世界中で起きた「デモ」が日本でもたまにニュースになるよな。そして日本でも「デモ」を起こす人たちもいる。「デモ」は自分たちの意思や抗議を伝える大切な手段でもあるからな。

ところでこの「デモ」には、いくつかの意味が存在し、それぞれがよく使われているんです。どのくらいの数の意味があると思う?

今回は、そんな日本語における「デモ」の意味とそれぞれの違いについて、言葉に詳しい院卒日本語教師の"むかいひろき"と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で働く、日本で大学院修士課程までを修了した日本語教師。その経験を武器に言葉の意味や違いについて分かりやすく解説していく。

そもそも「デモ」ってどんな言葉?

image by iStockphoto

日本語で広く使われる「デモ」という言葉。新聞やニュースなどで目にすることが多いですよね。カタカナで表記することからも外来語ということはわかるでしょう。まずは前提として「デモ」が元々はどのような言葉なのか、見ていきましょう。

英語「demonstration」の略語!

この「デモ」は、英語の「demonstration」から生まれた外来語である「デモンストレーション」の略語です。「デモンストレーション」は話してもカタカナで書いても長いので、日本人が言いやすいように省略されたのでしょう。

「デモ」の3つの意味をチェック!

では、ここからが本題です。英語の「demonstration」が由来の「デモ」という日本語ですが、大きく3つの意味が存在します。まずはその3つの意味を確認し、そしてそれぞれを詳しくチェックしていきましょう。

1.一般大衆が政治・社会・経済的な要求や抗議を掲げて行う示威運動。特に、その主張を広く宣伝しながら団結の威力を示すための集会や街頭行進。
2.商品の宣伝や研究成果の公開のために、実演をして見せること。
3.スポーツ大会で、正式の競技種目以外に行われる競技や演技。公開演技(競技)。

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「デモンストレーション[demonstration]」

\次のページで「1.一般大衆が社会的な要求や抗議を掲げて行う示威運動」を解説!/

1.一般大衆が社会的な要求や抗議を掲げて行う示威運動

image by iStockphoto

日本語の「デモ」で最も多く使われていると言えるのが、この1番目の意味です。たとえば、「増税反対」をスローガンに、複数人で集まってプラカードや横断幕を持って町を行進すること…これは立派な「デモ」ですね。横断幕やプラカードを持ってシュプレヒコールをしながら複数の人が外を歩いている光景を、ニュースなどで見たことはありませんか? あれが1番目の意味での「デモ」です。

日本では上記のような比較的おとなしい「デモ」が近年は多いですが、そうでない場合もあります。たとえばフランスなどではデモが起きると、一部が暴徒化し建物に火がつけられたり車が破壊されたり…ということも。

なお、日本では「デモ」を行うことは自由ですが、道路を使用する場合は道路交通法と都道府県の条例に基づき、警察署に許可申請を行う必要があります。

1.現在世界で発生している戦争に反対するデモが、日本各地で一斉に行われた。
2.反日デモ隊の一部が暴徒化し、日系のスーパーや商店が略奪に遭った。
3.A国の鉄道会社の従業員が賃上げを求めてストライキとデモを行っているが、その間A国の鉄道はほとんど動いておらず、市民生活に影響が出ている。

2.実演

image by iStockphoto

2番目の意味は簡潔に言えば「実演」です。たとえば、ある新商品について、店頭で実際に使い方を説明しながら実物を使用し、客に購入を促す販売方法を、「デモ販売」といいます。商品の使い方を実演したり、研究成果を公開する場で実験を実演したりすることについても「デモ」という言葉は使用されていますね。

インターネット上のアプリやサービスを体験したり紹介したりする動画などにも、「デモ」「デモ動画」といった言葉が使用されることが多いです。

1.電機店の入り口付近で、新型のミキサーのデモ販売が行われていた。安かったので購入してしまった。
2.A社による新しいソフトウェアのデモが世界中で同時公開されたが、なかなかの評判である。
3.デモアクセスページは7日間有効です。正式にサービスの利用を希望される場合は、こちらから会員登録をお願いいたします。

3.スポーツ大会での公開競技・演技

image by iStockphoto

3番目の意味は「スポーツ大会での正式種目以外の公開競技・演技」です。たとえばフィギュアスケートの場合は、本来の競技の前に、出場選手や引退したレジェンド選手が出てきて演技を行う場合がありますよね。格闘技の場合も、本来の競技の試合前や途中で別の試合が行われることがあります。これらは全て本来の競技や試合の結果に影響を与えるものではなく、特別に行われているものです。

これらを「デモ」や「公開競技」「公開演技」「エキシビションマッチ」と呼びます。「デモンストレーション」と省略せずに呼ばれることもありますね。

1.空手の全日本選手権では試合前に、昨年度優勝者による形のデモが行われた。
2.開会式で行われたレジェンド2人による試合のデモは、本番の試合以上に盛り上がった。
3.本番の試合前に行われたデモの試合で負傷してしまった。何のために今まで頑張って来たんだろう…。

英語から入って略されて定着した日本語の「デモ」

今回は日本語の「デモ」について解説しました。「デモ」は英語の「demonstration」が由来の言葉で、「デモンストレーション」から省略された「デモ」という形が広まり定着しています。その日本語の「デモ」には3つの意味があり、特に1番目の「一般大衆が社会的な要求や抗議を掲げて行う示威運動」という意味で使用されることが多いでしょう。

" /> 3分で簡単に分かる「デモ」の違い!いくつの意味がある?院卒日本語教師が分かりやすく解説 – Study-Z
雑学

3分で簡単に分かる「デモ」の違い!いくつの意味がある?院卒日本語教師が分かりやすく解説

世界中で起きた「デモ」が日本でもたまにニュースになるよな。そして日本でも「デモ」を起こす人たちもいる。「デモ」は自分たちの意思や抗議を伝える大切な手段でもあるからな。

ところでこの「デモ」には、いくつかの意味が存在し、それぞれがよく使われているんです。どのくらいの数の意味があると思う?

今回は、そんな日本語における「デモ」の意味とそれぞれの違いについて、言葉に詳しい院卒日本語教師の”むかいひろき”と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で働く、日本で大学院修士課程までを修了した日本語教師。その経験を武器に言葉の意味や違いについて分かりやすく解説していく。

そもそも「デモ」ってどんな言葉?

image by iStockphoto

日本語で広く使われる「デモ」という言葉。新聞やニュースなどで目にすることが多いですよね。カタカナで表記することからも外来語ということはわかるでしょう。まずは前提として「デモ」が元々はどのような言葉なのか、見ていきましょう。

英語「demonstration」の略語!

この「デモ」は、英語の「demonstration」から生まれた外来語である「デモンストレーション」の略語です。「デモンストレーション」は話してもカタカナで書いても長いので、日本人が言いやすいように省略されたのでしょう。

「デモ」の3つの意味をチェック!

では、ここからが本題です。英語の「demonstration」が由来の「デモ」という日本語ですが、大きく3つの意味が存在します。まずはその3つの意味を確認し、そしてそれぞれを詳しくチェックしていきましょう。

1.一般大衆が政治・社会・経済的な要求や抗議を掲げて行う示威運動。特に、その主張を広く宣伝しながら団結の威力を示すための集会や街頭行進。
2.商品の宣伝や研究成果の公開のために、実演をして見せること。
3.スポーツ大会で、正式の競技種目以外に行われる競技や演技。公開演技(競技)。

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「デモンストレーション[demonstration]」

\次のページで「1.一般大衆が社会的な要求や抗議を掲げて行う示威運動」を解説!/

次のページを読む
1 2
Share: