QHDやWQHDという言葉を聞いたことがあるか。これらは画面の細かさを表している。他にもSDやHD、2Kや4Kなど様々なものがある。これらの違いがわかるか。実はQHDとWQHDは同じものを指す。ではなぜWが付いたり付かなかったりするのか。そんな画面の細かさを示す言葉の違いや歴史を、実際に変遷を見てきたプログラマでもあるライターのwoinaryと一緒に解説していきます。

ライター/woinary

某社で社内向け業務システムの開発、運用を30年近くやっていたシステム屋さん。現在はフリーランス。ガジェットやゲーム、ラノベが大好きなおっさん。

実はどちらも同じ?QHDとWQHDとは

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テレビやパソコン、スマホの画面の細かさを表すものは色々ありますよね。例えばHDやFHD、QHD、UHDなどがあります。これらの言葉の基本になるのがHDです。HDを基準にFやQ、UやWというアルファベットを組み合わせて画面の点の数で細かさを表しています。

ではQHDとWQHDの具体的な点の数はどう違うのでしょう。実はどちらも横2560、縦1440です。同じ点の数なのに、なぜ違う言葉があるのでしょう。その辺りを説明していきます。

QHD:HDの4倍がQHD

詳しいことは後で説明しますが、まずはHDというものがあります。HDは「High Definition video」の頭文字をとったもので、日本語では高精細ビデオです。高精細があれば反対もあります。そちらは「Standard Definition」の頭文字をとってSD日本語では標準画質です。

このHDの画面の点の数は横1280、縦720。このHDの縦2倍、横2倍の4倍になったものがQHDです。英語で4倍を表すQuadを付けてQuad HDを略してQHDになります。つまり、HD4個分がQHDです。

WQHD:ワイドであることを強調したかったのがWQHD

ではWQHDの先頭のWは何を表すのでしょうか。これはワイド(Wide)の略です。日本では2003年に現在の地上波デジタル放送が始まります。それ以前はアナログ放送でした。アナログ放送は2011年に終了しましたが、そのアナログ放送に比べてデジタル放送は画面が横長になりました。そのため、アナログ放送の時代のテレビに対してデジタル放送の横長の画面を「ワイド」と呼んで区別したのです。

これはテレビだけにとどまらず、パソコンなどのモニタ画面も横長に目新しさを強調するためにワイドという言葉が使われます。しかし、元々HDは横長のもの。そのため、QHDには元々ワイドの意味が含まれています。ですので、QHDもWQHDも実際は同じものです。

色々あってわかりにくい?解像度の基本とは

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WQHDのWは本来テレビではあまり必要のないものです。これはパソコンやスマホなどの画面の細かさ(解像度)を表す言葉でWを多用したことから生まれたもの。ですのでテレビの画面の解像度を表すときにはあまり使いません。ですので、ここではテレビの解像度で使う言葉を整理します。

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すべての基本はSDとHD

もう終了したアナログ放送のことは忘れてデジタル放送を基準にすると、基本になるのはSDとHDです。SDが標準画質、HDが高精細、つまり高画質になります。

パソコンのモニタなどではVGAというものが基本です。SDとVGAは画面の画素数は近いですが、同じではありません。そのため、テレビの解像度とパソコンモニタの解像度は微妙に違います。ここではテレビの解像度を取り上げますので、SDとHDに注目してください。

SD:今は見かけないがかつての標準だった

標準画質であるSDは昔のアナログ放送に近い解像度です。「標準」となってはいますが、今のテレビの多くはHD画質になっています。そのため、SDはもはや標準とは言えない過去のものです。

SDの解像度は横720、縦480画面の縦横比は4:3になります。ワイドではないノーマル画面です。縦480に対して横720だと比率が4:3にならないように思いますよね。実はアナログテレビの点の大きさは正方形ではなく、やや縦長。そのため画面の縦横比は4:3になります。

HD:高精細だったが今は標準に

HDは高精細、高画質のこと。ただ、現在のテレビはHDが主流なのでこれが標準のようになっています。そのHDにもただのHDとフルHDの2種類が存在。両者で点の数が違います。何もつかないHDは横1280、縦720。一方、フルHD(FHD)は横1920、縦1024です。どちらもHDなのですが、点が多いものをフルHDと呼んで区別しています。また、ハイビジョン、フルハイビジョンと呼び分けることも。さらにFHDのことを2Kと呼びます。Kとは英語で1000のこと。1920は約2000なので2Kと呼ぶわけです。

どちらの画面も縦横比は16:9のワイド。これは映画のスクリーンサイズに近いものです。より映像に没入できると言われています。昔のテレビ映像を流すと左右に余白ができるのは、昔より横長になったためです。

画面の高精細化でバリエーション豊富なHD

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地上波の放送はHDですが、衛星放送ではより細かい4Kや8Kの放送がありますよね。これらもHDのバリエーションです。そのため、すべてHDと呼んでもよいのですが、それではわかりにくいですよね。そのため、HDとFHD以外の呼び方が必要に。ここではFHD以上のものを説明します。

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画面の縦横比の違い?ノーマルとワイドとは

その前に、まずはノーマルとワイドを整理しておきます。ノーマルはSD画質で縦横の比率が4:3のものです。一方、ワイドはHD画質で縦横の比率が16:9ノーマルに比べてやや横長になります。昔のパソコンのモニタはノーマルの4:3が多かったのですが、現在はテレビと同様に横長の16:9か、それよりやや縦に長い16:10が主流です。これはスマホも同様

テレビの場合はSDはノーマルでHDはワイドと分かりやすいです。ただ、パソコンのモニタは標準と高画質、ノーマルとワイドが混在しています。つまり、HDに相当するものにノーマルとワイドがありました。たとえば、VGAとWVGA、XGAとWXGAなど。この区別のためにWを付けてワイドであることを強調したわけです。

HDの4倍細かい?QHD(WQHD)とは

ノーマルとワイドは画面の縦横比の違いです。一方、技術の進化にともなって画面も細かくなります。その際、今あるものの縦2倍、横2倍の4倍になることが多いです。それを英語で4倍の意味のQuadのQを付けて区別します。それがHDを4倍にしたQHDです。

HDは横1280、縦720ですよね。QHDはこれをそれぞれ2倍にするので横2560、縦1440です。同様にFHDに対してQFHDもあります。こちらは横3840、縦2160です。画面サイズを表す記号にはWやQがよく出てきますので、覚えておいてください。

QHDより細かい?4KやUHD、ULTRA HDとは

QFHDは横3840、縦2160と横が約4000あります。そのため、4Kとも。FHD=2Kですから、その倍のFQHDが4Kなのは当然ですよね。これがさらに4倍になったものが8K横7680、横4320になります。FHDの16倍、QHDの4倍です。これらをまとめてULTRA HDと呼ぶことがあります。

ただ、ULTRA HDは8Kのことだけを指す場合もあります。そのため4Kを4K UHD、8Kを8K UHDと呼ぶことも。ULTRA HDだけでは8Kのことを指すのか、4Kと8Kを含めたHDより細かいものを指すのか曖昧なことがあるので注意が必要です。

画面の基準は時代で変わる、HD基準から今後は2K/4Kへ

QHDやWQHDとは画面の解像度を表す記号です。Wの有無がありますが、実はどちらも同じもの。WQHDのWはワイドの意味ですが、HDが最初からワイドなので、付いても付かなくても同じになります。ではなぜ同じものに2つの記号があるかというと、ワイドであることを強調するため。パソコンモニタでは高画質でもノーマルとワイドがあるので、区別のためにWを付けました。その流れでQHDとするとワイドではないように感じてしまうため、同じ解像度ですがWQHDと呼んだわけです。

ただ、画面の基準は時代で変わります。いまはもうHDが基準。さらに4Kや8Kなども広がっています。そのうち、HD、FHD、QHD、QFHDよりも2K、4K、8Kが一般的になるかもしれませんね。

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IT・プログラミング雑学

簡単でわかりやすい!QHDとWQHDの違いとは?実は同じ?解像度の基本もプログラマーがわかりやすく解説

すべての基本はSDとHD

もう終了したアナログ放送のことは忘れてデジタル放送を基準にすると、基本になるのはSDとHDです。SDが標準画質、HDが高精細、つまり高画質になります。

パソコンのモニタなどではVGAというものが基本です。SDとVGAは画面の画素数は近いですが、同じではありません。そのため、テレビの解像度とパソコンモニタの解像度は微妙に違います。ここではテレビの解像度を取り上げますので、SDとHDに注目してください。

SD:今は見かけないがかつての標準だった

標準画質であるSDは昔のアナログ放送に近い解像度です。「標準」となってはいますが、今のテレビの多くはHD画質になっています。そのため、SDはもはや標準とは言えない過去のものです。

SDの解像度は横720、縦480画面の縦横比は4:3になります。ワイドではないノーマル画面です。縦480に対して横720だと比率が4:3にならないように思いますよね。実はアナログテレビの点の大きさは正方形ではなく、やや縦長。そのため画面の縦横比は4:3になります。

HD:高精細だったが今は標準に

HDは高精細、高画質のこと。ただ、現在のテレビはHDが主流なのでこれが標準のようになっています。そのHDにもただのHDとフルHDの2種類が存在。両者で点の数が違います。何もつかないHDは横1280、縦720。一方、フルHD(FHD)は横1920、縦1024です。どちらもHDなのですが、点が多いものをフルHDと呼んで区別しています。また、ハイビジョン、フルハイビジョンと呼び分けることも。さらにFHDのことを2Kと呼びます。Kとは英語で1000のこと。1920は約2000なので2Kと呼ぶわけです。

どちらの画面も縦横比は16:9のワイド。これは映画のスクリーンサイズに近いものです。より映像に没入できると言われています。昔のテレビ映像を流すと左右に余白ができるのは、昔より横長になったためです。

画面の高精細化でバリエーション豊富なHD

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地上波の放送はHDですが、衛星放送ではより細かい4Kや8Kの放送がありますよね。これらもHDのバリエーションです。そのため、すべてHDと呼んでもよいのですが、それではわかりにくいですよね。そのため、HDとFHD以外の呼び方が必要に。ここではFHD以上のものを説明します。

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