簡単でわかりやすい!国立病院機構と民間病院の違いとは?大学病院・公立病院・公的病院との違いも看護師ライターが詳しく解説
そんな国立病院機構と民間病院の違いについて、看護師でwebライターの近野チカと一緒に解説していきます。
ライター/近野チカ
看護師&Webライター。民間病院で働いた経験あり。
国立病院機構と民間病院の違いとは
国立病院の看板には「独立行政法人 国立病院機構 〇〇病院」と出ており、民間病院には「医療法人 〇〇会 〇〇病院」と出ていたりします。国立病院機構と民間病院の違いをみていきましょう。
国立病院機構とは厚生労働省管轄の独立行政法人
以前、国立病院や国立療養所と呼ばれていた医療機関が現在、「国立病院機構」となっています。2004年に独立行政法人化して国立病院機構となりました。
独立行政法人化とは、国が行っていたことを完全に一般企業に民営化すると利益が出ない、もうけが出ないことを理由にやらない、となってしまうのを防ぐために行います。また国が行う仕事はたくさんあるので、直接国ではなく、独立して病院などの事業を行えるようにしたのが独立行政法人という組織です。独立行政法人化する前から現在に至るまで、厚生労働省の管轄という点は変わりません。病気の治療だけでなく、調査や研究なども行います。
民間病院とは個人や医療法人などが開設
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民間病院とは、公益法人、医療法人、社会福祉法人、個人などが開設する病院です。国内にある病院のうち民間病院は7割以上を占め、開設者別では医療法人が最も多く占めています。医療法人とは医師または歯科医師しかいない会社と考えるとわかりやすいでしょう。
個人の開業医と違い、医療法人化することでできることが増えます。例えば開設できる数は個人病院(または)では1ヶ所のみですが、医療法人では分院の開設が可能です。個人病院(または診療所)の業務の範囲も病院(または診療所)のみなのに対し、医療法人は介護老人保険施設や介護医療院も開設することができます。
医療法人化することで節税効果があったり、自分の子どもに跡を継がせる場合でも個人の開業医と違って相続税がかからないなどの経営者側にもメリットがあるのです。
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大学病院・公立病院・公的病院とは?
国立病院機構、民間病院の他にも大学病院、公立病院、公的病院が存在します。これらの違いをみていきましょう。
大学病院との違いとは
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大学病院の役割としては国立病院機構や民間病院と同じく通常の診療を行いつつ、高度の医療の提供、医師や歯科医師を養成する教育機関、新しい医療技術の研究・開発を行う研究機関の3つがあります。特に教育と研究は民間病院にはない大学病院ならではの特徴です。国立病院機構でも調査・研究は行いますが、医師などの養成は行わないのが大学病院との違いといえます。
公立病院との違いとは
都道府県や市町村などの自治体が運営するのが公的病院です。
山間へき地や離島などの立地が困難な過疎地や採算が取れにくい、または特殊である小児・救急・周産期(妊娠22週から出生後7日未満までの期間)・災害・精神などの医療の提供、地域の民間病院では限界がある高度・先進医療の提供、研修の実施や医師派遣の拠点という、民間では対応が困難な場所や診療科の医療の提供や高度な医療の提供を行っています。
公的病院との違いとは
厚生労働省が定めた公的団体(都道府県・市町村・地方公共団体の組合・国民健康保険団体連合会および国民健康保険組合・日本赤十字社・社会福祉法人恩賜財団済生会・厚生農業協同組合連合会・社会福祉法人北海道社会事業協会)が開設しているのが、公的病院です。
医療、保健、予防、医療関係者の養成、へき地における医療等、民間病院では対応が困難なへき地などの診療などを一体的に運営する役割があり、地域医療を担う点は公立病院と似ています。
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