科の鳥類で、全長が約58~65センチと比較的小さめの大きさのサギです。養殖魚や池の魚や両生類を食べ尽くすといった害鳥の側面もあり、動物園のペンギンコーナーでペンギンに混じって餌を食べていることも…。

身体は下の方は白い羽毛に、上の方は青みがかった暗灰色の羽毛でおおわれています。くちばしはあまり長くありません。また、目が赤く、繁殖期になるとより鮮やかな色になります。

日本では北海道以外の地域では一年中その姿を見ることができる「留鳥」であり、北海道では夏の時期に繁殖のためにやってくる「夏鳥」として分布していますね。世界ではオセアニアと北極・南極以外に広く分布しています。

「アオサギ」と「ゴイサギ」の違い3点!

「アオサギ」と「ゴイサギ」の特徴、だいたい分かりましたか? ここでは「アオサギ」と「ゴイサギ」の違いの中でも、特に大きな3点(見た目、分布、生態)に焦点を当てて解説していきます。これさえ覚えれば、もう間違えませんよ。

1.大きさと首の長さ!

「アオサギ」の「ゴイサギ」の最も大きな違いは、やはり見た目の違いでしょう。特にその見た目の違いの中でも、大きさと首の長さは全く違います。

「アオサギ」が約84センチ~102センチと大型であるのに対し、「ゴイサギ」は約58~65センチと小型です。そして「アオサギ」は首がとても長いですが、「ゴイサギ」は首がほぼなく、顔と胴体がつながっているような見た目をしています。脚の長さも、「アオサギ」はとても長いですが、「ゴイサギ」は短いですね。スマートな「アオサギ」、ずんぐりむっくりな「ゴイサギ」と覚えると良いでしょう

2.世界での分布範囲!

日本での分布範囲は留鳥か渡り鳥(夏鳥・冬鳥)かの違いがあるだけで、全国に分布している「アオサギ」と「ゴイサギ」。ただ、世界での分布範囲は若干異なります。

「アオサギ」の分布範囲はヨーロッパ・アジア(ユーラシア大陸)、アフリカという範囲に分布しているのに対し、「ゴイサギ」はオセアニアと北極・南極以外という範囲に分布。つまり北米や南米では「ゴイサギ」を見ることができても、「アオサギ」は見ることができないのです。「アオサギ」と「ゴイサギ」は、どちらも世界中で広く分布している鳥ですが、「ゴイサギ」の方がより広い範囲に分布していますね。

3.夜行性?昼行性?生態の違い!

Nesting Colony of Ardeidae.jpg
Alpsdake - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, リンクによる

「アオサギ」と「ゴイサギ」にはその生態にも違いがあります。中でも特徴的なのが、夜行性なのか昼行性なのかです。「アオサギ」は昼行性で、昼間にエサを探したり捕獲したりします。一方の「ゴイサギ」は夜行性。夜間にエサを探すので、夜に養殖場や池に侵入し、朝人間が起きて確認したら魚が食い荒らされていた…なんてことも。昼間は水面に張り出した木の上で休んでいることが多いそうです。

また、繁殖の際は「アオサギ」は「アオサギ」だけで集団繁殖地を形成することが多いそうですが、「ゴイサギ」は他のサギと一緒に集団繫殖地を形成することが多いそうですね。

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本州・四国なら一年中見ることができる「アオサギ」「ゴイサギ」

今回は「アオサギ」と「ゴイサギ」の違いについて解説しました。「アオサギ」も「ゴイサギ」も日本全国に存在する鳥で、特に本州と四国ではどちらも年間を通して見ることができます。その大きな違いは見た目です。特に大きさが違いますね。「アオサギ」は大型ですが、「ゴイサギ」は小さいですよ。その他、世界での分布範囲や生態にも違いがあります。もし目にすることがあったら、ぜひ観察してみてください。

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雑学

簡単に分かる「アオサギ」と「ゴイサギ」の違い3点!特徴や見分け方も鳥類大好き日本語教師が分かりやすく解説

最近、「サギが大量発生!」「小学校のプールをサギが占拠!」などとネガティブなニュースで「サギ」という鳥の名前を聞くことが多いかもしれない。その「サギ」の中でも代表的で少し似ているのが「アオサギ」と「ゴイサギ」です。

たしかにパッと見は似ているかもしれないが、よーく見てみると見た目だけでもだいぶ違いがあるぞ。

今回はそんな「アオサギ」と「ゴイサギ」の違いを、幼いころから鳥に親しんできた日本語教師、”むかいひろき”と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で働く日本語教師。実家の近くに干潟があり、子どものころから水鳥に親しみ、学校でも水鳥について学びながら育ってきた。その経験と学びを活かして、「アオサギ」と「ゴイサギ」の違いを解説していく。

「アオサギ」と「ゴイサギ」ってどんな鳥?

image by iStockphoto

「アオサギ」も「ゴイサギ」も、日本だけでなく世界中に分布し、よく見ることができる珍しくない生物です。ただ、その違いが少しややこしい…という意見があるのも事実ですね。まずは、「アオサギ」と「ゴイサギ」がどんな鳥なのか、その特徴を見ていきましょう。

「アオサギ」:日本のサギの中で最も大きい!

アオサギ
Dick Mudde – 投稿者自身による著作物, パブリック・ドメイン, リンクによる

「アオサギ」はペリカン目サギ科の鳥類で、全長が約84センチ~102センチほどの大型のサギです。実はこの大きさは、日本に分布するサギの中では最も大きいものだそうですね。養殖魚を食い荒らす害鳥の側面もありますが、人間は苦手です。

長いくちばし、長い首、長い脚が特徴で、青灰色の羽を持っています。また、後頭部にある青黒色の長い冠羽(飾り羽)も見た目の大きな特徴と言えるでしょう。

日本では北海道と沖縄以外の地域では一年中その姿を見ることができる「留鳥」であり、北海道では夏の時期に繁殖のためにやってくる「夏鳥」として、九州・沖縄では冬に寒さを逃れるためにやってくる「冬鳥」として分布しています。世界ではアジア・ヨーロッパをはじめ、アフリカなどに広く分布していますね。

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