この記事では介護休暇と介護休業の違いについて見ていきます。どちらも家族の介護のために取る休みという点では同じですが、期間や認められている日数について細かい部分で異なるようです。対象となる従業員も異なるので、取得する場合には条件などを確認しておく必要があるようです。
今回はそんな2つの言葉の違いについて、自宅で家族の介護をしている文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

自宅で足掛け20年近く家族の介護をしている文学部卒ライター。

介護休暇と介護休業のざっくりした違い

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介護休暇と介護休業は2022年の4月に法改正がされ、条件に合う場合に従業員が申請すれば、雇用主は取得を断れません。2つの最も大きな違いは、取得できる時間や日数です。介護休業のほうが比較的長期間、介護に当てる休みが取得できることになります。

共通する部分は、有給休暇とは別の休暇であること、申請する従業員に要介護状態の家族がいるということです。取得している間の給与などの取り決めは、各企業によって異なるため、就業規則などを確認する必要があります。

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介護休暇について

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介護休暇は、要介護者の家族がいる従業員に向けた公的な休暇制度のこと。半日などの時間単位1日などの比較的短い日数の取得が可能で、介護離職を防ぐための方策です。

1.利用する目的の例

介護休暇が想定される例は以下の通りです。

・家族の代わりに介護保険の手続きをする
・介護が必要な家族が突然体調が悪くなった
・定期的な通院やリハビリなど介護施設の付き添いと送り迎え
・ケアマネージャーや施設や病院の相談員との定期面談
・福祉用具の貸与手続き、申し込み等
・介護施設や通所施設の見学
・在宅の入浴やリハビリ、訪問看護などの立会い
・その他生活に必要な介助や代理で買い物

2.介護休暇の上限

要介護の家族が1名ならば年5日、2名以上なら1年につき10日までが介護休暇の上限です。以前は丸々1日や半日単位でしたが、2022年の法改正で1時間ごとの取得も原則として認められるようになりました。

消費できる日数や時間は1事業年度ごとに切り替えが一般的。特に決まりがない場合は、その年の4/1~翌年の3/31までを1年とします。ただ、企業によっては年度の取り決めがある可能性があるので、事前に確認が必要です。なお、時間単位の取得上限は、1日の就業時間に日数を掛けて計算します。

3.介護休暇を取得できる条件

対象となる従業員は、2週間以上にわたって常時介護を必要とする状態の家族を持つ人です。しかし、契約期間が1日ごとの日雇いの従業員や入社して6ヶ月未満の人、労働日数が1週間の内2日以下の人は介護休暇を取得できません。

対象となる要介護の家族は、従業員の両親や配偶者とその両親、祖父母、兄弟姉妹、子や孫などです。同居している必要はなく、遠距離介護でも対象になります。

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介護休業について

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介護休業が介護休暇と異なるのは、介護が必要な家族がいる従業員への休暇制度として、取得できる日数が多いところです。介護について長期間の利用が必要な場合に利用されます。数週間から1ヶ月以上の休暇が取得でき、家族への対応が長期化する恐れがある時に利用可能です。

1.利用する目的の例

利用するケースとして考えられる例を紹介します。

・施設へ入居するための見学や準備
・遠方に別居している家族の介護
・介護が必要な家族を同居させるための準備
・自宅での介護に必要なリフォームをする際の立会い
・要介護者を自宅で看取る際の準備や対応
・まとまった期間に遠方の介護者の書類作成と役所などでの手続きをする

2.介護休業の上限

要介護者の家族が1名につき、通算で93日まで取得できます。連続して取得するのではなく、介護者の状態に合わせたり、他の家族との調整をしたりして、3回まで分割して取得可能です。93日連続休暇を取る以外に、40日と50日に分けて取ったり、31日を3回に分けて取得するということもできます。

数え方には注意が必要です。本来働くはずの所定の労働日から起算するため、土日が休みで93日連続して介護休業したという場合は、月から金までの20日分のみ介護休業となります。

3.介護休業を取得できる条件

対象になる家族は介護休暇と同様ですが、休む期間が長期にわたるため、取得した後も同じ会社で働き続けられる人でないと利用は難しいです。休暇を取得して6ヶ月を過ぎる前に、雇用契約が満了して契約更新が難しい従業員の場合は認められないことがあります。ただし、正社員、契約社員、アルバイトやパートでも雇用期間の決まりがない場合は、取得が可能になる場合もあるようです。

他に、入社して1年未満の従業員1週間の所定の労働日が2日以下という場合も休暇を取得できません。

介護休暇は家族の介護での休暇の日数が短く、介護休業は長期間取得できる

介護休暇も介護休業も、2週間にわたる介護が必要な家族の介助をする場合に申請できる休暇です。介護休暇は対象となる家族が1名であれば、1年のうちに5日までの休暇が認められます。時間単位での取得も可能で、翌年度にまた切り替えが可能です。介護休業は、介護が必要な家族が1名につき93日までの休暇が申請できる制度。連続して取得できる他、3回までの分割での取得も認められています。

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簡単でわかりやすい介護休暇と介護休業の違い!休暇の日数や取得できる条件も文学部卒ライターが詳しく解説

この記事では介護休暇と介護休業の違いについて見ていきます。どちらも家族の介護のために取る休みという点では同じですが、期間や認められている日数について細かい部分で異なるようです。対象となる従業員も異なるので、取得する場合には条件などを確認しておく必要があるようです。
今回はそんな2つの言葉の違いについて、自宅で家族の介護をしている文学部卒ライター海辺のつばくろと一緒に解説していきます。

ライター/海辺のつばくろ

自宅で足掛け20年近く家族の介護をしている文学部卒ライター。

介護休暇と介護休業のざっくりした違い

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介護休暇と介護休業は2022年の4月に法改正がされ、条件に合う場合に従業員が申請すれば、雇用主は取得を断れません。2つの最も大きな違いは、取得できる時間や日数です。介護休業のほうが比較的長期間、介護に当てる休みが取得できることになります。

共通する部分は、有給休暇とは別の休暇であること、申請する従業員に要介護状態の家族がいるということです。取得している間の給与などの取り決めは、各企業によって異なるため、就業規則などを確認する必要があります。

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