この記事では「適性検査」と「SPI」の違いを見ていきます。企業の採用活動などでよく目にするよな。この2つにはどんな違いがあるのでしょうか。また、それぞれの検査の詳しい内容はどうなっているのでしょうか。ここでは「適性検査」と「SPI」について元塾講師のyêuthuquáと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

「適性検査」と「SPI」の違い

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「適性検査」に「SPI」。どちらも就職活動あるいは企業の採用活動などで目にすることがあるのではないでしょうか。まずはこの2つの検査の基本的な違いについて確認していきましょう。

「適性検査」:仕事に対する適性や人柄を判断

企業の採用活動において実施される筆記試験や面接だけでは、応募者にどんな能力があるのか、応募者がどんな人物なのかを判断するのは簡単ではありません。そこで利用されているのが「適性検査」。「適性検査」とは人物の能力や性格、特性を測定する検査のことです。

企業は、応募者が自社の業務への適性や人柄など、求める人材に合致しているのかを判断するために「適性検査」を利用。「適性検査」には後述の「SPI」や玉手箱、CAB・GAB、TG-WEB、CUBIC、SCOLAなど複数ありますが、それぞれ「性格検査」と「能力検査」で構成。どの「適性検査」を採用するのかは各企業の業態や採用する職種によって違います。

性格検査
性格の善し悪しを判断するものではなく、受検者の資質や価値観、ストレス耐性などを把握するのが目的。その人の性格的な特徴や行動特性などをはかる検査。

能力検査
言語力や計算力、一般常識などの基礎学力をはかるだけでなく、論理的思考がどのぐらい身についているかなど、知的能力を問う検査。SEやプログラマーなどのコンピュータ職に特化した「適性検査」などもある。

「SPI」:数ある適性検査の1つ

前述の通り「SPI」は数ある適性検査の1つ。リクルートマネジメントソリューションズが提供する「総合適性検査=Synthetic Personality Inventory」の略。多くの企業がこの「SPI」を採用しているため、「適性検査」と「SPI」が同じものだと混同している人も多いでしょう。正確には「SPI」はいくつもある「適性検査」の1つに過ぎません。

「SPI」は14,000社以上の企業が採用し、年間200万人以上が受験しています。基礎学力や一般常識だでなく、入社希望者の性格や企業への適性などを総合的に判断するための「適性検査」で、企業にマッチした人材を見つけるためのものなのです。

「SPI」の種類

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「SPI」には4種類あり、それぞれ対象者が異なります。まずはこの4種類を見ていきましょう。

#1 SPI3-U:新卒(大卒)採用

「SPI3-U」は大学新卒者を対象におこなう「適性検査」です。面接では見えづらい応募者の性格や基礎能力(思考力・判断力・コミュニケーション力など)、企業への適応性をはかります。企業側はこの結果をもとに面接などで、さらに掘り下げた質問をすることもあるようですね。

#2 SPI3-G:中途採用

「SPI3-G」は転職希望者を対象とした「適性検査」。前職との環境の違いにフォーカスして、応募者の人柄をはかります。また、未経験者が適応しやすい仕事がどのようなものなのかもはかれる点が特徴です。

#3 SPI3-H:高卒採用

「SPI3-H」は高卒の就職希望者を対象とした「適性検査」で、応募者の性格や人柄、仕事や組織への適応性などをはかります。面接時に確認すべきポイントの分析などに役立っているようです。企業側は適応性が高い人材を評価する傾向にあるようですね。

\次のページで「GSPI3:グローバル採用」を解説!/

#4 GSPI3:グローバル採用

「GSPI3」は外国人の就職希望者を対象とした「適性検査」で、英語・中国語・韓国語に翻訳されています。したがって、この検査は対象者の日本語能力をはかることはできません。あくまで対象者の人柄やさまざまな能力をはかるのが目的です。面接時に語学力が原因で十分な意思疎通ができず、応募者の能力を見落としてしまうことも考えられますからね。

今後、外国人雇用が増えていくことを考えると、外国人に活躍の場を与える上でも大切な「適性検査」と言えるでしょう。

「SPI」で実施される科目

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次に「SPI」で実施される5科目を見ていきましょう。採用活動を行う企業の業態や職種によって、どの科目が必要なのかは異なります。

#1 性格検査

性格検査では、性格的特徴、職務適応性、組織適応性の3つの点から受検者の性格や人柄をはかります。この検査により、受検者が会社の風土や組織に適している人材かどうかを判断するわけですね。

#2 能力検査:言語分野

能力検査は全部で4科目。そのうちの1つが言語分野です。いわゆる国語の問題大学受験程度の国語力で十分に対応できる内容となっているようです。二語の関係性や文の並べ替え、長文読解などがあります。

\次のページで「#3 能力検査:非言語分野」を解説!/

#3 能力検査:非言語分野

次に非言語分野。つまり数学問題高校レベルの数学で幅広い問題が出題されます。受検するSPIによっては難易度が高い問題も出題されるようですので、数学が苦手な人は受検前にしっかりと復習しておく必要がありそうですね。

#4 能力検査:英語

言語分野同様、大学受験レベルの英語の問題が出題されます。最近では社内言語が英語という企業も増えていますので、日常会話だけでなくビジネスレベルで英語能力を問うケースもあるでしょう。ただ、これだけでは正確な英語力を図ることはできませんので、TOEICなどを求められるケースも考えられますね。

#5 能力検査:構造的把握力

「SPI」の科目の中でも難易度が高いのが「構造的把握力」の検査。物事に対する理解力がどのぐらい身についているかを判断する検査で、文章をスピーディーかつ正確に読み取る能力をはかります。実務においては多くの資料に目に通すことも多々ありますので、要点をきちんと読み取る能力は必須でしょうね。

「SPI」は「適性検査」の1つ

企業の採用活動において利用される「適性検査」ですが、その目的は、筆記試験や面接ではかるのが難しい、入社希望者の性格や人柄に加え、仕事や組織に対する適応性をはかる検査です。そして、その「適性検査」の1つが「SPI」で年間200万人以上が受検しています。大きく分けて性格検査と能力検査の2つ。企業サイドは、このような「適性検査」も含めて、自社が求める人材とマッチしているかどうかを判断しているのです。

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簡単で分かりやすい「適性検査」と「SPI」の違い!「SPI」の種類や検査内容も元塾講師が詳しく解説!

この記事では「適性検査」と「SPI」の違いを見ていきます。企業の採用活動などでよく目にするよな。この2つにはどんな違いがあるのでしょうか。また、それぞれの検査の詳しい内容はどうなっているのでしょうか。ここでは「適性検査」と「SPI」について元塾講師のyêuthuquáと一緒に詳しく解説していきます。

ライター/yêuthuquá

海外在住。現在の仕事を始める前は教育関係の仕事に従事。国内外を問わず身につけた知識や経験をもとにわかりやすくお届けする。

「適性検査」と「SPI」の違い

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「適性検査」に「SPI」。どちらも就職活動あるいは企業の採用活動などで目にすることがあるのではないでしょうか。まずはこの2つの検査の基本的な違いについて確認していきましょう。

「適性検査」:仕事に対する適性や人柄を判断

企業の採用活動において実施される筆記試験や面接だけでは、応募者にどんな能力があるのか、応募者がどんな人物なのかを判断するのは簡単ではありません。そこで利用されているのが「適性検査」。「適性検査」とは人物の能力や性格、特性を測定する検査のことです。

企業は、応募者が自社の業務への適性や人柄など、求める人材に合致しているのかを判断するために「適性検査」を利用。「適性検査」には後述の「SPI」や玉手箱、CAB・GAB、TG-WEB、CUBIC、SCOLAなど複数ありますが、それぞれ「性格検査」と「能力検査」で構成。どの「適性検査」を採用するのかは各企業の業態や採用する職種によって違います。

性格検査
性格の善し悪しを判断するものではなく、受検者の資質や価値観、ストレス耐性などを把握するのが目的。その人の性格的な特徴や行動特性などをはかる検査。

能力検査
言語力や計算力、一般常識などの基礎学力をはかるだけでなく、論理的思考がどのぐらい身についているかなど、知的能力を問う検査。SEやプログラマーなどのコンピュータ職に特化した「適性検査」などもある。

「SPI」:数ある適性検査の1つ

前述の通り「SPI」は数ある適性検査の1つ。リクルートマネジメントソリューションズが提供する「総合適性検査=Synthetic Personality Inventory」の略。多くの企業がこの「SPI」を採用しているため、「適性検査」と「SPI」が同じものだと混同している人も多いでしょう。正確には「SPI」はいくつもある「適性検査」の1つに過ぎません。

「SPI」は14,000社以上の企業が採用し、年間200万人以上が受験しています。基礎学力や一般常識だでなく、入社希望者の性格や企業への適性などを総合的に判断するための「適性検査」で、企業にマッチした人材を見つけるためのものなのです。

「SPI」の種類

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「SPI」には4種類あり、それぞれ対象者が異なります。まずはこの4種類を見ていきましょう。

#1 SPI3-U:新卒(大卒)採用

「SPI3-U」は大学新卒者を対象におこなう「適性検査」です。面接では見えづらい応募者の性格や基礎能力(思考力・判断力・コミュニケーション力など)、企業への適応性をはかります。企業側はこの結果をもとに面接などで、さらに掘り下げた質問をすることもあるようですね。

#2 SPI3-G:中途採用

「SPI3-G」は転職希望者を対象とした「適性検査」。前職との環境の違いにフォーカスして、応募者の人柄をはかります。また、未経験者が適応しやすい仕事がどのようなものなのかもはかれる点が特徴です。

#3 SPI3-H:高卒採用

「SPI3-H」は高卒の就職希望者を対象とした「適性検査」で、応募者の性格や人柄、仕事や組織への適応性などをはかります。面接時に確認すべきポイントの分析などに役立っているようです。企業側は適応性が高い人材を評価する傾向にあるようですね。

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