この記事では「アブラナ」と「菜の花」の違いについてみていく。どちらも春先、小さくて黄色い花がたくさん咲いているイメージです。桜のピンクと絨毯のように黄色い花が広がった原風景は永遠に残したい郷愁の気持ちになる。また、花が開く前に収穫して、おひたしやスパゲッティなど春の味覚としても楽しめる。親しんでいる割に「アブラナ」と「菜の花」がどう違うか、わからない人が多いのではないでしょうか。今回は語学系主婦ライターの小島ヨウと一緒に、菜花やナタネ油に至るまで、違いをわかりやすく解説していきます。

ライター/小島 ヨウ

ドイツ語学科卒、英語劇や市民劇団に所属した語学系おばさんライター。漢字や言葉の使い方に興味あり。わかりやすくをモットーに深ぼり解説する。

「アブラナ」と「菜の花」の違い

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「アブラナ」というと植物的、「菜の花」というと黄色い小さな花の集合体のイメージですね。そもそも「アブラナ」とは何か、食べられるのか、何のために育てているのか、みていきましょう。

「アブラナ」:アブラナ科アブラナ属の植物

「アブラナ」とはアブラナ科アブラナ属の植物全体をいいます。中でも「セイヨウアブラナ(西洋油菜)」を指すことが多いです。種子に多くの油分があり、食用油の原料となるので「ナタネ」とも呼ばれます。これは明治時代以降の話で、もっと古い時代に中国から日本に伝わった「アブラナ」もあり、戦国時代から食用され、灯用の油として使われていました。

「菜の花」:アブラナ科の花すべて

花びらが四枚の小さな花が密集して咲く「菜の花」はアブラナ科の植物が開花している状態。ですからセイヨウアブラナだけでなく、白菜・キャベツ・ミズナ・カブ・チンゲン菜・小松菜やブロッコリーなど、同じアブラナ科の野菜や植物の花はすべて「菜の花」と言えます。

アブラナが大枠、咲いた花はすべて菜の花

アブラナは種属名的、その咲いた花はすべて「菜の花」ですから、「菜の花畑」もセイヨウアブラナだけでなく、白菜や野沢菜などいろいろな野菜の場合があります。春の風物詩として昔から親しまれる「菜の花」。俳句や唱歌など多くの文学作品に登場していますが、どのアブラナ科の植物でしょうね…。

成長過程で様々な呼び方をする「アブラナ」

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アブラナ科の花が咲いた状態を「菜の花」といいますが、主に食用にされる若いつぼみは別の言い方をします。少し紹介しましたが「ナタネ」についても、さらに詳しくみていきましょう。

\次のページで「「菜花・青菜」:若菜のアブラナ」を解説!/

「菜花・青菜」:若菜のアブラナ

「菜の花」にも観賞用、食用、菜種油用などいろいろ品種があります。食用になるのは主に若い緑のつぼみや茎で「菜花(なばな)」と呼ばれ、ほろ苦さと甘みのある春の味覚です。また「青菜」は緑が濃い野菜の総称で、チンゲン菜や小松菜など様々。おひたしやゴマ和え、炒め物などどんな料理でも美味しくいただけます。

「ナタネ」:セイヨウアブラナの種子のこと

「ナタネ」とはアブラナの種全般を指しますが、主にセイヨウアブラナの種子で、油を採るために収穫されます。そしてできた油が「菜種油」です。また、セイヨウアブラナの改良版キャノーラ種を使って作られたのが「キャノーラ油」。菜種油と比べて、クセやにおいがなく、安価でいろいろな料理に幅広く使われます。

つまみ菜→菜花→菜の花→ナタネがアブラナの一生

アブラナは発芽から種子まで、美味しく便利に使われていますよ。発芽して生育のために間引かれたものが「つまみ菜」、そしてつぼみや若い茎が「菜花」として食用に。それから「菜の花」として愛でられ、「ナタネ」になれば油が採れる、万能な植物です。

菜の花は黄色だけじゃない?!

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「菜の花」というと黄色のイメージですが、白や紫の花が咲く品種もあるのですよ。ご紹介しましょう。

\次のページで「黄色い花:キャベツ、白菜、チンゲン菜ほか多数」を解説!/

黄色い花:キャベツ、白菜、チンゲン菜ほか多数

「菜の花色」という名のカラーまである「菜の花」はやはり明るく鮮やかな黄色の印象ですね。セイヨウアブラナほかキャベツや白菜などなど多くのアブラナ科の植物や野菜は黄色い花を付けます。「小さな幸せ」「快活」などの花言葉です。ブロッコリーも日が経つと黄色い花が咲きますが、問題なく食べられますよ。

白い花:大根

実は大根もアブラナ科、しかも菜の花は白です。可愛らしい十字の花が咲きますが、開花時期は4月から5月。秋から冬が大根の旬ですから、なかなかお目にかかりません。ちなみに花言葉は「潔白」「適応力」です。

紫の花:オオアラセイトウ(諸葛菜)

オオアラセイトウ、ムラサキハナナと呼ばれる種が紫色の菜の花です。大根も紫色の花を付ける品種がありますが、まったく別の植物で「花大根」という紫色の花が咲くアブラナ科の種があります。オオアラセイトウは別名、諸葛菜(しょかつさい)と呼ばれる中国伝来の品種。園芸用として愛でたり、若葉は食用になったり、種からは油も採れます。

「アブラナ」「菜の花」を見て食べて楽しもう

この記事では「アブラナ」と「菜の花」の違いを説明しました。「アブラナ」は主に「セイヨウアブラナ」を指しますがアブラナ科の植物全般、そして花が咲いたらすべて「菜の花」と呼ばれることが分かりましたね。

種子が和からしの原料となる「カラシナ」もアブラナ科。日本伝来は弥生時代と古く、菜花はいろんな料理に使え、高菜やザーサイが仲間です。私たちの食卓はアブラナ科の野菜であふれています。

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簡単にわかる「アブラナ」と「菜の花」の違い!菜花・ナタネとの違いも語学系主婦ライターがわかりやすく解説

この記事では「アブラナ」と「菜の花」の違いについてみていく。どちらも春先、小さくて黄色い花がたくさん咲いているイメージです。桜のピンクと絨毯のように黄色い花が広がった原風景は永遠に残したい郷愁の気持ちになる。また、花が開く前に収穫して、おひたしやスパゲッティなど春の味覚としても楽しめる。親しんでいる割に「アブラナ」と「菜の花」がどう違うか、わからない人が多いのではないでしょうか。今回は語学系主婦ライターの小島ヨウと一緒に、菜花やナタネ油に至るまで、違いをわかりやすく解説していきます。

ライター/小島 ヨウ

ドイツ語学科卒、英語劇や市民劇団に所属した語学系おばさんライター。漢字や言葉の使い方に興味あり。わかりやすくをモットーに深ぼり解説する。

「アブラナ」と「菜の花」の違い

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「アブラナ」というと植物的、「菜の花」というと黄色い小さな花の集合体のイメージですね。そもそも「アブラナ」とは何か、食べられるのか、何のために育てているのか、みていきましょう。

「アブラナ」:アブラナ科アブラナ属の植物

「アブラナ」とはアブラナ科アブラナ属の植物全体をいいます。中でも「セイヨウアブラナ(西洋油菜)」を指すことが多いです。種子に多くの油分があり、食用油の原料となるので「ナタネ」とも呼ばれます。これは明治時代以降の話で、もっと古い時代に中国から日本に伝わった「アブラナ」もあり、戦国時代から食用され、灯用の油として使われていました。

「菜の花」:アブラナ科の花すべて

花びらが四枚の小さな花が密集して咲く「菜の花」はアブラナ科の植物が開花している状態。ですからセイヨウアブラナだけでなく、白菜・キャベツ・ミズナ・カブ・チンゲン菜・小松菜やブロッコリーなど、同じアブラナ科の野菜や植物の花はすべて「菜の花」と言えます。

アブラナが大枠、咲いた花はすべて菜の花

アブラナは種属名的、その咲いた花はすべて「菜の花」ですから、「菜の花畑」もセイヨウアブラナだけでなく、白菜や野沢菜などいろいろな野菜の場合があります。春の風物詩として昔から親しまれる「菜の花」。俳句や唱歌など多くの文学作品に登場していますが、どのアブラナ科の植物でしょうね…。

成長過程で様々な呼び方をする「アブラナ」

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アブラナ科の花が咲いた状態を「菜の花」といいますが、主に食用にされる若いつぼみは別の言い方をします。少し紹介しましたが「ナタネ」についても、さらに詳しくみていきましょう。

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