みんなの部屋には「本棚」はあるかな?俺の家にはかなり大きな本棚がいくつかあってな、仕事で参照する法律関係の本以外にも趣味の本が多く並んでいる。最近は電子書籍も普及してきたが、やはり本は紙に限るな。

ところで、「本棚」と同じような意味の言葉で「書架」がある。図書館などで目にした人も多いんじゃないかな。この2つの違い、分かるか?

今回はそんな「本棚」と「書架」の違いを、言葉の違いに詳しい院卒日本語教師の"むかいひろき"と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に言葉の違いについて分かりやすく解説していく。

まずは「本棚」と「書架」の辞書での意味を確認しよう!

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「本棚(ほんだな)」と「書架(しょか)」という言葉、どちらも聞いたことがある人がほとんどでしょう。しかし、この2つの違いについて聞かれたとき、あなたはしっかりと答えられますか? まずは辞書ではどのような記述になっているのか、違いはあるのかを見ていきましょう。

「本棚」:本を並べてのせておくための棚

まずは「本棚」の辞書での意味を確認していきましょう。「本棚」には次のような意味が国語辞典に掲載されています。

本を並べてのせておくための棚。書棚。書架。

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「ほん-だな【本棚】」

国語辞典によると「本棚」は「本を並べてのせておくための棚」という意味の言葉です。つまりは、本を収納するのに特化した棚…ということですね。「本棚」はその機能性はもちろん、部屋に置くものであるためデザイン性も重視されるアイテムです。

そして辞書の記述には「書架」とも書いてあります。これはつまり、辞書的には同じ意味の言葉ということなのです。ですが本当に完全に同じ意味の言葉なのでしょうか?

「書架」:本を並べておく棚

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次に、もう一方の「書架」の辞書での意味を確認していきましょう。「書架」には次のような意味が国語辞典に掲載されています。

\次のページで「では「本棚」と「書架」の違いは?」を解説!/

本を並べておく棚。本棚。

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「しょ-か【書架】」

辞書によると「書架」は「本を並べておく棚」という意味の言葉です。こちらも本を収納するのに特化した棚ということには変わりありません。「書」は「書物」の略で「本」という意味を表し、「架」は「物をのせる平らな台」、つまりは「棚」という意味を表します。

そして辞書の記述には「本棚」とも書いてありますね。これはつまり、やはり「本棚」と「書架」は辞書的には同じ意味の言葉ということなのです。ですが本当の本当に完全に同じ意味の言葉なのでしょうか…。

では「本棚」と「書架」の違いは?

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「本棚」と「書架」の違い、実はありませんでした!なるほど納得ですね! …でこの記事は終わりません。確かに辞書に掲載されている言葉の意味としては「本棚」と「書架」に違いはないと言えるでしょう。しかし、使い方を考えてみると、その違いが浮き彫りになります

「本棚」:主に家庭で使う!

「本棚」という言葉を使う時は、どのような場面を想像しますか? ほとんどの人が自宅の「本棚」を思い浮かべたのではないでしょうか。そう。この「本棚」は主に家庭で用いられる本を収納する棚に対して使用される言葉なのです。

小学校や中学校の図書館では子どもたちにわかりやすいように「本棚」という言い方をすることもありますが、大学や地域の図書館では「本棚」という言い方はしませんよね。そして書店でも「本棚」という言い方はあまり見かけないのではないでしょうか。

「書架」:図書館や書店で使う!

では、一方の「書架」、どこで使用されているでしょうか。「書架」という単語をよく目にする場所を考えてみてください。大学や地域の図書館、そして書店が思い浮かんだ人が多いのではないでしょうか。そう。この「書架」は図書館や書店の書籍が置いてある棚に対して、そして資料室や研究室等の書籍が保管されている棚に対して使用される言葉なのです。

自宅の自室の本が収納してある棚を思い浮かべて、「書架」という言葉を連想する人は少ないのではないでしょうか。

\次のページで「「本棚」と「書架」の違いは置き場所!」を解説!/

「本棚」と「書架」の違いは置き場所!

今回は「本棚」と「書架」の違いについて解説しました。「本棚」と「書架」の意味に違いはありません。ただ、その棚が置かれている場所によって呼び名が変わってくるのです。自宅に置かれているものは「本棚」、図書館や書店、資料室や研究室に置かれているものは「書架」と呼ぶことが多いですね。

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雑学

簡単に分かる「本棚」と「書架」の違い!完全に同じ意味の言葉?使い分けも院卒日本語教師が分かりやすく解説

みんなの部屋には「本棚」はあるかな?俺の家にはかなり大きな本棚がいくつかあってな、仕事で参照する法律関係の本以外にも趣味の本が多く並んでいる。最近は電子書籍も普及してきたが、やはり本は紙に限るな。

ところで、「本棚」と同じような意味の言葉で「書架」がある。図書館などで目にした人も多いんじゃないかな。この2つの違い、分かるか?

今回はそんな「本棚」と「書架」の違いを、言葉の違いに詳しい院卒日本語教師の”むかいひろき”と一緒に解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学に再就職した、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に言葉の違いについて分かりやすく解説していく。

まずは「本棚」と「書架」の辞書での意味を確認しよう!

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「本棚(ほんだな)」と「書架(しょか)」という言葉、どちらも聞いたことがある人がほとんどでしょう。しかし、この2つの違いについて聞かれたとき、あなたはしっかりと答えられますか? まずは辞書ではどのような記述になっているのか、違いはあるのかを見ていきましょう。

「本棚」:本を並べてのせておくための棚

まずは「本棚」の辞書での意味を確認していきましょう。「本棚」には次のような意味が国語辞典に掲載されています。

本を並べてのせておくための棚。書棚。書架。

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「ほん-だな【本棚】」

国語辞典によると「本棚」は「本を並べてのせておくための棚」という意味の言葉です。つまりは、本を収納するのに特化した棚…ということですね。「本棚」はその機能性はもちろん、部屋に置くものであるためデザイン性も重視されるアイテムです。

そして辞書の記述には「書架」とも書いてあります。これはつまり、辞書的には同じ意味の言葉ということなのです。ですが本当に完全に同じ意味の言葉なのでしょうか?

「書架」:本を並べておく棚

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次に、もう一方の「書架」の辞書での意味を確認していきましょう。「書架」には次のような意味が国語辞典に掲載されています。

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