この記事では「シガー」と「タバコ」の違いをみていく。近年、喫煙者は敬遠される傾向にあり、喫煙率は男性で三割、女性で一割を下回る。使用しているタバコの種類は9割以上が紙巻タバコです。紙巻タバコは英語で「シガレット」。では「シガー」とは何なのか?今回、両者の違いはもちろん、タバコの種類や歴史などのうんちくも満載にして、語学系主婦ライター・小島ヨウと一緒に解説していきます。

ライター/小島 ヨウ

ドイツ語学科卒、英語劇や市民劇団に所属した語学系おばさんライター。漢字や言葉の使い方に興味あり。わかりやすくをモットーに深ぼり解説する。

「シガー」と「タバコ」の違い

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昭和の時代は食卓や列車内でも普通に吸えた「タバコ」ですが、現在は喫煙する場所は限られ、マナー順守で楽しむものとなりました。一方の「シガー」は気取った感じ、ピカレスクな映画の登場人物がくわえているイメージですね。「シガー」と「タバコ」、具体的に何が違うのか、みていきましょう。

「シガー」:ciger、葉巻タバコ

「シガー:ciger」は葉巻です。葉巻とはタバコの葉をタバコの葉で巻いたもので、三層構造が基本。切断された葉は使わず、高級品はすべて手作りされています。先端を切り落とす・点火や吸い方などに独特の所作、関連する道具がおしゃれ、また紙巻タバコと比べて喫煙時間が長い、など、葉巻にはいろんなこだわり、楽しみ方があるようです。

「タバコ」:一般的にcigarette、紙巻タバコのこと

「タバコ:tobacco」はタバコの葉を加工して作られる製品の総称で、一般的には紙巻タバコのことです。細かく刻んだタバコの葉を細長い紙で包んでフィルターが付けられています。

タバコの箱に表示されている「タール」とは煙の中に含まれる粘液性の液体、簡単にいえば「ヤニ」です。その中に、化学物質的には毒物に指定される「ニコチン」が含まれています。フィルターはこのタールやニコチンを減らし、味をマイルドにする役目です。

「シガー」はタバコの葉そのまま、「タバコ」は刻んで使う

「シガー」は葉巻という狭義、「タバコ」はタバコ製品全般を指す広義です。また製品としても、「シガー」はタバコの葉そのもの、「タバコ」は葉を刻んで使用する点が大きな違いでしょう。

刻んだタバコの葉を専用の「パイプ」に詰めて吸煙すると長時間楽しめます。また日本では江戸時代、パイプと同じ原理で「キセル」の吸い方が流行りました。キセルに使われるタバコの葉は細刻みで日本独特です。キセルはカンボジア語で「管」をあらわす言葉からの由来、ポルトガル人がもたらしたといわれています。

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喫煙以外の「タバコ」の楽しみ方

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タバコはタバコの葉に火をつけ、煙を吸って楽しむ嗜好品ですが、ほかにも様々な使用法があります。代表的なたしなみ方を紹介しましょう。

「噛みタバコ」:葉に香料などをプラス、噛んで味わう

「噛みタバコ」は無煙タバコのひとつで、熱処理して葉脈を除いたタバコの葉に香料や甘味料を足し、板状やねじった形に加工した製品です。噛んで味わうタバコで、不要な汁を含む唾液は吐き出されます。19世紀のアメリカで流行り、ベースボールプレイヤーに愛用されました。煙が出ないタバコでも、発がん性があるのでご注意を。

「水タバコ」:煙を水でろ過して、喫煙する

「水タバコ」は中近東で発明されたといわれ、シーシャや水キセルなどの呼び方があります。フレーバーを付けたタバコを火皿で燃やし、水にくぐらせ、ろ過して喫煙。やわらかい味わいになるそうです。日本での認知度も上がり、水タバコ専門店もあります。燃焼時間が一時間にもなるようで長く楽しめますが、複数人で同じ器具を使いまわすことは感染症のリスクがあるので控えましょう。

「電子タバコ」:加熱して蒸気をたのしむ

「電子タバコ」は2003年に登場、タバコの葉ではなくカートリッジの液体を電気加熱させて発生する蒸気を楽しみます。日本で発売されているものはニコチンを含んでいないため、タバコ製品に分類されません。

電子タバコにはまた、タバコの葉を燃やさず加熱によって発生する蒸気を楽しむ「加熱式タバコ」があります。煙が出ないのでにおいがなく、灰も出ません。しかしながら、紙巻きタバコと比べた健康被害の大小はまだ不明です。

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「タバコ」についてのエトセトラ

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それでは「タバコ」をもうちょっと深堀していきましょう。

「タバコ」の歴史、日本渡来は鉄砲とともに

タバコが日本に伝わった年は明確ではありませんが16世紀です。江戸時代、タバコは広がりをみせますが、反幕府勢力の取り締まりや年貢米の確保などもろもろの理由で幕府はたびたび禁止令を出します。しかしながら庶民の嗜好品として定着。独特の細刻み、キセルやタバコ入れの道具など、喫煙文化が発展しました。

明治時代にタバコが輸入され、紙巻きタバコが国内で製造されます。昭和天皇の即位には記念タバコが発売されたようです。戦争の影響を受けたのち、当時大蔵省の専売事業は日本専売公社に引き継ぎ。行政改革や市場開放で昭和60年(1985年)、専売制度が廃止されました。

タバコ税はひと箱およそ62パーセントの高額税!

紙巻きタバコのメジャーな銘柄「セブンスター」は1960年発売時はひと箱20本入りで100円でした。それが1986年に220円になり、今はなんと600円!1986年以降の値上げはすべて税金の影響です。国税・地方税・特別税・消費税、合わせておよそ62パーセントの税金が現在かけられています。

年間2兆円というタバコの税金は一般税に充てられ、日常生活や公共サービスなどに利用。今後も値上げが予想されるようです。

タールやニコチン高いほど体に悪い

紙巻きタバコの箱にはタールとニコチンの含有量が明記されていますが、葉巻(シガー)には表示義務がありません。葉巻は一般的な紙巻きタバコと比べ、タールは最大で10倍、ニコチンは14倍もの含有量があるようです。タールやニコチンが高い=体に悪いと判断できるでしょう。しかしながら、タールを低くしても、喫煙本数を少なくしても、健康を害するリスクがあります。

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「シガー」や「タバコ」はマナー順守でたしなむべし

この記事では「シガー」と「タバコ」の違いについて説明しました。「シガー」は葉巻、「タバコ」はタバコ製品、一般的には紙巻きタバコを指すことが分かりましたね。

受動喫煙とはタバコから出てくる煙や吐き出された煙を吸うこと。有害物質がタバコを吸わない人にも及び、継続すれば健康に影響があります。喫煙は法令とマナーを守って、自己責任でたしなみましょう。

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簡単にわかる「シガー」と「タバコ」の違い! タバコの種類や歴史・税金も語学系主婦ライターがわかりやすく解説

この記事では「シガー」と「タバコ」の違いをみていく。近年、喫煙者は敬遠される傾向にあり、喫煙率は男性で三割、女性で一割を下回る。使用しているタバコの種類は9割以上が紙巻タバコです。紙巻タバコは英語で「シガレット」。では「シガー」とは何なのか?今回、両者の違いはもちろん、タバコの種類や歴史などのうんちくも満載にして、語学系主婦ライター・小島ヨウと一緒に解説していきます。

ライター/小島 ヨウ

ドイツ語学科卒、英語劇や市民劇団に所属した語学系おばさんライター。漢字や言葉の使い方に興味あり。わかりやすくをモットーに深ぼり解説する。

「シガー」と「タバコ」の違い

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昭和の時代は食卓や列車内でも普通に吸えた「タバコ」ですが、現在は喫煙する場所は限られ、マナー順守で楽しむものとなりました。一方の「シガー」は気取った感じ、ピカレスクな映画の登場人物がくわえているイメージですね。「シガー」と「タバコ」、具体的に何が違うのか、みていきましょう。

「シガー」:ciger、葉巻タバコ

「シガー:ciger」は葉巻です。葉巻とはタバコの葉をタバコの葉で巻いたもので、三層構造が基本。切断された葉は使わず、高級品はすべて手作りされています。先端を切り落とす・点火や吸い方などに独特の所作、関連する道具がおしゃれ、また紙巻タバコと比べて喫煙時間が長い、など、葉巻にはいろんなこだわり、楽しみ方があるようです。

「タバコ」:一般的にcigarette、紙巻タバコのこと

「タバコ:tobacco」はタバコの葉を加工して作られる製品の総称で、一般的には紙巻タバコのことです。細かく刻んだタバコの葉を細長い紙で包んでフィルターが付けられています。

タバコの箱に表示されている「タール」とは煙の中に含まれる粘液性の液体、簡単にいえば「ヤニ」です。その中に、化学物質的には毒物に指定される「ニコチン」が含まれています。フィルターはこのタールやニコチンを減らし、味をマイルドにする役目です。

「シガー」はタバコの葉そのまま、「タバコ」は刻んで使う

「シガー」は葉巻という狭義、「タバコ」はタバコ製品全般を指す広義です。また製品としても、「シガー」はタバコの葉そのもの、「タバコ」は葉を刻んで使用する点が大きな違いでしょう。

刻んだタバコの葉を専用の「パイプ」に詰めて吸煙すると長時間楽しめます。また日本では江戸時代、パイプと同じ原理で「キセル」の吸い方が流行りました。キセルに使われるタバコの葉は細刻みで日本独特です。キセルはカンボジア語で「管」をあらわす言葉からの由来、ポルトガル人がもたらしたといわれています。

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