この記事では朝鮮漬けとキムチの違いについてみていきます。どちらも辛味のある漬け物の一種ですが、実はそれぞれ明確な違いがある。同じものと考えられていることも多いが、少し違いがあるため、この機会に注意して覚えておこう。今回はそんな朝鮮漬けとキムチの違いを、起源や普及時期の違いとあわせて、読書家WEBライターのハヤカワと一緒に解説していきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

朝鮮漬けとキムチの違いとは?

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朝鮮漬けとキムチはどちらも辛味のある漬物の一種ですが、それぞれ作り方・生まれた場所などに違いがあります。この機会にそれぞれの詳しい違いについて確認していきましょう。

その1.朝鮮漬けとは?

「朝鮮漬け」は漬物に赤唐辛子を加え、辛味を足した日本の漬け物の一種です。朝鮮式の漬物である「キムチ」から着想を得て、日本風にアレンジしたものとされています。キムチが一般的に親しまれるようになった現在では、朝鮮漬けはキムチの古い呼び方で朝鮮漬け=キムチと考えられることも多く、注意が必要です。

その2.キムチとは?

「キムチ」は朝鮮半島の伝統的な漬物です。白菜などの野菜・塩・にんにく・ニラ・唐辛子などを主な材料としています。なかでも白菜を使ったものが代表的です。当初はキムチとは唐辛子を使用しない「白キムチ」のことを意味していましたが、唐辛子が伝来した後は唐辛子に漬けたものを「キムチ」と呼ぶようになりました。

現代では韓国国内のキムチ消費量が低下しており、「キムチ離れ」が進んでいると話されることもあります。

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朝鮮漬けとキムチの起源は?

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朝鮮漬けとキムチは、ともに発酵させた漬け物の一種です。見た目や主な原料は似ていますが、起源に少し違いがあります。朝鮮漬けの起源ははっきりとはしていないものの、日本で生まれた漬け物です。戦前から戦後すぐの書籍に「朝鮮漬け」の記載があり、1960年代初め頃には普及していた料理となっています。

一方キムチは韓国で生まれた代表的な漬け物です。現在見るような塩辛・唐辛子・白菜を使ったキムチが生まれたのは18世紀以降と考えられており、それ以前は現在とは違った料理でした。韓国の飲食店ではおかわり自由・無料の副菜として提供されることも多く、韓国の象徴的な料理となっています。

日本におけるキムチの普及時期

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日本のキムチの普及時期についても、この機会に確認しておきましょう。もともと「キムチ」は一般的にはあまり知られていませんでしたが、1975年に桃屋から「桃屋 キムチの素」が発売されると人気を博し、さらに1980年後半に激辛ブームが到来。キムチの消費量は増大し、一気に日本でも「キムチ」が一般的なものとなりました。

社団法人・食品需給研究センターの報告では2004年の漬け物消費量において、キムチは浅漬けに次いで2番目に多く消費されたとしています。その後はピーク時と比較して消費量は減少したものの、現在「キムチ」は日本人にとっても代表的な漬け物のひとつです。こちらもあわせて覚えておきましょう。

「朝鮮漬け」はキムチから着想を得た日本の漬け物で「キムチ」は朝鮮半島伝統の辛味のある漬け物!

この記事では朝鮮漬けとキムチの違いを説明しました。「朝鮮漬け」はキムチから着想を得た漬け物に赤味唐辛子を加えた日本の漬け物で、「キムチ」は朝鮮半島の伝統的な辛味のある漬物です。同じものとされることも多いものの、それぞれは別々の料理を表しているため、この機会にしっかりと覚えておきましょう。

また朝鮮漬けは1960年代初め頃には普及していた料理であり、現在の形式のキムチは18世紀以降に生まれたものです。日本におけるキムチの普及時期は、1980年後半の激辛ブーム到来以降となっているため、こちらもあわせて覚えておきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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雑学

3分で簡単にわかる!朝鮮漬けとキムチの違いとは?起源や普及時期も読書家ライターがわかりやすく解説!

この記事では朝鮮漬けとキムチの違いについてみていきます。どちらも辛味のある漬け物の一種ですが、実はそれぞれ明確な違いがある。同じものと考えられていることも多いが、少し違いがあるため、この機会に注意して覚えておこう。今回はそんな朝鮮漬けとキムチの違いを、起源や普及時期の違いとあわせて、読書家WEBライターのハヤカワと一緒に解説していきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

朝鮮漬けとキムチの違いとは?

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朝鮮漬けとキムチはどちらも辛味のある漬物の一種ですが、それぞれ作り方・生まれた場所などに違いがあります。この機会にそれぞれの詳しい違いについて確認していきましょう。

その1.朝鮮漬けとは?

「朝鮮漬け」は漬物に赤唐辛子を加え、辛味を足した日本の漬け物の一種です。朝鮮式の漬物である「キムチ」から着想を得て、日本風にアレンジしたものとされています。キムチが一般的に親しまれるようになった現在では、朝鮮漬けはキムチの古い呼び方で朝鮮漬け=キムチと考えられることも多く、注意が必要です。

その2.キムチとは?

「キムチ」は朝鮮半島の伝統的な漬物です。白菜などの野菜・塩・にんにく・ニラ・唐辛子などを主な材料としています。なかでも白菜を使ったものが代表的です。当初はキムチとは唐辛子を使用しない「白キムチ」のことを意味していましたが、唐辛子が伝来した後は唐辛子に漬けたものを「キムチ」と呼ぶようになりました。

現代では韓国国内のキムチ消費量が低下しており、「キムチ離れ」が進んでいると話されることもあります。

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